野口悠紀雄は、その著書で、
アメリカの金融立国に対応して、日本も円安に誘導して資金をアメリカに供給し、
かつ円安メリットを最大限利用して輸出立国をつくりあげた。 金融恐慌は日本も同罪である」と断じている。
しかし統計の数値からみて、果たして日本が輸出立国かという素朴な疑問が生じるのも事実である。
他国のGDPの輸出比率をみてみると、意外なデーターがある。
・中国 37パーセント
・韓国 37パーセント
・ロシア 30パーセント
・欧州平均 50パーセントの数字。(中は大きなばらつきがあるが)
原油輸出国のクエート 56パーセント。 他の産油国では90以上だろう。
日本は、これに対して15パーセントでしかない。

 これからみると、日本は輸出立国と果たしていえるのだろうか。
しかし輸入も13〜4パーセントがあるので、輸出は必要である。
特に資源輸入国なので、それを稼ぎ出さないければならない。
他の先進国は、天然資源や食料があるが日本にはないので車や電子製品などを輸出して、
それを輸入でまかなうしかない。石油などのエネルギーを20兆円、食料6兆円の輸入は必要。
したがって、少なくともそれだけの輸出を確保しなければならない。
食料自給率が40パーセントを割ったことも、日本にとって不利である。
食料輸入国と割り切って、それを他でまかなえばというが、戦略的輸入制限をされる可能性がある。
日本はバブル崩壊後に、自動車と電機製品を牽引車として日本経済を支えてきたことも事実。
島国の日本は、やはり輸出産業を中心にしなければならない。
 今まで通りのアメリカの属国として与えられてきた恩恵がなくなりつつある日本の舵とり、
 日本の政治の質があまりに貧弱なのは現在の混乱をみれば分かるが・・・

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