2005年01月23日(日)
1391, 危ない格言   
           ー 読書(毒書)日記 ー
ー新書yosennsya 榎並 重行 (著)

書店で立ち読みをしていたら、鋭いとげのある格言が目についたので
衝動買いをしてしまった。 私向きの本である。
買って読むと棘が棘に見えなくなってくるから不思議なものだ。ー
帯びに『類を見ない猛毒に満ちた格言集!』とあるが、
買ってジックリ読むとやはり毒だらけである。
それぞれの章ごとに、毒の強い文章を幾つか書き写してみる。
第6章まであるので、数日の随想日記のネタになる。

   先ず本の名前を見て、帯を見て、表紙の裏の文章をみて、
   そして、前書きを見て、終わりを見て、パラパラと開いて、
   飛ばし読みをするのが通例だが、どこを見ても毒だらけの珍しい本である。
  ーmy感想は、毒には毒をと毒づいてみた。
   書かないほうがよいが、それでも書かないわけにはいかないのだ!
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 先ずは、第一章から
第一章 この変な動物、人間
ー類型についてー

・どんな人間にも、顔を赤らめ、恥ずかしさにうつむくしかないことがある。
 そんな経験をしたことがないといい放つ者は、これから、
 手ひどい形でその経験に襲われるまでだ。
(my感想)ー 海外旅行先でトイレにあわやという事態に何度も遭遇した。
 その経験がなければ、回数を重ねているうちに思わない最悪の事態になることは間違いない。
     −− 
    ・己のなかに俳優を感じて困惑し、たじろぐ者は、まだ自らの誠実さを保っている。
     むしろ笑む者は、すでに自他のために誠実さをも演じているだろう。
      (my感想)ー誠実は言葉でなく、人が感じるものだ。
     以前ごく身近に、「自分は性善説である」を言葉の癖にしていた人がいた。
     あまり本の量を読み込んでない人だったが、
     「性善説とは性悪をカバーする為に使うことが多い」
     という仮説を自分に立てて考えれば、声高に言えないはずだ。     
     この人、最後は高利貸しの代わりに、多くの友人から大借金をして倒産した。
     騙されるほうも騙されるほうだが!俺は性善説など間違っても言わないことだ!
     ただ自分の中の悪党に気がつかないか、虚偽をいっているに過ぎなのだから!
      −−  
・夢見る者は、自分に関して事実を否認する権利を、夢の名によって、自分自身に与える。
  (my感想)−若者と、女と、自己逃避をしている夢想家に多い。
 誰もが経験してきたことか?
  −−
・自殺者は、自死を問題の決着として考えることができる。
 その近親者には、強いられた相続にしか思えないが。
  (my感想)−事実そうだ。 それも永遠にだ。
 近親者そのものにとってもマイナーの相続者になってしまうから。
 自死は、最後に残された最大の意志でもあるが。
      −−
      ・自ら生まれてこなければ良かったと思うほどの人間たちは、むしろ、
       その繊細さゆえに、他者にとって取り立てて激しい感情や行動を
       引き起こす存在ではない。
       他者からすればどうしてこんな奴がこの世に存在しているかと憤慨を
       覚えざるをいられないような人物は、むしろこの世の生活を満喫しているもの。
       ーー憎まれっ子、世を満喫す。
        (my感想)−そうだ、そうだ、そのとおりである。
      憎んだ相手はタカイビキが世の中である。
      憎んでいる暇があったら、タカイビキで寝ていろ!それにしても、あの野郎!
        −−
・何でも語って恥じないおしゃべりは、始末の悪いことにそれを自分の思いやりとして誇る。
  (my感想)−なんか身に覚えもあるし、他人の中でも多くみてきたし。
 −−
・有能な人間が、役に立つとは限らない。役に立つ人間は、特に有能である
必要はない。有能な人間が役に立つのは、往々にして、その欠陥や
無能とまではいかないとしても不能な部分によってだ。
  (my感想)−何が有能かが問題だ。有能だから、不能な部分が役立つのだろう。
     −−  
      ・予測できる未来なんて、しょせん今の成れの果てでしかない。
        (my感想)ーそうとしか、思えないもんね!
       いや、そうとしか思えない人に迎合すればよいのか、所詮評論家は?
                         −つづく
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