閑話小題 ~‘エッ’… 何なに! -①

    * 『誕生害悪論』は、人類2500年の歴史を持つ
 誰かの呟き… 
【生れてこない方がよかった。過去を消し去りたい>
知人が定年退職の祝いの席で、<この年齢になっても、90歳近い両親が矍鑠
として見まもられている… 自分の人生は無かった>と回顧していた。大恋愛
の末に美人の連合いと添え遂げ傍から見れば理想的に思えたが…その上に両親が
健在。初老性の鬱症の典型の悩みだが… 人生の晩期に、子供に先立たれた
「逆さ仏」の親の哀しみは計り知れないが、「こんな哀しみを味わう破目になる
とは…生まれてこなければ良かった」と感情的の言葉なら解らないではないが… 
 
 私の母親が義父の家庭的に劣悪の環境に育った苦しみを周囲に語っていた。
私の父親が大手術の末に、一年後に亡くなっていったが…  亡くなる直前に
私に漏らした言葉が…『あれほどの苦痛を事前に知っていたら、この手術など
しなかった。何か意味があるとしたら、遺産争いになる財産分与を生前贈与を
しておくべきと… 早く言えば、お前の為の苦痛だった!』
 私にとって、その後の人生の背中に重く背負わせられた言葉! 

長兄、次兄が20歳代半ばで不幸な死をむかえて旅立っていたが、その二人分と、
未練を残し亡くなった父親の分の人生を行蔵に替るのが、残る人生の責務かと…
 そこでネットサーフィンで検索すると…あるある。 今さらの話になるが、
人生を振り返り、こんな人生で良かったのかと、日々、後悔の念に押し潰され
そうだが、3割が後悔、7割が絶対肯定あたり…で良かったか。還暦まで人生の
元をとると、捨身で生きてきたのを、良しとしなくては!
 ―
≪◉ ベネターの論証の核心は「誕生害悪論」とでも呼べるもので、それは
「この世界に生まれてくることは、誰にとっても、生まれてこないことより、
必ず悪い」という主張です。これは、生まれてきた当人が、自分が生まれてきた
ことについてどう思っているかとは無関係に、論理的に成立するのだといいます。
苦しみに満ちた生を生きている者はもちろん、自分の人生を幸福だと考えて
いる者にとっても、その人の主観とは無関係に、「生まれてきたことは害悪」
なのだそうです。
 もしこの主張が正しいならば、この世に子供を生み出せば、その子は生誕に
より必ず害悪を被ることになるわけです。つまり、生殖は避けるべき非道徳的な
行為ということです。ベネターによれば、誰であれこの世界に誕生(存在を開始)
するべきではなかったのであり、またこの先も誕生(存在を開始)させるべきでは
ありません。人類は生殖を控え、その数を減らさなければなりません。
存在=害悪は少なければ少ないほどよく、地球上の理想の人口は「ゼロ」人と
いうことになります。荒唐無稽のように思えるこの人類絶滅論ですが、
ベネターは以上のことを本気で主張しています。
                     ~つづく~
・・・・・・
7138,閑話小題 ~女性扱いの常識? 
2020年09月29日(火)
    * お気に入り美形の女性
 人生を振返ると、行く先々にお気にいりの美形がいたが、それを書くには
誤解のリスクが伴なう。 何処の世界にもTPOSで、主観を込め90~95点が存在。 
20~23歳位は、それなりに光り輝いている。  ~私の見立てでは、
<清潔感6割、明るさ2割、センスが2割…辺り>。 際だった人を思いだした
だけで…20~25人! 自身の女を意識しているか否か! 男の立場からすると、
<おや可愛い!>と心の底で想えればよい。 家系とセンスは二の次。上より、
鼻にかけないだけ「中クラス」の方が魅力的な人が多いか。いや、Aクラス
には相手にされないだけか? 
 今にもピークが崩れさらんとする美しさは実に淫靡に光り輝く。彼女らは、
「美系を鼻にかけている」という批判に敏感だが、自信が、それを隠せない! 
それぞれの社会には、自他とも認めるNO/1が存在するが、まず、それを言葉
と態度で伝える! そして他意?が無いことを知らしめたあとは、週一位に、
声をかけて温みを与える! 女性中心だから可能なことだが。

 女系職場を転々して気づいたのは、美人指数が高い程、営業力がある。
彼女等の頭の中には、<自分クラブ>が存在して、ランクづけがある。
まずはCランクを増やし、少し危ないBランクに昇格を考える。…下手に、
自らのA,Bへの昇格を考えないこと! この辺の話題は、女性取扱書にある。
 これは、集団としての女性の扱い方も同じ。Aタイプにもてたいなら、
まずB、Cタイプから、一人の女性として丁重に接することが、第一歩!
コンプレックスの強い女性も、その辺りが敏感! それぞれの社会で一人を
選定すると、その他から総スカンになるのが世の定め。 結婚が、それ。
 居酒屋を譬えると、美味しそうな酒のツマミの中で、家に帰って冷酒と、
お新香で一杯飲むようなもの。このての話題は、尽きない! 
75歳の後期高齢に入ろうとする話題でもないが、湧出るのだから仕方ない。 
まだ枯れてない見栄ですか!

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6772,閑話小題 ~そんなまでして生きたいか ー2 
2019年09月29日(日)
   * 所詮は、宇宙のゴミだもの
◉ その際にある人が、数ヶ月前、深刻な顔で、
 『平気な顔をしているが、怖い! 一応、目やすにしていた5年を超え6年目
に入ったが、夜半に恐怖が襲いくる。…寝たきりでも、質のいかんに関わらず、
少しでも生きていたい。この恐怖を乗越えるには、如何したらよいか?』と…。
『砂漠のど真中にただ一人、うち捨てられて、生への渇望にノタウチまわるって
いる心境ですか!』と返すと、「我が意を得たり」と、急に明るい顔になった。
 何か癒されたような。 さらに、
『2人に1人がガンになるし、夫婦にすれば、100%じゃないか』と。
死からみれば、娑婆の悩みなど、かすり傷。 哲学の最重要事項である。
死後の世界があるか無しか。アルわけない、といってしまえば、それまで。      
 
◉ 50歳を超えたら、いや、若い時分から一般常識として、まず知識として
 知っておくべきこと。フランスでは中学に「哲学」が取入れらている。
悲しいことに、それ程度が、会のレベル。 ガン末期を宣告された牧師が平静を
装い?「子供の頃、身近な人の死に出あい、底知れぬ恐怖感におそわれ、それに
耐えられそうな牧師の道を選んだ。死とは神の御元に帰るだけと、神に帰依して
いて良かった」と…

◉ 数年前、我々の住む宇宙以外の「他宇宙の存在」が話題に。
 他宇宙が10の500乗の数、あって。 そこから、ループ状の管を通って、
私たちの宇宙にダークエネルギーが流れ込んでいる。我々の住む宇宙はプラス
27乗に対してその素粒子のサイズがマイナス10の35乗。無を何となく実感
させられる言葉。太陽系を含んだ我々の銀河に数千億の星が存在し、その銀河系
が数百億も存在する、この宇宙に存在している。この宇宙が、10の500乗も存在
するという仮説を考えただけでも、「死」の恐怖が少しは吹っ飛ぶ? 
いや、そうはいかないから、考え、悶えるしかないですか…。 

・・・・・・
6408,旅行の話 ~パックツアーの構造 ー3 
2018年09月29日(土)
   * パックツアーの種類と、利点と欠点 ~B
 洋服に例えると、スーツ、コート、ワイシャツは、注文服か、既製服、
イージーオーダーの何れかになるが、ツアーとて同じ。〈イージーオーダーとは、
洋服の仕立てで、あらかじめ幾種類かの型を用意し、客のからだの寸法に応じて
細部を修正、仮縫いなしに仕立てる方法をいうが、それぞれの長所、欠点がある。
各国の観光事情に長けた地元業者の企画したパックを、仕入れるのが一般的。
問題が起こると、携帯で本部が直接交渉し、解決するシステム。だから、フリー
の添乗員のパーツでも可能になる。 各国のお国事情で、折角の旅行が台無しに
なる危険を避ける必要もある。 私自身、英語力が全く無いことと、人見しりも
あって、パックツアー派。若い人によって、イージーオーダーを好む人もいる。 
慣れもあるが、全国から集まるツアー仲間の観察とか、添乗員の当り外れや、
その間で得る情報収集も楽しみの一つ。10数年前から、面白いワイシャツ専門店
新潟駅前にある。最初、サイズをとって、パソコンに入力。店には生地見本を
置いておくシステム。中国で、製造されるのだろうが。 自宅のイタリア家具の
応接セットが、これに近い。 デザインと皮部分がイタリア、木工部分は韓国、
製造が中国製という。値段は4分の1。 ツアー先の企画デザインと、手配全てが
現地の旅行代理店。そこは数百年の熟練されたノウハウと、製品保証がある。
当然、歴史の浅い国内パックとでは、品質が違って当然のこと。行きなれた旅先
ならいざしらず、何を気どってイージーオーダーにすることがない。

  :特徴 パックの利点と欠点:  <ウキペディアによる検索より>
≪♢ 利点: ・(添乗員が同行してくれるタイプでは)不安感が比較的少ない。
(スケジュールが細かく、効率的に組まれていることが多いので)比較的多くの
観光名所を短時間に効率よく周遊出来、事前の現地情報収集は少なめで済み、楽。
自由旅行や手配旅行と比べると、旅行費用全体では割安なケースが多い。
(企画している旅行業者と宿泊施設などの間で、団体枠の料金(団体料金)が
適用され、旅行者ひとりあたりの原価が安くなっているため。)
・法律上、旅行業者が3つの責任(旅程管理責任、旅程保証責任、特別保障責任)
を負うことになっているため、その点は手配旅行に比べると安心できる。
♢ 欠点: ・スケジュールが極端に細かく設定されていて、やたら動き回らせる
ものがあり、その場合、ひとつひとつの場所でそこを十分に味わう時間すら得ら
れず、労働させられているような感覚を味わわされ、疲れるばかりで、満足感が
かえって低下する場合がある。コースが「お仕着せ」なので、企画者のセンスや
好みと旅行者(参加者)の好みが異なっていると満足できない。
行動時間の大半は、他の参加者と集団行動をしなければならず、他の参加者が
様々なトラブルを引き起こして、それがとても煩わしく感じられることがある。
・日本でもすでに格安航空会社が格安の航空チケットを提供しており、ホテル代の
割引が個人客にも開放されているので、昭和時代とは異なり、パッケージツアー
よりも、むしろ自由旅行・手配旅行・一人旅などほうが安くなる場合もある。
特に1人参加で1人部屋追加料金を支払う場合はパッケージツアーはかなり高く
つく傾向がある(見ず知らずの参加者同士の相部屋を認めるタイプもあるが、
そのかわりにそれなりのわずらわしさがある)。また、辺境地をチャーター便や
貸切バスで周遊するツアーも高額になりやすい。≫

▼ 行先と、目的の選定から、まず開始。 まず欧州か、それ以外か。
 僻地嗜好から欧米嗜好に舵をきり、最近では東カナダ以外は、欧州ばかり。
これで欧州17回目。カミさんの鞄持ちもあって、内向き(文化圏)に。直近では、
<北イタリアのドロミテと、イタリア側から観るマッターホルン>。
 古希を境に、もう充分と止めていたが、迷惑覚悟に決断したが、これが思わぬ
拾い物。欧州の観光は深い。 10数年前に行った<北イタリア周遊パック>で、
ドロミテ街道を通り抜けたが、今度は二泊して湖水地方と、世界遺産のドロミテ
街道を観るもの。 更にミラノに戻り、裏側のマッターホルンと、ロープウェイ
で登ったモンブランなどのアルプスを360度展望した雄大な「エルブロンネの絶景」
は、スイスアルプスと互角… 至福の時間を味わうことが出来た。 何ごとも、
限界を超えた先に、何かがある「一期一会の旅」。 
 このブログと、秘異郷を主にしたツアーと、TVから映しだされる映画と自然界の
映像の観賞が、世の名残りを明るくする。 無粋の私には、既製品なればこそ良い
ことがある。己の能力を見限ればこそ、様ざまなシステムの有効利用が出来よう
というもの。 

・・・・・・
2016/03/20 
閑話小題 ~51回の海外ツアーで
   * 海外ツアーのテーマの棚卸
 51回の海外ツアーに参加してきたが、その行蔵は何ものにも代え難い財産。
知れば知るほど、世界は広く深いことが解る。10回目辺りから秘境・異郷ツアー
に重心移動をしたが、10年ほど前からは欧州中心になっている。リタイアー後、
諸事情で家内の鞄持ち?のカタチだが、何はともあれ、行けるだけで充分。
「行けるうちに、行けるところに、行っていて良かった」と実感する。
・大陸別では、アメリカ大陸、オーストラリア大陸ユーラシア大陸、インド
 大陸、アフリカ大陸があるが、万遍なく行くのと、一つに絞り込む選択がある。
・他に、テーマを、文明、文化、山脈、滝、氷河、平原、クルーズ、お祭り、
 有名ホテル巡りなどのテーマを決めて周る人がいる。 ~テーマとして・・
☆ まずは文化。 ツアーの過半数以上は、何処かの首都を経由地として一泊。
 そこには、名だたる美術館や・博物館のコースが組み込まれていて、その国の
名画や工芸品、遺跡などで発掘された国宝クラスの古美術品が展示されている。
それらを、み続けているうちに、門前の小僧、その魅力に取込まれてしまった。 
上野界隈の美術館で、その数点の展示で長蛇の列になる名画などが、数多く
展示されて、間近で見られるのが良い。 文化の一つに、各地の料理がある。
それぞれ各地の特色ある味が、そのまま染み出ていて実に美味しい。と同時に、
日本料理の美味しさに改めて気づくことになる。 文化といえば、お祭り。
北スペインのパンプローナ牛追い祭りと、リオのカーニバルの熱狂がよい。
☆ 次に文明。古代の遺跡の7割がエジプトのナイル流域にあるというが、
 これには圧倒される。他にアフリカ、中東の遺跡郡、中南米の遺跡群もよい。
圧倒的なのが、古代エジプトと、ポンペイと、シリアの遺跡群。そこには数百年、
数千の時空を超えた当時の人たちの息づかいが聞こえてくるようである。
石文明は、それが、そのまま残している。
☆ 何といっても大自然の景観! アフリカ、インド、北米、南米、北欧、
 アルプス連峰、ヒマラヤ連峰などの大自然の景観も圧倒的である。そこは、
文化・文明の数千年の時間とは違う、数万、数百万、数億単位の時間がある。
 行蔵とは、よくいったもの。 以下は12年前のテーマだから、51回と
すると、3年分、行ってないことになる。 世界的パンデミック騒ぎとか、
5年前の節目時などの件で、行けなかったが、それより、年齢からくる気力、
体力、金力?などの衰え。外側(辺境)から、内側(欧米圏)になっているが、
これはこれで、面白い! ライフワークとしての世界観光も、限界点になって
きたが、移動が動くホテルのクルーズ・ツアーがある。しかし年金暮らしには
チトきつい。「生きているうち、元気なうち」と思って、はや、20年、いや
25年になる。なら、あと5年を貫き通せば満点のライフワークになるが。

・・・・・・
3444・秘・異郷の旅、よもやま話・・1
2010年08月30日(月)
  * 海外旅行に見せられて
 これまで47回の海外旅行で、フラッシュ的に記憶から飛び出したことを
思いのまま書いてみる。その方がむしろ、これまで書けなかった生の体験を
リアルに表現できそうだ。 痕跡として残るのは、現場で撮った写真と言葉。
人生を旅に喩えることがあるが、素晴らしい経験と同時にトラブルを如何に
少なくし有意義な旅に仕上げるかがポイント。そのために、行き先の選定、
日々の過ごし方、対処の仕方などのコツが大切になる。また日本の遥か彼方
から、逆照射してみた自分の人生の卑小さが何とも滑稽に感じることがある。 
それが気持ちに余裕を持てるのが収穫になっている。
まずは、思いもよらない経済恐慌に出くわした為に、人生の仕上げに入った
計画に狂いが生じてきた。それも、なるがままの人生。旅先で、絶対に行きた
かったが行けなかったところはない。ガラパゴス諸島ぐらいだが、それほど
行きたいと思わない。
秘・異郷旅行での最大の収穫は、想像を遥かに超えた自然が与えてくれる感動。 
自然そのものが何か波動を発している。その波動に飲み込まれにいくのである。 
この感動は、山好きの人が国内の色いろな名山で経験しているものと同じだろう。 
 世界の異郷の地で、違う形で経験をするのである。 学生時代の多感な頃に
北海道、九州、そして紀州と一人旅をしたことがあるが、あの時の下地と、
21歳時の一ヶ月の欧州旅行でのカルチャーショックが下地にあったから、ここ
までノメリ込んだのだろう。その結果、ほぼ毎晩、BS/衛生TVの何処かの
チャンネルで、これまで行った先を放送しているが、見ていると旅の延長の
ようになる。「一回の旅は、帰ってきても、そのまま続いていく」が、
そこで実現してくる。一点豪華主義?としても、贅沢である。
・・・・・・
2010年08月31日(火)
3445・秘・異郷の旅、よもやま話・・2
  *初めての21歳の欧州旅行 ー1
どの旅行が一番良かった?と聞かれても、答えられない。半分、いや三分の二
以上が、それに当たるからである。ショックの段差が大きかったのは、初体験
の学生時代の一ヶ月間の欧州旅行。見るもの、聞くもの全てが驚きの連続。
当時は、やっとカラーテレビが普及し始めたばかりで、欧州の映像など殆んど
目にしたことはなかった。モナリザや、ミロのビーナス像、パリの凱旋門などは
中学か高校の教科書の小さな白黒の写真でしか目にしてなかった。それが突然、
目の前に本物が次々に現われるのだから、驚き唖然とするのは当然である。
 まず飛行機乗って、夕飯にヒレのステーキが出てきた。まだ憶えているが、
牛肉に細い糸が巻き付いていた。生まれてこのかたヒレステーキなど、食べた
ことはなかった。 そのためか、その味の美味しいこと。次に初めての海外に
降り立った地はデンマーク。そこは、私が今だ見たことがなかった明るい空と
緑の中に街がある御伽の国に思えた世界があった。人種が違うのである。
金髪の大柄な男女。空の色が違うのである。そして、林や森のグリーンが、
違うのである。考えてみたら、日本全国の自然さえ見てなかったのである。
それが、いきなりデンマークの空とグリーンと、北欧人を目の当たりにする
のだから。一挙に御伽の国の真っ只中に降り立った時の驚きは新鮮であった。
自分の精神を正常に保つだけで精一杯であった。当時、海外旅行に出る人は、
まだ20万人でしかなかった。現在の100分の一である。
 だから、出発前から気持ちが高揚していた。
・・・・・・
3446.秘・異郷の旅、よもやま話・・3
2010年09月01日(水)
   *初めての21歳の欧州旅行 ー2
 デンマークの初めての夜はレストランのバイキング料理である。
当時の日本にはセルフ形式は全くなかった。それより、自分が食べたいだけ
皿にとってよい、とうのが珍しく、不思議な感覚であった。
 そして、スウェーデン。夏のせいか、金髪の若い女性が裸足で、
超ミニスカートで、街を闊歩している。その美しさが街並みにマッチして
いるのに驚いた。 また郊外にある古城の絵に出てくるようは美しさ。
それと高台からみた高原の輝く景色。それが次々と続いて出てくるのである。
 そしてロンドンに。中学校の教科書の小さな写真でしか見たことのない
バッキンガム宮殿、ロンドン市内には、シルクハットをかぶって歩く風格ある
紳士。パブに入って飲んだビールの美味さ。重厚なパブの雰囲気も異次元世界へ
タイムスリップをしたような感覚であった。そこで仲間数人酔ってしまい、
子供時代以来、腹の底から笑った経験をしてみた。こんな楽しく高揚をした
ことは今だかってなかった。もう、その世界に入ってしまったのである。
これを何度か経験すると、チョッとしたキッカケで同じ気分になれる。
これが人生を楽しさの面で非常に豊かにした。元もと実家で商売をしていて、
年に一回、家族、従業員、取引先など5~60人が、年末に飲めや歌えやの
ドンチャン騒ぎをしていた回路があったが、ロンドンで仲間と騒げば面白みが
格段と上がる。それで酒席が好きになり、ハメがきかなくなってなっていった?
 パリのシャンゼリゼ通りと、凱旋門エッフェル塔。歴史的な積み重ねが、
そのまま、街並みに出ている。そのシャンゼリゼを、独りで歩いたことが
今でも記憶に鮮明に残っている。歩行者の、ほぼ全員が白人。
その中で、東洋人の自分に違和感を初めて覚えたということ。
・・・・・・
3447.秘・異郷の旅、よもやま話・・4
2010年09月02日(木)
  * 初めての21歳の欧州旅行 ー3
 初回の欧州旅行で、帰国して半年間は自失呆然状態であった。自分の心が粉々
に粉砕されてしまった。カルチャーショックである。今から思うと、これが
良かった。両親から受け継がれていた小さな世界の価値観が根こそぎ壊れた。
それと「自分は東洋の小さな島国・日本の黄色人種」という目線を得たこと。
これをキッカケとして、根こそぎ自分を変えなければ学生時代の4年の自由時間
を与えられた価値がないと気づいた。それと社会、世界は、不平等で格差である
こと。世界には豊かな人種と国家があり、反対に貧しい人種と国家が満ちている。
その中で生きていく自分を作る基礎を学生時代に培わなければと気づいたのである。
とにかく世界は広く、深い一端をみた。
 話は戻るが、ロマンチック街道から見た、川添に展開するお城と、景色。
それと、早朝にスイスに霧の中から見えたレマン湖とスイスの渓谷の美しさに
言葉を失ったことを思い出す。毎日、これまで、想像すらできない光景を、
これでもか、これでもか、と見せられるのだから・・ 当時、中高年の人で、
あまりのカルチャーショックで精神の異常をきたす人が多いと聞いた。
現在のように、写真に、テレビの旅番組に、ニュースに、映画の背景として過剰
に入ってくる時代ではない。 私のように、中高校の白黒の小さな写真でしか見た
ことがないものを、次から次へと見れば、感動の蓄積で、脳が変になって当然である。
 幕末の獅子たちで、当時、欧米渡航経験があるかないかで、動乱の中で大きく、
その後を左右したというが、当時の彼らは欧米の社会を驚愕の目で見てきて近代
国家の絵図を描いたのである。時代も、スケールも、全く違うが、それでも
21歳での経験として、大きな財産になっている。

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