1089, その一言が運命を!

私の最大の欠点は一言多いことである。
それも親譲りの胸を深く切り裂く言葉を言ってしまう。
子供の頃、父親の言葉の鋭さが一番恐ろしかった。
そして、その部分を引き継いでしまったようだ。

昨夜もスナックのママから以前、「グサリと、その一言で刺してしまった」
状況をリアルに聞かされてしまった。ついついジョークで言ったつもりが
心の一番深いところをついていたからだ。  本当に困ったものだ。

さらに、学生時代のゼミで現象分析の訓練をしたためか、一瞬で言葉が脳に出て
しまう。当時の日記を読んでいると、その当時言ってしまった「その一言」の多くが思い出される。

家内も私に負けず言葉が鋭い。言い違いや甘さに対して、即座に強烈な皮肉で帰ってくる。
言葉に対しては家庭内でも真剣勝負である。
結婚当初になるが、泥酔している私の顔を見て「白ナス!」と言われたことがあった。
鏡を見たら、本当に白ナスのような顔であった。
「言葉の持つ恐ろしさ」をいっている格言が幾つかある。
   自戒を込めて列記してみる。
・「神は言葉が持つ破壊的な力から私たちを守っていてくださる!
  鋭い刃物よりも胸を深く切り裂く言葉がある。
  一生胸に突き刺さったまま忘れられない言葉がある」
・「賢者の口は心にあり、愚者の心は口にある」
・「ガチョウのわめき声は、ライオンの爪よりも痛みを感じさせることがある」
  というスペインの諺がある。
・「黙れ、さもなくば沈黙にまさる言葉を口にせよ」 ーピタゴラス
・「ふさわしいことを話すのだ。それができなくては黙ることだ」
  ジョージ・ハーバード
・「気難しい口調で真実を述べるくらいなら、沈黙を守っていないほうがましだ。
  それは美味しい料理にまずいソースをかけるようなものだ」
  ーー
 言葉は人を生かしも殺しもする。
 一度発した言葉は元に戻すことはできない。
 これで人生の幅をいかに狭くしてきたことか。
 
 特に酒の入った時の言葉の鋭さは「気違いに刃物」である。
 酒を飲むときは「一期一会」という気持ちで飲んでいるのが逆に悪いのだ。
 酒は脳に敵を入れ込むようなものだ!
 
 悪口や陰口は言わないようにしているが、逆に目の前では抑えることができない。
 今更、陰口に切り替えるわけにもいかない。
 陰口をいくら言われても、目の前でグサリとやられるより傷は少ない。
 あまり懇意な集会以外は行かないことにしている。
 特に殿様蛙のあつまるところには。

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