読書日記 ~「おっくうの系譜

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           <ベストエッセイ 2018 日本文芸家協会>…P118
    * 老いとは、おっくう度数が増すこと!
 還暦辺りから、老いの兆候が出てきたが、老いに魂というか、心が追いついて
いけないのが実感! 他人様のそれは、直に見てとれるが、己の事となると、
サッパリ気づかない。何ごとも億劫になるからだ。 精神の衰えもあるが、
足腰の痛みなどが日々、増していることがある。

 19世紀の詩人ボードレールが詩集『悪の華』に『敵」と題された
ソネットの中で、「おっくう」を仇敵… としている。
【 ――苦しや、苦し、「時」は生命(いのち)をくらうなり、眼に見えぬ
 「仇敵」は、心臓(こころ)をむしばみ、失える地もて肥え肥りゆく。
タイトルの『敵』は何か? あきらかに「とき」だろう。…
 …「時」は単なる時間ではなく、季節にかかわり、第二連では(思想の秋」
とある。この秋は「人生の秋」でもあって、大一連の「若きわが日」の対比、
「老いの秋」と重ねてある。
…はじめに、おっくうとは、病だと言ったが、生きていることの本来的な
メランコリーが病気だとしたら、健康とは何か。
 ともあれ人を避け、引き籠るのは、ほどほどにしよう。旧友と会い、
ピアノ演奏をたのしみ、たまには遠出をして、ホラを吹くのも悪くない。
ノロノロと腰を上げ、ポケットのチケットをたしかめる。おっくう症の
老人を笑ってはならない。髪が薄く、やや猫背で、足元がおぼつかない
人は、それとは知らずにパリの憂愁詩人を生きている。近代人のもっとも
微妙な感性の中にいる。自分でも扱いかねるのだもの、どうして他人に
伝えられようか。】
 ―
▼ 老いていくのは、病気が悪化すること! それも億劫症(病)が
 進むこと! そう考えると、やはり、平均年齢辺りが、妥当? 死ぬ
のは死ぬ。助かるのは助かる!人生を切り開くとは、目先の問題を何とか
‘億劫がらず’切り開くこと!
 意味合いをネット辞書で調べると… 
< 元々「億劫」とは仏教用語で「とても長い時間」を意味していた。
普通では考えられないほど長時間であることから、「時間がかかりすぎて気が
のらない」に転じ、「気分がのらず面倒であること」を意味するように。>
老化現象は、老い先短い老人に、長期的なことは無理!ということ。

・・・・・・
6769,閑話小題 ~買わないという選択はないやろ
2019年09月26日
    * 不快なCM
 俳優の佐藤健が、 鶴瓶の楽屋にやってきて、「なに、ニヤニヤしてんすか?」
「師匠も買うんですね」と聞くと、「買う買う買う買う、そら買うよ」
「買わないという選択肢は無いやろ」と睨んできて「健」「あかん?」と迫って
きた後、女性ナレーションが『 ドリームジャンボ5億円、月曜から』と宣う。
<当選確率は1000万分の1。下記コラムでは興味深い比喩が紹介されていて、
「東京ドームの収容人数を4万5000人だとすると、東京ドーム約222個にひしめき
合う人の中から1人が選ばれるのと同じ確率。> まあ、夢を買っているから
敢えて言うことではないが… 
 弱者の夢を食い物にする洗脳だが、化粧品広告や健康食品と酷似している。 
コカイン入り砂糖水を、「スカッと爽やか、コカ・コーラ」と、洗脳して原価の
数十倍?で売りつけるのと同じ『貧困ビジネス』そのもの。 それで心が豊かに
なれば?それで… 砂糖水、飲む方でなく、売り手に回ればいいものを。
下層階級ほど、「アメリカン・ドリームを妄信しているため。そこで宝くじが…
 ―
    * 茨城一家4人殺傷
 何故か違和感のある事件。TVとネット記事からみて、ストーカーか、身近な
人の怨恨。気になる近所の人の証言の一言、<一家が引越してきたころから、
近所に空き巣が増えた>  何故かマスコミは長女について黙して語らない。
一家心中の可能性もあるため、間違えたら、それこそ大変になる。
 ~ネットでは、
《 メディア報道によると、美和さんは犯人に襲われた際、自ら110番通報して
いたことが判明。その際に電話口では物が落ちる音も聞こえ、美和さんは自分の
名前をかろうじて答えられるような取り乱した様子だったという。また警察官が
「救急車を呼びますか」と問いかけると、一度は「いらない」と返答。しかし
その後に「やっぱりいる」と答えたという。
 ネット上では、美和さんが救急車を一度断ったことに疑問の声が。
「救急車要らない…何故だろう。謎が多く感じるのはまだ公にしていない情報が
あるからなのか」、「警察官と妻の美和さんの電話のやり取りが気になると思う。
夫は胸まで達していた致命傷なのに救急車は一時期不要と答えたのだろか。
自分も命を奪われた程の刺し傷だった。不思議な会話だなと思う」などの書き
込みが見られた。 》
 ―
▼ 茨城の事件と言えば、一月前のベトナム人による殺傷事件があったばかり、
 こういう事件は、続くもの。毎日のように、刑事ドラマをみている暇人なるが
故に、フェクションと、ノンフェクションが画像世界の中で混合しているような
感覚に陥ってしまう。 雨の降る、深夜に流しの盗人も考えにくい。