2004年03月21日(日)
1082、「80対20」革命 −1(読書日記)

 前著に続いて、早速この本を買ったがなかなか面白い。
この本は、ベストセラーになった「人生を変える80対20の法則」
(TBSブリタニカ、1998年)の続編である。
前著は、ABC分析やパレートの『80対20』の法則を解りやすくまとめてあり、
非常にインパクトの強い内容で、特に80に対する見直しをするキッカケになった。
この新著は更に深耕された内容といってよい。

ビジネスに特化し、「より少ない労力で富と幸せ」を獲得する方法が書いてある。
特に大きな組織から自立し、個人として成功するための方法を、具体例を多数
紹介しているのが特徴である。
もともと『80対20の法則』はパレートが発見をした法則である。
前回も書いたが、ここでおさらいをしてみる。

ーイタリアの経済学者ヴィルフレード・パレートが1897年に発見した法則で
今では社会の様々な分野で実証されている経験則である。
例えば、
「会議では20%の出席者全体の80%を決める」
「営業マンの上位20%が、利益の80%を出している」
「納税者の上位20%が税金総額の80%を負担している」など、いろいろと当てはまる。

これは、自然界にも当てはまる。
例えば、働きアリの集団でも本当に一生懸命に仕事をするのは2割で、
残りの8割のアリたちは、仕事を怠けているという。
「働く2割か、怠ける8割か」が、生まれつき決まっているか、と言うと、
そうでも無い。試しに、働いている2割のアリと、怠けている8割のアリを
分けてみるとまじめに働いていた集団の8割が怠け始めるという。
反対に、怠け者のアリの集団では、2割が働き始める、というから不思議である。
人間の場合ありえないと思うが。
つまり集団をどう選んでも、やがて全員の2割が平均以上に働いて、
残り8割は怠けてしまうという結果に落ち着くのが実験結果という。

ーこれを人間に喩えると…
怠け者を全員解雇して、よく働きそうな人間ばかりを雇用し直しても、
しばらくするとやっぱり、結果は同じことになる。
どこの会社でもみられる「なんで、うちの社員は働かないんだ!」
という悩みが、無くならないことが、このことよりよくわかる。

本書にはこのパレートの法則でいうところの20%を、
自分の中に見つける方法が多く書いてある。
著者はこの本の『主人公』である“80対20人間”について、こういっている。

・「おそらく一パーセントにも満たない人々が、ほぼすべての変化をもたらしている。
 創造力豊かな個人が、これまでの物事のあり方を変えているのである。」
(31ページ)。
・「こうした80対20人間の特徴のひとつは、独自の強みを生かそうとすると同時に、
 多くの弱点をも自覚していることである。
 80対20人間はその弱点を補うため他の個人を必要とする
 −80対20人間が能力を発揮できるのは、周りに他の人たちがいるからなのだ。」
「私が「個人」と言った場合、「個人とその小チーム」の意味であるということを
 覚えておいてほしい。」(38ページ)
                        つづく

                      • -

2003/06/29
『80対20の法則』ー読書日記
リチャード・コッチ著  仁平和夫訳  TBSブリタニカ
 ・・・・・・
ー私の解説ー 
 数年前になるが、この本を読んだ時はショックであった。
約100年前のイタリアの経済学者パレートは、19世紀のイギリスにおける所得と
資産の分布を調査した結果、所得と資産が一部の人達に集中していることを発見し、
2つの奇妙な事実に気が付いた。「わずか20%の人達に資産総額の80%が集中していた」
という数理的事実を発見した。
以前からABC 分析や戦略論などがあったが、この本は非常にわかり易い内容であった。
この法則を知っているかどうかで、数倍も人生を濃く生きる事が可能になる。
7つの法則ー最優先事項ーに、要約すると似ているところがある。
人は無意識的に「如何でもよい方の80」を選択しているように思えて仕方がない。 
どの要因の20%が結果の80%を決定するのかを、
つねに自分に問いかけてみる習慣をつけるかだが。 

ー 以下は幾つかのホームページから抜粋したものである。 
■この本の内容
・80対20の法則とは、たとえば、あなたが成し遂げる仕事の80%は、
費やした時間 の20%から生まれる。
・あるいは、本の価値の80%は、ページ数にして20%以下の中 にみつけることが
できることなどをいう。但し、80対20というのは目安にすぎず、
不均衡がもっと大きくなる場合もあれば、小さくなる場合もある。
★80対20の法則を理解すれば、自分の周りで起こっていることがよくわかっ てくる。
 80対20の法則をうまく活かせば、何もかも驚くほど改善する。
★80対20の思考とは、数量分析をせずに、
80対20の法則を日常生活に適用することである。

★目に見えない20%、水面下に隠れている20%をみつけ、求めよ。
★80対20の思考の目的は、行動はひとまず忘れ、しずかに考え、
心の闇の中に光を 見いだし、それから行動を起こすことにある。
そして、行動を起こすときは、目標をふ るいにかけ、いちばん大切なものに的を絞り、
必要最小限のエネルギーと資源で最大限 の結果を出すために全力をあげる。

★時間の利用法ワースト10。
 ?他人から頼まれたことをやる。
 ?いつも向き合っていることをやる。
 ?あまり得意でないことをやる。
 ?楽しくないことをやる。
 ?たえず邪魔が入ることをやる。
 ?他人がほとんど関心を持っていないことをやる。
 ?考えていたよりすでに時間が二倍かかっていることを続ける。
 ?信頼できない人と仕事をする。
 ?山あり谷ありのサイクルが予想できることをやる。
 ?宇宙電話が気に入っている

★時間の利用法をベスト10
 ?人生の目的に沿った事をやる。
 ?いつもやりたいと思っていることをやる。
 ?八十%の成果を生み出す二十%のことをやる。
 ?最小限の時間で最大限の成果を上げる方法も考える。
 ?君にはできこないといわれていることをやる。
 ?別の分野で波誰かが大成功を収めたことをやる。
 ?自分の想像力を生かせることをやる。
 ?人に任せられ、自分はほとんど遊んでいればいいことをやる。
 ?常識外れの時間の使い方をしていて成功している人と手を組む。
 ?やらなければ生涯出来ない
 
・・・・・・・・・・・・