6500万年前に巨大な隕石が衝突し、恐竜が絶滅したというドキュメントをTVでみた記憶はある。
  しかし、米ソの核を全て爆発させたと仮定した1万倍の規模とは。
  当時、「もし核戦争で起こって核が全て使われたら人類を数万回は殺戮できる」と聞いていた。
  その一万倍の革命的出来事が6500万年前に実際あったのだ。 それが現代に来たとしたのが映画が幾つかみたが...
  その御陰で、恐竜が絶滅して人類の祖先が生まれる環境が出来たのである。
  1000万年遅れれば、我々人類は、まだ地球上に存在してないのである。
  
以下は「レンタルの思想」を読んで、さっそく取り寄せた本にあった地球にとっての
  革命的事件の内容を抜粋した。
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「地球システムの崩壊」松井孝典著  −読書日記
  *地球史における革命的事件
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K/T境界層と略称される地層がある。絶対年代では、六五QO万前の地質のことである。
この年代を境に、憶物の絶滅が起こうている。それぞれの地層にふくまれる化石に基づいて
その年代が決められる地質年代では、その前後の年代を、白亜紀第三紀命名して区分している。
それぞれの年代の、外国語表記の頭文字がKとTなので、その境界の地層は、K/T境界層と呼ばれる。
この地層は世界中至る所に分布する。もちろんわが国にもある。・・・・・・

カリフォルニア大学の、アルパレスという地質学者を中心とするチームが、そのK/丁境界層で、
イリジウムといら元素が濃集している事を発見し、それが巨大な隕石の衡突によってもたらされた、とする学説を、
サイエンス誌に発表したのである。 それが地球史観においてなぜ革命的なのかといえぱ、従来、
地質学の根本原理といわれていた「斉一説」を否定するものだったからである。斉一説とは、前にも紹介したように、
現在生起する自然現象が過去においても同様に起こったと考え、従ってそれを前提にして、地層に残された記録を
解読しようとする考え方のことである。 天体衝突のようなアドホックな現象を排除して、地質詑録の解釈をするのが
より科学的、ということで導入され、悟奉されてきた。 その後一〇年くらい、この論文の妥当性に関し、論争が読く。 
論争に終止符がうたれたのは、1991年のことだ。メキシコのユカタン半島において、その地下に6500万年前に形成された。
直径180キロメートルに達する巨大なクレーターが発見されたのだ。 一九九四年、筆者は米国、メキシコの研究者らと共同で、
このチチュルブ・クレーターと呼ばれるクレーターの地琢物理学的調査を始めた。多くのダイナマイトを使うことなどで、
許可まで時間がかかったが、一九九六年にようやく、地質調査の許可を得るところまでこぎつげた。 予備調査を開始したところ、
欧米やメキシコのK/T境界では、これれまで報告されないような異常なK/T境界層が存在することを発見した。・・・・

例えば、ぺニャ一ルベル層、ババナ周辺の100キロmくらい渡って、東西に分布する。
それぞれが場所ごとに、様々な厚さをもつ。それらは、当時のユカタン半島の東に分布した地塊の、大陸棚斜面ドに、
東.西に分布したひと連なりの地層と考えられる。ユカタン半島に、直径10キロメートルを超える巨大な阻石が衝突し、
直幡180キロメートルに連なる巨大なクレーターが形成されたその時、衝突の衝撃波は大地を揺るがし、
海には波長が1千キロメートルにも達するような、また海岸ではその波高が数百メートルに連するような、巨大な津波が発生した。
地震により大陸棚の斜面は崩壊し、すざましい土石流となって海底に滑り落ち、更に津波によって運び込まれた土砂で、
海は汚され、泥海と化す。それらが堆積し、形成されたのが、キューバ各地に堆積されたK/T境界層である。

これらの地層を調ぺた結果、それまで知られていなかった、いくつかの新事実が明らかにされた。
ひとつは、いずれもが、津波によって形成されたことである。天体働突と津波とがどう結びつくか?
直後10kmの巨大隕石が秒速二〇?メートルを超える速度で衝突すると、
その瞬間、膨大なエネルギーが解放される。その衝突のエネルギーは、かって米ソが冷戦時代
保有していた核弾頭のすべてを同時に爆発させエネルギーにひってきする。
今は亡きカール・セーガンらが指摘したように、全面的な核戦争が起これば、
いわゆる"核の冬゜呼ばれる地球環境の変動が起こるが、この衝突によぞ引き起こされる
環境変動は、そのエネルギーの比較からもわかるように、それとは桁違いの大きさである。
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 その衝撃のため生き延びたのが海中の動物と、小動物だったというのも注目に値する。
 地球システムからの人間圏への報復は、この延長ならもっと大きな事態になるのだろうか?

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