閑話小題 ~これからはスリルとサスペンスの中国経済 -②

 

    * 世界が息をのんで注目する行方
 リーマンショック程ではないようだが、中国国内に及ぼす影響は甚大。
何れにしても、甘くはない。問題は、コロナ禍で弱体化した経済に直撃すること。
そろそろ国内の飲食、観光などの業界の惨状が表立ってくるころ。この月末は
5月の連休と同じく、大きい決済時期。持ちこたえていた零細業の限界ライン。
連続して襲ってきた自然災害、そしてコロナ禍。サラリーマンなら、自宅に
据え置かれ、一家して謹慎の生活。会社を清算して10年間の蟄居生活そのままが
一般に、普及したような。居酒屋、スナックも、不自然な都会生活に強いられた
生活の鬱憤を晴らす、毒を毒消しの第三の居場所でしかない。恒大の影響が、
その隣接している業界に、そのまま影響すること。 
 戦時体制の中国は、不自然な贅肉を早々に、削ぎ落としておいた方がいい。
何も知らずに東京オリンピックを強行した日本は、その甘い体質を露呈したまま
 …お目出度いコトに秋の総選挙に突入する。コロナ禍で蓄積された怒りの先は、
阿部自民党になる。

 ≪  <リーマン危機よりLTCM危機に近い?>
  今回の事態について、金融業界では中国版リーマン・ショックの発生を危惧
する声もある。全米第4位の投資銀行だったリーマン・ブラザーズの破たんは、
2008年の金融危機を招いた。それと同様、年間380万人を雇用するとされる恒大
グループが破たんすれば、中国経済全体に壊滅的な悪影響がもたらされる可能性
がある。しかしヤーディニは、恒大グループの危機はリーマン・ショックより、
1998年のロングターム・キャピタル・マネジメントLTCM)の破たんに近いとの
見方を示した。同ヘッジファンドは1997年のアジア通貨危機と1998年のロシア
通貨危機の影響で、4カ月足らずの間に46億ドルの損失を出して破たんした。
だがリーマン・ブラザーズが倒産して買収されたのと異なり、LTCM危機の際には
FRB(米連邦準備理事会)が迅速に対処。数多くの銀行がLTCMの救済に乗り出し、
最終的にこれが、世界経済に深刻な悪影響が及ぶのを阻止した。ヤーディニは
今回の恒大グループの危機についても、最終的には中国政府が介入して、長期的
な影響が出ないような方法で債務再編を行い、同社の破たんを阻止すると予測。
 <「大きすぎて潰せない」企業ではない?>
異なる予測をする者もいる。ロイター通信によれば、中国共産党機関紙人民
日報系のタブロイド紙である環球時報の胡錫進編集長は、ソーシャルメディア
微信(WeChat)」への投稿の中で、恒大グループは「大きすぎて潰せない」
企業ではないと指摘。その一方で、同社が銀行ではなく不動産開発企業である
ことを考えると、経営破たんでも、リーマン・ブラザーズの時のような大混乱を
もたらすことはないだろうとの見方を示した。≫
 ――
▼ 国家権力で押さえこんでいる不良債権処理が、これを切っ掛けに吹きだす、
バブル崩壊こそ問題。さて、このコロナ禍騒ぎを利用して処理が可能かどうか。
まだ消耗戦に入る前だから、断行するのでは…? 厳しい日々が続くことになる。