つれづれに

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中谷巌といえば、市場主義経済の信憑者だったが、この金融バブルの崩壊をみて、
その誤りを認め転向宣言した本を最近に出版した人である。
自由は悪意も同時に放置され制御不能になるまで毒を垂れ流すことが、やっと解ったのだろう。
それとインターネットで自由に駆け回る情報と金の無節制の恐ろしさも知ったようだ。

ここまできたら日本も思い切って日本も消費税を20パーセントまで上げて社会民主主義にすべきである。
道州制度も前倒しにするもよい。 そのための法的な準備を早める必要もある。 
現在の日本は無理かもしれないが。しかし現在考えられるのは、その位だろう。

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世界不況:識者に聞く     ー毎日新聞
三菱UFJリサーチ&コンサルティング理事長  中谷巌

 ◇「市場主義万能」は誤り

  --金融危機と不況が世界を襲っています。
 ◆ここ20~30年の間、世界を支配したグローバル資本主義の欠陥が露呈した。
  国境を越えて飛び交う投機資金は、いったん「もうかる」となれば殺到するが、
 「ダメだ」となれば一斉に引き揚げ、国や地域の経済を急変させる。
 アイスランドが国家破綻の危機に陥ったのは象徴的で、資金流出で国家の体をなさないほどに
 じゅうりんされた。グローバル資本という怪物を制御する新たな仕組みを整えない限り、
 世界経済の混乱は収束しない。各国が事情に応じて投機資金を制御できる多元的な仕組みが必要だ。
  
  --中谷さんはかつてグローバル資本主義の旗振り役でしたね。
 ◆一時は米国流新自由主義の理論の合理性や簡潔さに魅せられた。
 新自由主義の理論だけで経済や政策が割り切れると錯覚し、「規制緩和」や「市場開放」
 による経済活性化を訴えたが、「合理主義ですべて解決できるのか」と思い直した。
 政府の構造改革はいくつかの成果を上げたが、格差社会を作り、日本を米国に次ぐ貧困社会に
 するなど副作用が大き過ぎた。年収200万円以下の人が1000万人を超える事態を日本は
 経験したことがない。社会の安定を壊しては経済成長もできない。

  --日本はどんな針路を取るべきでしょう。
 ◆すべて市場任せでは(最近の雇用不安に見られるように)個人が孤立し、社会が持たない。
 「小さな政府」路線を改め、消費税を大幅に引き上げてでも、社会保障を充実させ、
 国民の不安を取り除く必要がある。社会保障の国民負担が高くても、
 国際競争力を維持する北欧諸国の例も参考にすべきだ。
 
 --成長シナリオも必要では?
 ◆自然との共生を大切にする日本人の精神は環境重視の時代の大きな強み。
 世界を圧倒的にリードする環境立国を目指すべきだ。国はガソリンの暫定税率収入をすべて
 環境政策に使うくらいの不退転の決意で取り組むべきで、企業やファンドに対して
 重大な環境破壊につながる投資は許可しない発想があってもいい。
 実現できれば、世界最高水準の研究者や技術者が日本に集まり、新しい技術革新も生まれる。
 【聞き手・赤間清広】
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 世界は不気味な風が吹き始めている。