閑話小題 ~チョッとした小噺

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   * 都会の場末でインタビュー
 最近のTVはYouTube視聴が多い。お勧めには思いもよらぬ面白いのがある。
YouTuberも生活をかけているため、それなりのテーマがユニークである。
先日見たのが新宿の繁華街でインタビューした風俗の50女の数奇な人生の告白。
元女受刑者で数奇の過去を持つ女… 父親はヤクザ、母親はストリッパー。
33歳当時、覚醒剤で逮捕。元風俗嬢でバツ3 何とも、驚く物語が、本人の
口から次々と… インタビュアーのサイトの視聴者で自ら連絡をしてきたとか。
なにも悪びれる風もなく、淡々と来し方の人生を話すが、絶句をするほど、内容
がデープ。男と組んで悪のし放題。覚醒剤の常習で4年の服役。その獄内の具体的
話題も自然に受け入れられる。環境が、人間をつくり上げる典型である。
 30年も駅前で4棟もビジネスホテルを営業してくれば、何でも有り。それは、
生々しいが、キーワードをYouTubeに入力すると、次々と… 定期的に流れてくる
風俗嬢も例外でない。宿泊の初日に、職業をフロントに明かして、対警察対策を。
手慣れたものである。しかし外見は、地味。
 その一人の言葉が何とも真実をついていた。
< 私は、何時のまに、職業に誇りを持つようになった。普通のオジサンに
 最後に心から感謝される。肉体的だけでなく、精神的に満たされてないのを
見抜いてやり、対処する。> なる程、男なら多かれ少なかれ持つ空虚さ。

 今日のテーマが…チョッとした小噺」  …TVに出てきた連れの一人が、
<「チョッとした小噺」をするだけで癒されるの!>と宣ったのが印象に残った。
この閑話小題が、これ。何かしら誰もが持つ欲求! ところが、これが小難しい!
そうそう、湧いて出てこないのが、これ。

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6310,閑話小題 ~再び、基底欠損を考える
2018年06月23日(土)
   * 人皆、基底欠損
 2年前にフーテンの寅の「基底欠損」について取上げた。この数日、
<人間それぞれの「基底欠損」があるのでは>と、考えついた。私の母親が、
明らかに基底欠損の要素を、ここで書いた。 が、これは母だけでない、
殆どの人にあるのではと…。 中学校の最終年の成績下位の家庭環境が、
悪いのを当時、垣間見て唖然としたことがあった。
・10坪ほどの居酒屋の店上の6畳ほどの部屋に母親と住んでいたとか、
戦災孤児?で寺に拾われ、作男のように扱われていたとか、
・継母と折合いが悪い無口のヒネタ男とか、
・親戚の店の2F倉庫の一角に母親と2人で住んでいる男とか、
・親父の手伝いで土日は、必ず土方仕事を終日していた等々…
当時の私も大家族下で、子供部屋もなく、居間で教科書を寝ころで読むぐらい。
急に成績が上がったキッカケが、部屋の一角に机を与えられたとか、姉の一人が、
結婚で出て行って空室を与えられたとか。
 あの環境下で、姉たちの成績が比較的良かったのは、如何していたのか?
彼女らはアンチョコという参考書を買い込み、試験の前夜、徹夜に近い勉強を
するのがノウハウで、それを代々、引継いでいた。大人数家族には、プラスも
マイナスの要素が混在していた。義務教育の分別前の中学校のクラスの上位二人
は、一人っ子と、二人兄弟で、母親は厳しい教育ママ。両親からして下位の子と
違っていた。 私の基底欠損は、8人兄姉の末っ子の立ち位置と、商家の階上で
10歳まで生活していたこと。街中の全てが同環境だから基底欠損とは言えない。
 勉学のベースの指導は誰一人もなし。あるのは試験前夜のアンチョクの集中
勉強では… 救いだったのが、父親が末っ子の私を溺愛してくれたこと。
私の家内といえば、兄が、出産直後に亡くなったため、この子は死なせては
ならないと、幼児頃から過保護に育てられた状況が、基底欠損? 基底肥大? 
『3・10・60・27の法則』の3のようで、幸せが身に付いていて、平然と、
『私は特別の存在』を確信している唯我独尊のお姫様。 若い盛りの娘は気の
迷いで一時的に誰もそうらしいが、容姿の変貌が、それを許さなくなる…
他人の基底欠損の歪みには敏感に気づき、陰口で指摘するが、丸出しの己の
変形には、まるで気づかない。で、世の中、世間が、修羅場に変容する。
 一神教は、まず絶対神を想定し、基底の岩盤を各自に与える役割をして、
基底欠損のカバーの役割を与える。日本では、それが曖昧な『世間様』という
から、「烏合の衆」の危険が満ちている。
 
次回は、島国日本そのものの基底欠損をテーマにしてみよう。面白そうだ!
とすると、トランプの政治家としての基底欠損が、直ぐに思い立ってくる。

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2016/06/04
フーテンの寅の、本質と家族の幸せとは ~①
 
 最近になって、『男はつらいよ』のシリーズの再放送を見なくなったが、
以前は再放送の度、何度も観ていた。もちろん48作の全部を観ている。
TVの再放送を含め平均3回を観たとして、150回は観たことになる。
特に浅丘ルリ子の、リリー役ものは、5~6回以上は観ていた。この映画が
始まった1969年は、新社会人として、四日市、神戸、桑名と、転勤生活の中で、
家族の温みを寅さんの実家の団子屋の中に温みに求めていたようだ。 
精神分析医と、『男はつらいよ』の山田洋次監督の対談が、なかなか面白い。
  * 寅は「基底欠損」   <山田洋次名越康文 対談>より
≪ ◉山田:寅は「人間というのはこんなにみっともないよね」という恥部も
 見せてくれる。自分が食る分のメロンがないというだけで、「どうせ俺はね、
 この家では勘定に入れてもらえない人間だからな」と言って大ゲンカしたり。
◉名越:有名なメロン騒動ですね(第15作『寅次郎相合い傘』)。『男はつらいよ
 を全作観て、僕は寅さんの中にとめどないブラツクホールのようなものを
 感じました。寅さんを心理分析すると、99%は温かいものでできているけれど、
 残りの1%に、ダークマダーのようなものがギューッと凝縮されている。
 それは下手したら温かい99%を無にしてしまうようなすごい闇です。
「俺の気持ちをわかってくれ!」という精神的な甘えも強烈で、カッとして暴れる
 こともしょっちゅう。じゃあなぜ寅さんにこのような攻撃的なエネルギーが
 生まれるのかと考えた時、「基底欠損」という精神分析用語がハッと頭に浮か
 びました。幼い頃、親に甘えても受け入れてもらえなかった。おっぽいが十分
 に吸えなかったとか、抱っこしてもらえなかったとか、満たされるべき欲求が
 満たされなかった。そういう根本的な愛情や安心感の欠如が、大人になって
 から甘えたり、無理を言うことにつながってしまう。寅さんもそうすることで、
 親に拒絶された「欠損」を埋めようとしているんじゃないかと解釈したんです。
◉山田:とても面白いですね。「基底欠損」という言葉を初めて聞いたし、そういう
 心理学的なことは何も知りませんでした。だけど、寅みたいな人間はどこか心
 の中に空洞があるんだろう、そういう人間って、赤ん坊の時がひどく不幸
 だったと考えて、寅が産みの母に捨てられたという設定にした。≫
▼ 私の母親が、世にも珍しい<ママ父>虐めの被害者。その恨み辛みを、
 ことあるごとに聞いていた。3人の子供を残して逝った父親の後添えに、
祖母は男後家と再婚、八百屋を維持した。その義父との間に4人の子供が
できたが、義父は徹底して3人を虐めたという。祖母も、男後家の関係上、
3人には冷たくせざるを得く、一番末の母は、幼児の頃から、両親の温みを
知らないで育った。その為、自分の子供に対して、どう愛情を与えて育てて
よいのか、知る由もなく、それが、母親の「基底欠損」である。当然、その
子供も、基底欠損になる。何れも多かれ少なかれ、それを持っている。
両親の温みの実感が無いのも辛いものがあるようだ。  ~つづく

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2016/06/05
フーテンの寅の、本質と家族の幸せとは ~②
   * 強烈なミヤコ蝶々の母役   <山田洋次名越康文 対談>より
 なぜか、シリーズの中で印象に強く残っているのが、寅の母親。
ミヤコ蝶々が演じていたが、これがハマリ役。寅の『基低欠損』の原因である
関西のオバアチャン。 私事になるが、終戦直前に焼出された商家再建の中で、
産まれ育った。両親は商売に熱中、私を含めた8人の兄姉たちは、親の直の愛情
を受ける機会が少なかった。その中、末っ子もあって、兄、姉たちだけでなく、
多くの従業員の愛情を一身に受けたのが大きい。両親は、気が向いた時だけ
愛情を注いでくれていた。その代わり、美人の女店員に付いてまわっていた。
 ふと思いついた言葉が、私に関しては「基底肥大」。兄、姉は、終戦
最中の混乱で、『基低欠損』が大きくあったような。 
~これは、何れの家庭にいえることだが。条件と原因は、ほぼ同じ働きをする。
≪山田:自覚はしていないけれど心の中に空洞を持っている人間、寂しさを抱えて
 いる人間は、そこを埋めたい埋めたいと意識の下で思っている。だから、時々、
 ヒステリカルに怒ったりしてみんなに嫌われたりするということでしょうか。
名越:寅さんは第二作で実の母親に会います。しかし京都でラブホテルを経営して
 いる母親役のミヤコ蝶々さんがこれまた強烈で、せっかく念願の親子再会を果た
 したのに、「今頃、何の用やねん。あっ、銭か、銭はあかんで」と、サラッと
 言われてしまう(笑)。
山田:撮影した後、そういう残酷な母親を演じさせた僕に、蝶々さんは
 「気にしなくてもいいんですよ」と言うんですよ。「わてはこういう汚い役は
 好きなんや。その奥に、人間のキラッとしたものが見えればそれでええんや」
 と言っていました。
名越:さすが蝶々さんですね。この第二作の中で、蝶々さんは「どの世界に、
 喜んで子供を捨てる親がいるんじゃ!」とズバッと言いす。-このセリフが心に
 残るんです。ぞしてラストシーンでは、橋の下で、寅さんが母を追いかけている。
 あの場面は本当に象徴的で、カウンセリングを山のようにやってきた人間から
 すると、「そうそう、これしかないんだよな」と思います。つまり、子供の方が
 一生懸命、親の「理想像」を作り、それをいつも追いかけているんです。≫
▼ 母親が亡くなった時、医師の依頼で、解剖をすることになった。
 兄二人が、たて続きに不幸な死に至った苦悩で極度のノイローゼに陥って、
数年間、心筋梗塞などで死線を彷徨った中で、心臓の4分1が壊死をしていた
ことがわかった。医師は、よく生き延びていたと、驚いていた。その中で、
生き残った6人に、深い『基底欠損』が、当然あった。青年期に至るまで、何度
も亡くなった兄二人が夢に出てきていた。その傷を抱え、膨大なエネルギーを
要する創業を、我ながら目指したもの。その経験があるため、第三者の批判の
軽さに心底から蔑視ができる。批判は自分の影に対する反映でしかないのが
自覚できない。影口の呟きで、自分の壁をつくっているのが、俗にいう世間人。
 ~で、また偶然だが、以下につづく!
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2016/06/06
フーテンの寅の、本質と家族の幸せとは ~③
 「基底欠損」を、ネット検索すると
≪ ■概要
 基底欠損とはBasicFaultの日本語訳で、「基本的信頼感の欠如」を意味する。
基本的信頼感とは人間の根源的な信頼関係であり、お母さんと赤ちゃんのような
何物にも代えがたい関係を言います。この基本的信頼感がしっかり形成されて
いますと、精神的にも情緒的にも安定した状態でいられます。
 基底欠損はこの基本的信頼感がうまく形成できていない状態で、そのせいで、
世の中や他者に対して信頼をおくことが難しい状態をいう。言い換えれば、
世の中や他者に自分の身を預けて安心することがなかなかできません。
 パーソナリティ障害では、情緒不安定パーソナリティや境界性人格障害など、
この基底欠損がみられる。≫ とあった。 
――
名越が山田洋次との対話で、「寅さんのように幼少期に愛されずに育ったため、
恋愛などで相手と関係を構築できなくなることを基底欠損という」と述べ、
山田監督に、「もし僕が寅さんに『基底欠損ですよ』って言ったら、
『てめえさしずめインテリだな!』って返されますかね」と聞いたところ、
山田は「いや、『俺は基底欠損ってんだそうだ』って、自慢するんだろうね。」
と答えていた。 名越の一映画ファン兼心理学者のマドンナ=女優評も面白い。
吉永小百合「謙虚で清純で、優しくて気高い、でもどこまでも頑固で
 人から影響を受けない性質」
竹下景子「かわいらしいけれどもどこか野暮ったく、知的だけれども控えめな
 『ザ・日本女性』」
都はるみ「芸を売って生きる女の悲哀、色気、さすらう人生が匂ってくる」
マドンナ・リリー役を演じた浅丘ルリ子については、ない。
▼ さしずめ私は「基底肥大」と前回書いたが、基底欠損と、基底肥大が入り
乱れた歪な性格になる。親の愛情こそ必要なのが人間。その絶対量が、その人
の人生を決めることになる。 何故か、長女のA型の女性に引かれるのは、
優しさと、芯の強さを母親代わりに求めるためか。「この人の、基底欠損、
基底肥大は何か?」と知るだけで、その人となりを知ることができる。
 ところで、日本の基底欠損、基底肥大は何かを、今度、考えてみる。


・・・・・・
6673,随想日記 ~映画観賞 ―『ⅹーMEN ダーク・フェニックス』
2019年06月23日(日)
      映画評論 ~『ⅹーMEN ダーク・フェニックス』

  * シネマは「二時間を独り割切って楽しむ」娯楽!
 「ハリウッド映画は、嘘つかない」。 評価90点。
‘ⅹーMEN’のシリーズモノで、先週も「メイ・イン・ブラック」も、そう。
最近の映画はデジタル技術の進化もあって、ど迫力が特徴。開始30分の導入場面
は目を瞑ること屡々。 映画製作も大変である。 競合相手は、TVドラマと、
一年前まで作成した映画そのもの。 TVのWoWoWや地上波も、封切当日に、前回分
を放映してくる。年齢もあって、大型スクリーンの残酷シーンは刺激的過ぎるが、
何時の間にか、時間が解決する。 
  ~ネット検索で概要をみると~
《 特殊能力を持った者たちで結成されたX-MENは、人類と共存し平和を守っていた。
 そんなある日、主要メンバーのジーン・グレイが宇宙でのミッションの事故により
謎の光線を浴びて、彼女の中の最強のダークサイド“ダーク・フェニックス”が
覚醒することに。強大なパワーを持つ“ダーク・フェニックス”となったジーンは、
彼女を制しきれない仲間から孤立していく。そんなジーンを理解する仲間たちは
彼女を救おうと手を差し伸べるが、彼女の解き放った力が思いがけない悲劇を引き
起こしてしまう…。》
スペースシャトル乗組員の救出に向かった先で未知のフレアを浴びたジーンが
その恐るべきパワーを発動させてしまう今回。彼女の暴走はプロフェッサーXら
仲間内に犠牲者をもたらし、そしてマグニートー陣営や人間からも敵視され、
ひいてはジーンのパワーを悪用しようとたくらむヴィラン・ヴクの暗躍を許す。》
 ―
▼ 毎回だが、スクリーンで繰りひろげられる戦闘シーンが圧倒的で面白い。
 これがシリーズの最終回と、超人たちの織りなす乱闘シーンを魅入っていた。
合理的な刺激は、これまで「秘・異郷ツアー」で多々?受容してきた。それが、
今では、大型スクリーンのシネマ館で、僅か1200円で、その一端を味わえる。
 ところで帰って30分の間、熟睡後、今度は録画していた‘北欧刑事モノ’を
魅入っている自分… 今さらだが、バカ違うか? と我ながら呆れてしまう。 
生きている内、元気な内、今を楽しんでいるとしても… 家内には敗けるとしても。
 一年で最も日照の長い時節… 今朝は、5時過ぎにミニ・チャリ遊泳に出発。 
まずは事故に気を付けなければ! 

追文: 去年のテーマが、以下の基底欠損。 皆、そうと思えば、気が楽に!
 誰も、このことに気づいてないことが、面白い。 明石家さんまのギャグ
「アホちゃいまんねん パーでんねん」が良いのは、そのこと!