一枚の写真の中には、背景がある。
話せば長くなるが・・・・ タンザニアの年越しパーティー。
その日のコースが終わり、ホテルに戻る車中で、現地ガイドが、これからドライバー仲間で、
ホテル従業員の宿舎で年越しパーティーをするが来ないか。ただしこれは秘密で、
羊を一頭を殺す値段30ドルを出してくれ。 という訳で、その車の6人で話し合って参加することになった。
一度、ホテルに戻って、こっそりと5人がホテルから抜け出して、一台の車に乗った。(一人若い女性が離脱)
車が出たがよいが、真っ暗な道。 そこはタンザニアである。 日本人のリーダーは私である。
恐ろしくなってきた。 殺される危険というより、自分を、その立場に置いてしまった、うかつさに ・・・
そして、着いたところが掘っ立て小屋のスナックである。その前に広場があり、その向うにホテルの従業員の
家族の宿舎。 そこには、ドライバーなどの車が10台ぐらい並んでいる。
スナックには、ドライバー10人位が、年越しのためハイになって酒を飲んでいる。 そこには、
日本のスナックと同じような色っぽいマダムが、ウィスキーなどを提供していた。
そして、その外には羊の肉を焼いているドライバーたち。 ビールを飲みながら、そこに行くと、
低いハイエナの唸り声。 10メートル先にハイエナ数匹が、その近くに取り囲んでいて、隙さえあれば・・・
それが恐ろしいが、バーチャル的世界で、ツーリストが絶対に行けない世界である。
騒いでいるうちに、年越しなった。 ところが、広場の向うから、ドラの音が聞こえてきた。
子供たちが、ハイエナに襲われないようにドラを叩きながら、外に出て年越しを祝っている。
その中での年越しの瞬間の一枚の写真である。 もちろん、生涯、忘れえぬ、年越しの一夜である。
その場に、自分を置かないと、面白怖い世界には行けない! 人間の本質は同じ。 しかし、差異がある。
1997・12・31 ~ 1998・1・01