読書日記 ~2千5百年前から「誕生害悪論」が有るとは…

  生をうけた幸運に疑問を持ったことなど一度も無いのは、両親、時代背景に

恵まれていたからに過ぎないからである。その現実を体感するには、秘・異郷旅行

で現在置かれている世界から一歩、二歩、外に出てみればよい。

それぞれ世界は、かけ離れ変化している。誕生害悪論の一部を垣間見ることは、

少ない。
 一足早く亡くなった知人友人に対しては、気の毒に…と、明かに上から目線。
格付けされる直前の義務教育最終年の中学校の同級生に早死に対する現実の
気持ちは、「気の毒に、勿体ない!」だったが、「誕生害悪論」からすれば、
<早く人生を全うできて良かった>なる。とすると、この論は理にかなう。
 長生待望は、現在の健康状態の延長が前提。早々にプッツンも、悪くない!
後期高齢の年齢になってみて、身体が不自由になり、呼吸困難になり、苦痛の
極致になれば、「生まれてこなければ、こんな苦痛を経験しないで済んだのに」
と思うのは仕方がない… 元気の内には、中村天風の『積極一貫』を論じて、
晩年ともなれば… 「誕生害悪論」とは… 内なる良心が冷ややかな目線で…
 
 「誕生害悪論」をネット検索すると …以下のとおり…
≪ ギリシア宗教は際立った逆説を具現している。
 神の力は最高の地位に据えられ、神々はさまざまな仕方でこの力を人間に
授けると主張されているにもかかわらず、われわれは、ギリシア人が自分の
業績を楽しまず、人生は煙の如き影、人間は夢幻という憂欝な結論に達している
のを知って、しばしば驚かされる。
 ソポクレスは最盛期のアテナイと共に生涯を送ったのであったが、
それでも世人の感情をこう表している。 
 
  生まれいでぬことこそよけれ、 
  すべてに優るはそれと言う。 
  この世に生を享けたからは、 
  生まれる前の所へと少しも早く戻るこそ、 
  何を措いても次に善きこと。

 ペリクレス時代の偉大な人々の間にあって対等に生きた詩人から、このような
言葉が出てくるとは到底予想できない。この言葉は一個人の告白ではなく、劇中
の台詞であると言うにしても納得できない。問題は、ギリシア人がこの種のことを
しばしば語ったということである。 彼らの生に対する執心は、何ごとも為すに
値せず、生まれないのが最善という感覚と相い反するものであったことは疑いよう
がない。それは、あたかも世にも希な努力の後で、努力によって何を得たかと問い、
「何もなかった」と答えているかのようである。精力的な行動を執拗に求め、全力
を尽くして生き抜くべきであるとする人生観からすれば、このような気分が見える
のも避け難いことだったであろう。時折りは気分もしおれ、自分に課された努力が
重荷に感じられることがあったとしても、それはまったく無理からぬことであった。
前途に横たわるものが暗闇に他ならないとすれば、努力する理由は実のところ
ほとんどない。何事も無益と嘆くことが慰めになることも十分あったろう。≫

――
▼ ほんのサッキ「まれこなければ良かったと考えたことが無かった」と宣って
 いたのに…少し考えれば、人生の挫折経験の度に、生まれこなければ良かった!
と自己嫌悪に悩まされ、欝状態もいいところ。 ああ、良かった!人生万歳。
の両極端の綱渡り! 一応… 70:30の割合で何とか来れたが… これも
強制的な自己納得だろう。とにかく足りない分、考えるしかないのが人生である。

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7142,閑話小題 ~さて出てきた‘10月バージョン’ トランプ劇場 
2020年10月03日(土)
    * トラちゃんの奇策は、これですか!
  10月になったら何かヤルと思っていたが… これですか? 奇策で、目先
を混沌として…も、コロナ禍の拡大の責任の一端を担うものとして、漫画的
とさえ思える。敗けると、これまでは大統領職の裏付けで保っていた権威と
権力も消え失せてしまう。 ~ネット記事より~
【 ホワイトハウスのメドウズ首席補佐官が記者団の取材に応じました。
 メドウズ氏によりますと、トランプ氏には新型コロナウイルスの「軽い症状」
が出ているものの、気分にも問題はなく、職務を続けているということです。
 また、ホワイトハウス内での感染が、さらに広がっているのではないかと懸念
されていましたが、メドウズ氏はホワイトハウスの主要なスタッフは検査を受け、
「陰性」が確認されたということで、大規模な感染といった深刻な事態には
なっていないようです。
米大統領は1日、ツイッターで、最側近のヒックス大統領顧問が新型コロナ
ウイルスに感染したと明らかにした。自身とメラニア夫人も検査結果待ちだとし
「自主隔離に入る」と表明したが、具体的な期間は不明。11月の大統領選が残り
約1カ月と迫っており、感染が確認されれば大打撃となる。陰性でも自主隔離が
続けば大規模集会などの運動に影響が出る可能性がある。
 疾病対策センター(CDC)の指針では、濃厚接触者は原則2週間自主隔離すべき
だとしている。隔離を短期間で切り上げて選挙運動に乗り出せば、感染予防措置
を無視しているとの批判を招くのは必至だ。】
▼ 誰もが?思い立つのは…<‘仮病’で大統領選挙の延期か、これ幸いとした
同情票狙い>か。 その真相はどうかだが、底は見えている。これまでの所業の
トランプなら有得ること! 大統領令を出して、選挙の延期を出す可能性も
無きもないが見もの。

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6776,閑話小題 ~電動マッサージボール -2 
2019年10月03日(木)
    * その後の「電動マッサージボール」は? 
◉ 「電動マッサージボール」は、その後の如何なったかというと、一日も
欠かさない生活の一部となり、主に寝室でTVを見ながら使っている。大きさが
ソフトボール大で、充電方式で無線でに携帯できるところが良い。腰痛持ちで、
運動不足気味?が故に、1時間は使え、その効果が実感できる。健康機器として
久々のヒット。 
 
◉ 表面がゴム状で、ソフトボール大。 3㎝間隔の粒が付いていて、1㎝位の
粒が付いている。これをベースにして、他の機能を付けた新たな商品化が出来る
のではと考えてみた。 例えば、ステレオ、補聴器、360度の球形TVとか、人間
応対型AI、照明機器。デジカメも面白いし、パソコン端末も… ドローンの腹に
持たせると、これまた。移動型監視カメラも。製品開発担当なら、このアイデア
ピンと来るはず。地球も考えてみれば、球状。何か人を引き付けるものがある
のでは? 鷲の頭に球状のカメラ付きヘルメットを被せて、撮影も。
球審判の頭にカメラを付けたTV中継は、スポットで時どき行われている。
卓球の玉とすれば、充電式ホッカイロも。

◉ 球形の飛行機といえば、気球が思い立つ。ケニアの早朝サファリで乗って
みたが、思いの外、安定していて恐怖感はゼロ。ヌ~の群れや、ライオンが、
怖ろしいのか、二匹が必死に逃げていくのを追いかけたり、空からサファリも
ある。 砂漠の真中で、銃で野生動物から襲われないようにガードマン付きの
朝食も何とも優雅。そこで、サファリカーに乗換て、次のサファリゲームへ。
そうこう、人生を考えると、『遊び』『働き』『学び』『休息』の4つと
分けてみると、遊びが飛び抜けていたようだ。
とすると、男より女性が得意になる。若いうちは、特にそうか。但し、親から
自立できているかどうか! これは男も言えるか。

◉ 話を電動マッサージに戻す。10数年前、腰痛が重くなり、様々な対策を。
海老反りマシーン、腰叩きパッション、土台振動マシーン、居間では、
低反発座布団。ベッドでは、低反発枕にシート。久々に健康機器売場で
驚いたのが、以前は「キワモノ」扱いだった、それらが主役に。ある意味で、
このマッサージボールは、その集約した機器のように思えるから不思議。。

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6412,閑話小題 ~まず聞いてやること! 
2018年10月03日(水)
   * ユング心理学の真髄
 17年半の間、休むことなく、一日一テーマのレポートを書いてきた。
その日に書き残しておきたいこと、未来の自分に、親しい友人に、語りかける
ように、その為には、まず自分が理解し、納得した情報、知識を刻印するつもり
で書き続けてきた。およそ集中した1万5千~2万時間を入れてきた。
 ある本に、
ユング心理学の神髄は「聞く人間がいないと必ず狂気を発する、不安定になる。
 それがさまざまな犯罪を発生させる原因になっている。>の言葉に、ハッとした。 
カーネギーの6原則の一つ、このテーマ日記、何かしら心に残った知識情報を物語
にし、誰かに知らしめることで、毎日、生じては消えていくワダカマリの毒消し
になっている… 刑務所内で人知れずに犯してきた犯罪者が、つい仲間に話して
しまうのは、己の良心の呵責の狂気に陥いることから、逃れる為ではないか、と。
 ―
 ほぼ犯罪に近いと思われる内幕情報屋は何処の社会に存在する。彼らは、
その類稀なる嗅覚で、それぞれが持っている傷を何食わぬ顔で、聴き出し、
静かに触れまわることを業とする。問題は、その醜態の己に気づかないこと。
対話の基本は、まず相手の話を聞くこと。その後に、自分の話を語ることが、
基本。とすると、‘聞き手は相手に話す時を与えることになる’ 誰もが、自分
の話を聞いて欲しいのである。で、私は、毎日、3時間かけて、一テーマを物語に
して静聴して貰っていることになる。成るほど、感謝しなくてはならない。
少々、馬鹿丸出しでも、聞いてもらえる、読んでもらえるだけで充分。
 
 デール・カーネギー著『人を動かす』に「人を好かれる六原則」がある。
1.心から関心を寄せる
  a.人は自分のことばかり考えている
  b.相手に関心を引くのではなく、自分から関心を寄せる
2.笑顔: 非言語コミュニケーションは嘘をつかない
3.名前を憶える: 名前が言葉で一番心地よく重要
4.良い聞き手になる。相手が自分のことを話すように促す
  a.話し手を満足させる
b.相談されたら聞き役に徹する
5.相手の興味があることについて話す 
6.褒める: 相手が自分のことを重要だと思えるようにする
a.初対面で褒める
b.とにかく褒め

 以上だが、この中で最も重要なのは、まず「良い聞き役になること」。
内幕情報屋は、この人間の持っている弱点を利用する。噂話は自らを最も
卑しめる犯罪的行為。どれだけ魂の殺傷行為を繰返したか、それが分からない。
「悪い聞き役」である。 ネット社会は、それが瞬時に拡大するから恐ろしい。
ある意味で、私も「ネット内幕情報屋」に成り下がっているのかも…
自他の、魂と心の境界を超え、語りかけるためもある。毎日、聞いていただける
だけでも、救われるが、<多くの人を傷つけていることを自覚しろ!>と、兄に
忠告された。自らの心の傷の血を、知らずに、誰かの傷口に擦りつけている。
現代人、とりわけ、都会人の心の内は『孤独の群衆』。求めているのは、他人
の温もり。それも{不幸の味は蜜の味」の温みを。だから、あのようなのが、
闊歩できる。誰の心にも「内幕情報屋」がヘドロ化して住みこんでいる。 
 本来は、「男は黙ってサッポロビール」だが… 

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4950,「嘘みたいな本当の話」
2014年10月03日(金)
  * 「嘘みたいな本当の話」の書き方   
           『嘘みたいな本当の話』内田樹高橋源一郎:選者
 この内容に似たテーマの文章を幾つか書いてきた。空中離脱や、ジンバブエ
の鉄橋からのバンジージャンプや、意味ある偶然の一致の経験、などなど。
それもあってか、もの足りないが、その軽さと、切口も悪くはない。
≪ 投稿された中での選定の基準のひとつは、「奇妙な後味の残っているもの」
 と、「そういうことってあるよね」感のあるものという。これは随想そのもの
にも言えるが。例えとして、次の古典的なショートショートが良い!
≪「地球最後のの男が、最後に残ったシェルターで、いま死を迎えようとして
いた。すると、ドアをノックする音がした。」 これを選者の内田樹が読んだ
のが、中学校の時で、半世紀も忘れてなかった。そして、いまでも、
「人間とはあらゆる修辞的装飾を剥ぎ取った場合に何ものか」という定義を
試みるとき、この条件設定をしてしまう。それだけこの「奇妙な味」は僕の中に
内面化してしまったことになる。もうひとつ、「そういうことって、あるよね」
と言うのは人間の可能性を押し広げる重要なキーワード。
「成瀬さんて、空中浮揚するらしいよ」「うん、そういうことってあるよね」 
そういう感じで使います。・・ つまり、「奇妙な後味」も「そういうことって、
あるよね」も、どちらも自分が「人間とはこういうものである。世界はこういう
もので成り立っている」とリアルかつクールに考えていることの
「ちょっと外側」を感じさせ、結果的により精密に、かつ奔放に自己観察を
するきっかけになるものだということになる。・・ ≫
▼ ものを考えたり、文章化をする時、この二つの基準が、何が大切かを
 考えさせる。「嘘みたいな本当の話」のネタは、考えれば幾らでもある。
モノゴトをじっくり観察すれば、何事も「嘘みたいな本当の話」になる。
問題は、気づくか気づかないだけ。だから精密に、奔放に観察するしかない。
そこに、奇妙に味わいが出てくる。「本当のような嘘の話」が、小説だが、
その間逆をショートショートで書くのだから、それなりの観察が必要だ。
・・・・・・
5315,投資も人生も長期思考で!
2015年10月03日(土)
     【澤上篤人×出口治明対談=投資も人生も長期思考で!
                           新潮45・3月号】
   * 戦後40年が特別の時代だった
 {戦後からバブル崩壊をするまでの35年間が、地球史上、稀なる高度成長期
にあった。その時代に生まれ出たこと自体が、幸運中の幸運で、現在の長期不況
が当り前と思った方がよい」という論は、充分に実感できる。私の事業立上げが
丁度、天辺だったことになるが、その時は、そのことを知りえようがない。
だから準備期間の15年の方が、実業期間より面白かったのは、右上がりの
経済環境の所為もあったことになる。長期設備投資の事業もあって、長期的
思考を求められたが、見切り時期が最終段階になってからだった。それでも、
表層雪崩の段階で決断したが、甘かったことは間違いない。 ~その辺りより
≪ 出口: 朝起きて、今日も頑張ろう、今日も楽しいなと思っていれば、
 それが最高のライフワークバランスだと思うので。人間にとって何が
 いちばん楽しい人生かといえば、やりたいことをやることです。
澤上: 出口さんが言われたとおり、好きなことをやるのがいちばん面白い。
 今までは日本経済が伸びてきたから、みんな右肩上がりに成長してきた。
 ・・大企業、中企業、小企業、町工場、それぞれが右肩上がりの三角形の
 どこかに乗っかっていた。だから、生きていけたし、落ちこぼれもなかった。
 でもその右肩上がりの三角形はもうないんです。大企業でも潰れるし、
 逆に小さな会社が何回もチャレンジしてのし上がることもある。
出ロ: 二十世紀の後半は、冷戦があったというのがまず大きい。
 世界でいちばん豊かなアメリカが、日本に脛をかじられても怒らなかった。
 僕がサラリーマンだったころ、日本がアメリカの繊維産業を潰したとか、
 次は鉄鋼産業や自動車産業も潰すんじゃないかと。昔だったら戦争です。
 でもアメリヵがなぜ本気で怒らなかったかといえぱ、冷戦という枠組みで、
 日氷の存在が貴重だったから。これはラッキーでした。  ・・・(略)
出口: 高度成長には自分で行動しなくても、みなと同じように働いていれば
 自然に成長するのです。めちゃくちゃ楽ですよ。日本は一九九〇年のバブル
 崩壊まで三十五年間、実質七%成長していました。七%成長というのは、
 十年間で、経済規模が倍になる数字です。給料もそれに近い形で増えます
 から、とんなに幸せなことはないのです。
澤上: それが先ほどから言っている右肩上り三角形です。企業に勤めて、
 真面目に働いて、自分でも頑張っているような気がしている。
 でもよく見てみると三角形に乗っていただけ。その大前提が全部なくなった。
 そうすると一人ひとりが自分で考えて-行動するレかない。でも、それは実は
 経済の原点なんですよ。これだけ幸せな状況が続いたのは日本だけです。
 世界には全く例がない。日本がやっと世界の常識と同じになったんです。
出口: ええ。戦後の日本が特別だというのは、中国の歴史を見ても分かります。
 中国では、平和で成長して、みんなが幸せだった時代を盛世と名付けています。
 漢の文景の治と、唐の貞観の治と開元の治、そして清の康煕帝の時代です。
 四千年の歴史のなかでたった四回しかなくて、しかもそれぞれが平均すると
 二、三十年です。二十年戦争がなくて、経済も良くてというのは、本当に
 世界中を見わたしてもめったにない。だから「あの頃はよかった」とか
 思わずに、戦後は宝くじが五回くらい連続で当たった特別な時代だと思った
 方がいい。今が普通だと。≫
▼ こと人生と、事業の万一の備えは、してきたが、50歳代に、捨身で
 余生30年分を圧縮した生き方をしたのが良かったと実感してる。
両人の言うとおり、奇跡的な良い時代背景に生きてきた。これだけは自分の力
の及ぶ領域でない。この時代に生きただけ充分、結果?何ぞは如何でもよい。
まったく時代背景の豊かさにに鈍いのが多い! で、偶然、以下の文章に続く。

・・・・・・
6047,一億総貧困時代 ~読書日記 -1
2017年10月03日(火)
「前書き、後書き、目次」を図書館で一読して借りてきたが、一つ間違えれば、
私も、この具体例の一員になっていた可能性が充分あった。ネット時代、
情報は一瞬にして世界を駆けめぐり、ベストにエネエルギーが集中するため、
大方は一強多弱の弱者になり、貧富格差は広がるばかり。義務教育の最終年の
中3のクラス・メンバーを想いだすと、玉石混合の社会の縮図であった。 
 ・戦災孤児で、寺男のような生活を…
 ・継母と折り合いが悪く…
 ・居酒屋の店の2Fの6畳の部屋に…
 ・父親が土方で、休日は、その手伝いが日課
・ 昔・遊郭の真ん中で育ち、やがてヤクザに… それが更に…
その大方が、既に亡くなっているか、看護生活に入っている。
逆に上位数人は… 順調な?人生を歩んでいた。
 ~まず、内容紹介より
≪ … 「え、まさか、今のニッポンでこんなことが…と思ってるあなた。
 これはあなたの明日かも。雨宮さんだからこそ聞き出せた、現代ニッポン
の“棄民"レポート」-----上野千鶴子氏。
 ごく一部の富裕層を除き、多くの人々にとってすでに他人事ではない
「貧困/自己責任大国」日本の現実とその構造を、さまざまな「当事者」たち
への取材を通して、平易な言葉であぶり出す。疲弊する個人と社会に、今、
どんな処方箋がありうるのか。
 貧困問題>を10年以上にわたりさまざまな角度から追ってきた著者による、
いままさに、切実な1冊。超格差・超高齢化社会の中で、今後、必然的に
<弱者>となる多くの私たちは、どう生き抜くことができるのか?
  (「もくじ」より抜粋)
(1)「お父さんの子どもを産みました」─虐待の末、路上に辿り着いた女性/
(2)子どもの虐待と<貧困> ─見えない孤立と声なきSOS、その傍らで/
(3)介護離職から路上へ、そして路上から支援者へ─親の介護から人生が一変し/
(4)「生き残ったのが、父じゃなくて私で良かった」─<利根川一家心中事件>
 裁判傍聴で明らかになったこと/
(5)スーパーグローバルな「おせっかいおばちゃん」─この国で生きる外国人を
 支える人々/
(6)原発避難者の今─「原発はもう安全」というストーリーが生み出す<貧困>/
(7)学生が1600万円以上の借金を背負うシステム
 ─奨学金破産1万人・日本の特殊な現状/
(8)<アリさんマークの引越社>、その「アリ地獄」的実態─剥き出しの悪意と
 人権侵害の企業で闘う/
(9)性産業はセーフティネットたり得るか
 ─「風俗」と「福祉」を繋ぐ<風テラス>の試み/
(10)人の命を財源で語るな──<生存権裁判>が問いかけるもの/
(11)<相模原障害者施設殺傷事件>を受けて
 ─<スーパー猛毒ちんどん>と、ALS患者たちの生きる実践/
(12)<座談会>それでも私たちは生きていく
 ─30代男女に聞く「非正規労働者」の現在・過去・未来
――
▼ 具体的貧困ルポが11本掲載の何れも生々しい。一度、貧困への地雷を
 踏んでしまうと、二度と浮かび上がれない。
・精神を病む母親に生後6ヶ月で捨てられ、父親にレイプされて子供を産む。
・デパートの課長だった男性は、親の介護のため退職したことが路上生活に。
読んで実感するのは「恒産あって、恒心あり」である。これは長年かけて
積上げでこそ可能。 唖然としたのは、単身世帯の預金0が、1年間で、
4割(38・9%)から5割(47・6%)に激増したこと。 アパートの一室で、
預金0で、長い夜を過ごす辛さは並大抵でないはずだ。それが単身世帯の半数
とは。 日本の「隠れ難民」でもある。生活レベルが朝鮮半島、中国大陸、
アジア地区に平準化されるのは当然だが。