2004年09月13日(月)
1259, 「裏帳簿のススメ」ー読書日記 ー 岡本 吏郎 (著) 出版社: アスコム

この裏帳簿の意味は、けっして危ない脱税の裏帳簿ということでなく、
「役員賞与を目いっぱい取って、生活費の差額を別通帳にプール
しておく、戦略的予備費のつくり方」、要するに「副帳簿を作っておくべし!」という内容である。
我々中小企業の経営者は、こういう戦略的予備費を持つという考え方は持って
いないで、日々の資金繰りに追われているのが大部分である。

前書の「会社にお金が残らない本当の理由」では、
・裏帳簿は絶対必要!その理由と作り方
・決算書の数字はまったく意味がない理由
・経営をするうえで知らない人が多い、たった一つの数字ー本当の数字
・これに逆らったら、お金は貯まらない「ビジネス万有引力の法則」
・間違った節約、正しい節約
・会社が稼いだお金の本当の価値
・資本主義の正体を知れば行動も変わる などを書いているが、

「会社を経営しようというなら、一億の金を個人名義で持っていろ!」と暗示している。
今度の本では、その技術論であるが、さしたて突っ込んだ内容ではないが。
経営の目的は「有利なポジショニングにつくこと」と看破、その為には、
「戦略的予備費としての合法的裏通帳を用意しておくべし」が要旨である。
デフレと恐慌に近い経済環境の中で、利益を確保することすら難しくなってきている。
戦略的予備費を如何して確保するかは長期スパンの結果である。
「今日明日どう生存するか」が中小企業の90?の問題点であるのに、何を今さらという感がする。
しかし、そうだとしてもやはり読むべき価値はある。「税務会計からみた中小企業戦略経営論」としてみると面白いが。

以前書いた前著についてをコピーしておきます。
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2004/01/17
1018, 「会社にお金が残らない本当の理由」 −1
                         ー読書日記
 紀伊国屋で、この本の帯につられて買ったがナカナカ面白い。
タイトルは−93・7?の会社は10年以内に潰れるー攻めるだけでは会社は10年続かないーである。
「初めに」の出しからして刺激的な文章である。ー「まずはキャッシュで一億を作る。」
社員5名ほどの中小企業‥とか零細企業に私が最初に言う目標である。
「零細企業にそんなことができるか?」と思うかもしれません。しかし、会社経営をしているなら、当たり前です。
そもそも、現在日本には一億の預金を持つ人は108万人います。 総世帯4700万ですから全体の2.3?です。
50世帯に一世帯が一億を持っているのです。 でも、実際の中小企業やその社長はどうでしょうか。
資金繰りに追われているところが大半です。何故こうなったのでしょうか?
それはほんのチョッとした差から生じています。そのチョッとした差が生死を分けてしまいます。
・・・普通の経営者は、経営の背後になっているシステムが分らないのです。 ーとのっけから読み手を引きつけていく。

 印象に残ったところを抜粋してみると
・資本主義社会そのものがボッタリの本質をもっている。
・今の日本の税制は「かっぱらい」である。 「取りやすいところからとる!」が結論である。
・決算上の利益とは、実態とは違った税金を取るための数字でしかない。
 その粉飾決算の利益を経営者も税理士も会計士も信じきっている。
 税理士や会計士は無知もいいところ。ゾンビを生んでいる日本の税制に気がつかない。
 設備投資の耐用年数は実態とかけ離れている。その数字のおかげで、ありもしない利益を計上させられ、
 税金をボッタクラレている。
・自宅の名義は奥さんにしておくべきだ。
・「車」と「家」と「保険」を、おさえておけばお金は残る。 ーこの詳細がナカナカ面白い
・社長で「いい人」ほど儲かってない。 一般常識の世界で生きているからだ。
 ロータリークラブとか・・ それとは別の独自の指標が必要だということが分ってない。
・中小企業ー零細企業の報酬の内訳は「役員20?、社員30?」但し役員報酬は合法的裏金で
 実質的に会社の金と割り切ること。 内部留保金と未来投資資金として割り切ること
・裏帳簿の勧め・・・・
・戦略3つ,戦術7つ
・ローリスクだからこそハイリターンを得ることができる。リスクは極力かけるな!ローリスクは本業の中にしかない。
  ー以上が印象に残った内容だ。

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