2005/03/04
1431, 「堤義明の逮捕」のショック

西武鉄道の会長の堤義明が逮捕された。
角栄の逮捕ほどでないが、大きな時代の変わり目の事件である。
JOCの元会長で、西武ライオンズのオーナーで、西武鉄道グループの総帥で、
日本では名実ともに経済界のナンバーワンの実力者の逮捕である。
健全になったとも言える。

私が客室主体の客室のホテルを考え出したのは、堤義明の言葉である。
「ホテルに利益の元は、あくまでシングルルームがベースである。
また全てのホテルの建設の基本設計は、潰しが効く(転用可能)ようになっている。
客室の壁を取り払えば事務所ビルになる。」
それならオールシングルの客室のホテルにして、更に柱の少ない建物(鉄骨つくり)
にすれば良いと考えた。  このテーマとは少し違うが。
彼の経営手法では成り立たなくなったのか、大きな判断ミスをしてまいったのか。

一時代を築いた、義明の兄・堤清二ダイエー中内功、ミサワハウスの三沢千代治、
と次々と消えていく。西武鉄道グループは、日本では最も安定した会社と思っていた。
いや安定していたのだろう。崩壊する時はこんなものだ。
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ー先日書いた、関連の内容であるー
西武鉄道前社長の自殺と、カリスマ失墜」

何回か堤義明について批判的な文章を書いてきた。
・突然ヘリコプターでホテルに乗り付けて、査察をした
・頭の良い奴は要らない、実直な人材の方が使える
西武ライオンズの森元監督の講演会で話で
「試合が終わると、その日の指揮の内容に細かい注意があった」
 等々、傲慢な噂を何回聞いたことがある。

昨日の毎日新聞の三面記事の特集に、数ヶ月前まで栄華を誇った
「堤王国」の崩れたシナリオを生々しくレポートしていた。
この記事によると、
・今回の事態収拾後に院政を敷くシナリオであったとか。
・その事実を、証券取引等監視委員会の側近が証言をしている。
・昨年の役員辞任後も、電話などで頻繁に指示を出していた。
有価証券報告書のほころびが、巨大グループの足をここまですくうとは
 誰も想像もしてなかったという。
・監視委員の幹部は「砂山に小さな針が落ちたら、山が崩れてしまった」と証言。
・そして、その堤は「気持ちの整理もまだつけかねている」「逮捕に脅える日々をおくっている」という。

晩節を汚してしまったことを、彼自身いまだに信じられないのだ。
週刊誌に昨年の暮れ「3月に堤義明の逮捕!」とリーク?されたが、
そのスケジュールに入ってきたようだ? 総務部次長の自殺に続いて、前社長の自殺だ。
これで彼が逮捕をされないほうが不自然な状況である。
大いなる中小企業の崩壊から、地方の崩壊の序曲がはじまるのだろうか?

せっかく逮捕されるなら、政治業界の??を何匹か道連れにしていくべだ。
この事態は一年前までは、考えられないことであった。
確固たる地盤がある珍しい存在に見えていた。有価証券報告書への虚偽記載などが発覚した
昨秋以来、株価が3分の1以下になってしまった上に、上場廃止となった。
そのため株価が暴落、株式を担保に借金をしていた資金が担保割れの事態になった。
そのため銀行の態度が一変せざるを得なかった。
一皮剥けば張子の虎でしかなかったのだが、崩れる時はこんなものである。

この問題は、考えてみれば中小企業問題でもある。
これから始る解体は?、中小企業の行方に重なるところが多い。
ペイオフの時期と重なるから、尚のことである。これからは地方銀行の合併と、解体が今後進む。
西武の問題は、形を変え中小企業、特に地方に押し寄せてくる。他人事の話しではない。
 この数年の情報化で、何かが変わったのだ。

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2004年04月05日(月)  1098, 拾い物