貸し剥がしが、全国で吹き荒れ、そして大量倒産が

一昨夜のNHKの「クローズアップ現代」は30分の枠を1時間15分に延期した厳しいものだった。
その中での中小企業への銀行の貸し剥がしを具体的にレポートしていた。
一般的には、銀行借り入れは短期と長期の組み合わせになっている。短期は、半年とか1年で借り換えをするが、
まずは、急激に悪化した企業には、借り換え時期の貸し出しを断る。銀行の立場からすれば当たり前だが、
物件持込など銀行が持ち込んだ投資案件など、銀行に梯子を外されるケースも多い。
長期も計画通り返済できない時に、返せなかった部分を銀行が追い貸しをしながら企業の回復を待つケースが多い。
ところが、今回の金融恐慌で、銀行も企業も体力が消耗して上に、日本中は貸し剥がしが露骨に行われているという。
レポートは、黒字を長年続けている企業に突然、借り換え時に返済を要求してきたケースであった。
 その経営者は、何で突然返済を迫られたか呆然としていた。

当社のコンサルティングをしてもらっている、H氏が先日の酒席で、
「銀行の貸し剥がしについて、どう定義づけますか?」と問われた。
深く意味を考えたことがないので、その時に思いのまま答えたことは、
「資金の切迫している弱みに付け込んで強引に資金回収すること」
あるいは「自社の都合で、借り換え時に資金を回収すること」と答えた。
H氏曰く、「償却後に利益を出している会社から一方的に資金回収すること」
成るほど思ったが、「それがホテルや製造業などの設備装置産業にいえることでは」と問い返した。
飲食業など、三年〜五年が目安のところもあるからだ。 それに対して、「いや同じだと思う」という。
そういえば、今回の金融恐慌に対して、当社の数年先の最悪の売り上げダウンの場合の一つの目安が、
設備の償却後の利益確保を基にしている。 審査の厳しい銀行も、初めにそこをみる。
9・11のテロ以来、4年間ジワジワと売り上げがダウンした時に、それをネタに大手銀行に揺さぶられたことがある。
H氏は『償却後に、これだけ利益を出しているだけで、何を言っているのか。その支店長のパフォーマンス。
動じることは全くない』と終始一貫していた。ゆすぶられた時の売り上げが底で、その直後に回復基調になったので、
それ以上の揺さぶりはなかったが・・。 それにしても、今考えてみても明らかにオカシイ動きだった。
同時期、全国で同じような異様な動きをして大問題になり、その後、大人しくなった。 
それからみて、今度の落ち込みがどれ位になるか、考えただけでも末恐ろしい。
貸し剥がしは、これから数年間は続くだろう。 
銀行そのものも一つ間違えば、不良債権の山になり倒産になりかねない。
ところで、いま一度実感としての貸しはがしとは?
「貸出先の危険を他の金融機関に一歩先に取り立てる銀行の立場を守る行為」 ?

まずは第一波が、来年の1月05日である。年末に資金繰りの出来なかった企業の倒産が続出。
次が2月初旬。そして3波が4月初旬で、次からは毎月の初旬で、来年は恐慌パニックの年になる。 恐ろしいことだ。 
 5年後に駅前再開発の道路拡張で、1つホテルが収容され、それが返済財源にプラスされるから大丈夫だが、
それでも何が起きるか分からない。
  5年以内に、半数近くの事業所が消滅するだろう。
 過去5年で三割以上が消滅したというから、何も極論でない。
  (新しいのが出来ているので目立たないが)

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