2006年03月09日(木)
1801, 日本経済改造論   ー読書日記
                   才ノヽ∋―_φ(≧ω≦*)♪             
    またまた野口悠紀雄である。このところたて続き読んでいるが、
    どの本を読んでも飽きさせないから不思議である。

この本では、現在の日本経済の不況の原因が
1940年体制を起点とした戦時体制を引き継いだ1945年体制以降から
 現在まで続いている間接金融による銀行支配にあるとしている。
・また日本企業のリスク回避的な行動にも原因がある、と指摘している。

    従ってそれらを克服するには45年体制から続いている間接金融 から
    直接金融に移行し、リスク回避的な企業が市場から直接資本を集め、
    新しい事業を立ち上げない限り今後の日本経済は立ち行かなくなることを指摘している。

企業がリスク回避的であることを利益率の低さから考察している。
食料自給率の低さこそが日本の食糧の確保を確かなものにしていると看破。
人口問題は、人口減少が問題なのでなく、年齢構造の高齢化が問題であると指摘。
日本企業の資本収益率は国際比較で見てもきわめて低いし、
長期トレンドとしてこれを高めることは容易なことではない。
郵政民営化は不要であり、他にもっとやるべき大事な仕事がある、
それは年金改革と税制改革などである。

第一章では、日本経済の現在を概観
 日本経済はまだまだ巨大であり 2001年の時点では、アメリカの半分
 中国の4倍 ドイツの2倍 ロシアの25倍もある。
 但し、農業とサービス業は生産性が低いとみている。

第二章では、1940年代体制とバブルに書いている。
 その体制がアメリカの間接統制の政策の結果として現在も官僚統制として続いているとみている。
 その一つとして銀行システムもそのまま残った。
 それらの結果として間接金融と民間企業は閉鎖的システムになってしまった。
 世界的なIT化と、共産圏の自由市場への参入に対して
 日本のシステムは成り立たなくなり、現在の大不況を招いてしまった。

第三章では、日本の金融は正常化したかという問題にふれている。

第四章で、日本経済の利益率は何故低いかにふれている。
 世界的な大変革に対して1940年のシステムのため閉鎖システムは
 立ち行かなくなってきている現状を論じている。
 彼の本はほとんど読んでいるが、学者にしてはなかなか目線が
 実態をリアルに表現していてわかり易い。

「日本経済改造論」 ーいかにして未来を切り開くか
 著者 野口悠紀雄  東洋経済新報社
              ( 。・_・。)人(。・_・。 ) ジャ〜
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