閑話小題 ~島に辿りついた3人の兄弟の話 ―2

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            『人生を狂わす名著 50』三宅香帆著
  フランクルの哲学の柱になっている【人生、よく遊び、よく学び、良く働け】
のとおり、バランスをとって、人生を生きてきた。 人生には思いもよらぬ
『まさか!』が、突然に襲いくるとものと… だから、楽しい釣りとか、山遊び
を通した学びを当初から組み込む必要性がある。「全機で可能な限り、世界を眺め
味合うことが、我々にとって必要となるって… ある時は、遊びを主とした学びの
三男の生き方。その後、次男の働きを主とした生き方。…最後は、長男の生き方と、
節目を持って態度価値を変える必要がある。

  ≪ この本『アフターダーク』の中で、教訓は
『何かを知りたいと思ったら、人はそれに応じた代価を支払わなくてはならない』
『ハワイまで来て、霜をなめて、苔を食べて暮らしたいと思わないよな』
『でも長男には、世界を少しでも遠く見たい好奇心があったし、それを押さえる
 ことができなかっただよ。その為に支払わなくちゃならないものが、どんなに
 大きかったとしてもさ』
本は、この話の『神様』によく似ています。本はいつも、ここまでくれば、こんな
世界があるよと教えてくれます。その世界を詳細に、魅力的に。
だけど、現実世界では、案外きつい。
 正義のヒーローの話は面白い。主人公が成長する話はかっこいい。だが、自分が
現実でヒーローになったり成長するのは玄人時間が必要となる。哲学書を読むのは
楽しいけど、本当の意味でそれを理解するには、積上げた知識を必要御する。
… 本を本気で好きになったら、バカな男にひっかかったバカな女になる可能性が
増えます。世界の読書推奨人はそのことをわかってるのかと、苦笑します。
<だって、どんなマトモさを手放しても、人生を狂わせて面白い本に出会えることは
幸せなんだもの。役に立つ立たないというよりも、もっと大きな、遠くを見させて
くれる存在として「本」に触れていただけるなら、けっこう大変な人生を、一緒に
戦ってくれるならなら。 ≫
 ―
▼ この本は、まだうら若き、20歳半ばの京大院生の書店スタッフが「正直、
 これを読んだら人生狂っちゃうよね」と選んだベスト50のブックガイド。
30歳までが「学び」。50歳までが「働き」。それ以降が「遊び」が主とした
態度変換が人生には必要だが、彼女には、これから膨大な儚いが、膨大の人生が
待っている。 羨ましいが、それは、あくまで彼女の世界。 
< せっかく、この世に生を受けたなら、宇宙、世界の広さと、深さを少しでも
垣間見て、味合ないとしたら、勿体ないじゃないか! >に 落ちつく。

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6326,閑話小題 ~今年も半期の終了 -7 
2018年07月09日(月)
   * ~スイス 名門寄宿学校~ Ⅳ 『ボー・ソレイユ』
 様々な授業を紹介していたが、「地理」が、非常に面白い。
マダガスカルの貧困問題の扱いの切口が良い。同じような年代の真逆の立場の
少女の悲鳴に似た訴えを紹介し、キーワードを幾つか提示して、考えさせる。
ある生徒の一日の使用水道量が、マダガルカルの少女の運ぶ数十、数百倍の量と
知らしめる。

≪ 地理ではリーダーシップというテーマをもとに、アフリカのマダガスカル
 水問題についてケーススタディをします。水を得るために一時間かける女性。
安全とはいえない水を19L頭に抱えて女性は水を運びます。それを一日に3~4回。
マダガスカルは貧困を抱えています。先生は女性が持っていたのと同じ19Lの水を
用意し生徒に運んでもらいます。生徒たちと同じ年代のある女の子(ララ)は
最貧の地域に住んでいます。ララは靴もなくはだしで泥道を水くみに出かけます。
ララは次のような詩を詠みました。
< 私の一日もあなたの一日と同じだったらいいのに
  学校に行って勉強して公園で遊ぶの
  頭に浮かぶのは蛇口をひねるだけで出てくるきれいな水
   歯磨きしてシャワーを浴びるのもいいわ >
地理の先生は生徒たちに問いを投げかけます。生徒の一人が自分たちは水を
無駄遣いしていると言いました。またある生徒はどんな気持ちか想像します。
ある生徒はその水はどんな用途に使うのか質問しました。先生はララのお母さんは
子どもたちの面倒を見なければならないので水を運ぶことができないと言いました。

地理の先生は貧しい地域の人々についていくつかのカードを示しました。
 •公衆衛生
 •子どもの健康のケア
 •教育
 •栄養
 •疫病の予防
 •食の安全確保
 •妊婦の健康ケア
 •住宅環境
 •女性の社会進出

自分がリーダーならどのキーワードから優先して取り組むか生徒たちは考え
三人一組で話し合いカードを優先順に並べます。女生徒のグループは妊婦の健康
ケアが一番大事だと答えました。多くの生徒が女性の社会進出は優先度が低いと
考えました。先生は女性の社会進出が進まず地位が低いままで職にも就けなければ
一番大事だと言った妊婦の健康ケアは改善されるのか?子どもを産む機械として
利用され続けるだけではないかと問題を投げかけます。女生徒はまず力を持つ
男性とともに解決し… …わからないと答えました。地理の先生エリオット・
グリーン氏は裕福な家庭の子供たちが旅の経験や両親の仕事、授業から学んだ
ことを議論してもらい、将来持つであろう財力と影響力で世界が直面する問題に
取り組んでもらいたいと語ります。

生徒たちは年十三カ国を旅して自分の目で世界を知ります。
キリマンジャロへの登頂に挑戦することもできます。   ≫


▼ 半世紀近く、早朝と、午前中に数時間の読書習慣を持って、それまでの基礎
 知識不足をホローしてきた。受験システムに縛られ、自らも格付けをしていた
愚かさに気づくことが、第一歩であった。英会話能力や、対話力、文章化能力は、
付け焼刃では、直に欠けてしまう。このような指導と、長年かけたベースの知識が
必要となる。その理想形の教育システムが、これである。このスイスの寄宿舎が
素晴らしいのは、スイスが長年、中立国家で、権力者の手前勝手な価値観から、
解放されていることが重要である。「何が英国王室だ、日本の天皇だ。」を、
スイスの山麓で気づくこと、それが、教養ということ。そう、それぞれの内側から
見えている世界としての世間だけでなく、その真逆の視点に気づくこと、多様な
世界を知ることの必要性に気づくこと。特に、ネット社会こそ、理想形の、知識
獲得が必要になる。「クールヘッド、ウオームハート」こそ、情報化社会の絶対
条件といえる。 でないと、世間人の典型の、「ウォームヘッド、クールハート」
で、近所の500mを、徘徊するだけで… あれらは小池のホワイト・ナイトですか。
薄汚れて、愛嬌を振りまいて生きる姿も良し、外の世界で汚れたダーク・ナイトの
生き方もある。どのみち、同じでしかないが… 地球外生命の眼で、宇宙の彼方
からの生命体の視線で見る世界は、何と、綺麗で、明るく、刺激に満ちている。
早朝の自転車散歩で、大手大橋上をイオンよりから、ヒキチャリをしながら、
見える信濃川と、旧市内と、その向こうに見えてくるパノラマは、正しく、宇宙舟
からの視線のようである。スイスと、ロッキーの山並みに近い絶景とさえ思える
光景である。世界の絶景を知ればこそ、これに気づかされたこと。足元の世間の
素晴らしこそ、気づかないと… 52回目のチャレンジで、スイスアルプスの
向う側のイタリア・アルプスに行ってみたくなってきた。 
問題は、腰痛など体力と、固くなった頭と、気合。

 で、これまた偶然、丁度よい脈絡として、以下につづく。
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5959,閑話小題 ―帰りの宇宙船内で ~5 人生の元をとったかい
2017年07月09日(日)
   * 人生の元をとったかい
 ふと気づくと、学生時代の友人だったAが、隣に座っていた。30年前に
脳梗塞で亡くなった男だが、突然の死で、当分の間、成仏できなかったようだ。
 開口一番『人生の元を取ったかい?』と問うてきた。
 A君が言うには、
『人生の最も美味しい時節の前に、突然終えたのは残念。成仏出来ないまま、
見えていた情報化時代と、ソ連と東欧の共産圏の崩壊の時代に立ちあえた君ら
が、羨ましい限り。あと、老いた父親から強引に実権を取ったことも。』と。
ここでは故人の愚痴の聞き役になっていた。幸せを絵にしたような男だったが…
『堀井な~。生きている内だよ人生は。それも日常の平凡と、それとは別の
非日常でトリップする経験の組合せを、楽しむことを心掛けることだよ。
それと、孤立でも、孤独でも何でもいい。自分を閉じ籠めて、暗闇の漆黒を
味わうことだよ。そうした分、外の世界の輝きが違って見えてくる。地球は、
広く、深いと、つくづく思うよ。地球は極上の観光名所であり、そこには、
地球自身がつくり上げた大自然と、人間のつくり上げた文明・文化もある。
 それらと可能な限り、触媒し、直感し、味わうことだよ。自分は現実に
溺れ過ぎて、一番大事なこと、平凡の日々と、トリップして現実から離れた
時空を味わうことが、あまりに少なかったよ。』 といって、消えていった。
フッと気付くと、宇宙船が消え、宇宙の漆黒の中、魂だけが独り漂っていた。
30年前に、新潟駅前で事業をしていた時の不動産屋社長で、町内会長だった
酒友で古町を月に一度、10数年、飲み歩いた人と、私の母親の二人への質問
と同じだった。二人とも、「よくぞ聞いてくれた」と?、急に顔色が輝き
だしていた。 老いるに従い、「人生、これ果たして良かったか、悪かった
のか」の自問自答が深くなる。良し悪しとは別に、充実した人生かは、本人
の心の問題になる。2人とも、『とったとった充分とった!』であった。
2人とも、当時70歳後半だった二人の共通点が、何れの時点でも人生を
楽しんでいた。太平洋戦争の最中、何とか家庭を支えて生き抜いてきた。 
その質問を、学生時代の友人が、私に質問をしたのには驚いた。そして、
私の答えも同じ『充分とった!』。

★ 後記= で、偶然だが、以下に続いていく。あの世だけでなく、娑婆も
 漆黒の闇である。 偶然にしても、少し気味が悪い… 

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5594,夫に死んでほしい妻たち
2016年07月09日(土)
          <「夫に死んでほしい妻たち」~小林 美希(著)>
 TVで、朝からシリアスなテーマ、『夫に死んでほしい妻たち』の特集を
組んでいた。この本をベースにしたのだろう。インタビューをした二人に一人
の割りが、夫に死んでほしいと切に願っていたという。
 団塊の世代が定年に入った現在、各家庭内は、その確執で大揺れ。
「昼間の間だけでも、家から出て行って!」と言われ、行くところといえば、
図書館、公民のSJ、SC、ツタヤの徘徊か、あとは散歩。といえば、私の日常
に幾つか重なるが、私といえば、家では、居間の外に、書斎コーナーのある仏間
と、寝室のTV前のベッドがネットや読書の空間に丁度よいので助かっている?
 何もするでなし、居間でゴロゴロしている夫に妻は辟易、その行き着く先が、
「死んでほしい」と、心から願うのは自然の摂理。そこで、TVのテーマその
ままの「夫に死んでほしい妻たち」を、ネット検索して出てきたのが、この本。
 最初から終わりまで息がつけないほどシリアス。ことは、深刻である。
  アマゾンの~内容紹介と目次~より
―――
■内容: 家事や育児において、妻の「してほしい」と夫の「しているつもり」
 の差は、想像よりもはるかに大きい。のみ込んだ怒りが頂点に達した妻の抱く
最後の希望は「夫に死んでほしい」…。 毎朝子どもを保育園に送る。
週に一度は料理をつくる。それだけで自信満々な夫を、妻はどう感じているか? 
やがて、怒りを爆発させることにも疲れた妻は、一人つぶやく。
「死ねばいいのに…」 世の中たちを戦慄させる、衝撃のルポルタージュ!
【目次】
 □ 第一章 子育てという試練! そして愛は殺意に変わる
●第一話  育児休業という罠(38歳・会社員)
・「戦場から逃げる夫」
・共働きは当たり前の時代
・幸せから「産後クライシス」へ
・結婚式前日からの押し問答
・妊娠中でも夫は平然と飲みへ /ほか
●第二話  ほどよく良い夫(41歳・システムエンジニア)
・理想は子どもだけがいる生活
・低燃費男性と勢いで結婚
・夫は「できない部下」
・私の子に気安く触らないで/ほか
●第三話  リビングルームで芽生える殺意(45歳・会社員)
・殺意を抱かせる夫の足音
・妻が忙しくなると夫婦関係が悪くなる
・息子に怒ってばかりいる夫
・夫はただの同居人/ほか
 □ 第二章 「寿退社」は地獄の扉! 専業主婦の呪いの日常
●第一話 キャリアを断絶させられた妻の恨み(46歳・一部上場管理職)
●第二話 娘の病から始まった危機(46歳・パート)
●第三話 夢追い夫との家庭内戦争(39歳・パート)
●第四話 二世帯住宅という牢獄(34歳・主婦)
●第五話 セレブ主婦の仮面の裏側(39歳・主婦)
●第六話 欲しがる妻と欲しがらない夫(47歳・主婦)
 □ 第三章 もう夫はいらない! 団塊妻の恨みは骨髄
●第一話 部活未亡人の嘆き(40代・教師)
・毎日がとにかく部活中心
・こんな暮らしやってられない! /ほか
●第二話 2番目に好きな人との結婚(58歳・看護師)
・40歳の転機
・夫の加齢臭が耐えられない
・「だから女は家にいろ」との戦い/ほか
 □ 第四章 これが夫の生きる道?イクメンたちの現実と理想
――――
▼ 第二章の「寿退社」は地獄の扉! は、今さらだが。そこで、
 互いのライフワークを持って、独りの世界をつくりあげるしかない。
TVで、夫の禁句を紹介していた。「手伝おうか?」である。言い分は、
「定年後の家事は分担の筈なのに、手伝ってやるとはフトドキ千万」である。
夫の人生の果てに待っていたのは、妻という名の鬼である。で、以下に続く。
 そうこう考えると、そこそこの金と、健康と、自由精神が必要である。
「 ああ~~~~~~~ 」の悲鳴が聞こえてきそうである。
――――
2016/04/04
閑話小題 ~『男って、定年になったらいらないのよね!』~①
           『老いかたレッスン』渡辺淳一著 より
   * 産業廃棄物の末路
 第二の人生の準備のない人の末路は哀れである。
この言葉は、著者の淳一が、老後の生き方の講演で、聞こえてきた言葉。
リタイア後、邪魔者扱いされている団塊世代の夫に対する、奥方の、
『男って、定年になったらいらないのよね!』が、耳に聞こえてくるようだ。
私自身が、その一人だからこそ身にしみる。ただ、少し離れた仏間に、書斎・
兼パソコン・コーナーをつくって棲み分けて、何とかバランスがとれている。 
また日中は、互いに違ったスポーツ・ジムや図書館に行ったり、別行動が多く、
それで丁度良い間隔が出来ている。 一般的に、夫は妻より7~8年も早死に
するが、これも長年の仕事からくる磨耗の結果。
 雄ライオンも、支配下の群れを、何時か、より強いのに敗れて乗っ取られた
後は、離れライオンとしての野垂れ死が待っている。先日、旅行帰り立寄った
居酒屋で、何処かのOBらしきグループ7~8人が、不在の元同僚の悪口が、
襖を隔て聞こえてきた。退職後も、会社の首輪と紐を付けたまま集まって、
昔の傷口を舐めあっている姿が、痛ましい、というより何とも哀れ。
定年後の寂しさを紛らしているようだが、せっかく解放されて、自由を謳歌
できるのに、今さら何だろう? 飼い主の家が全世界で、それも仕方がない
といえば、ないが。 こういう人が、四六時中、家でゴロゴロしていたら
連れあいは、地獄。そういう私も大同小異。 それでも一日単位では、
スポーツジム、図書館、早朝の一時間のミニ・サイクリングに。週単位で、
シネマと、月単位では、何処かの飲み会に。年単位は、家内の鞄持ちの旅行と、
何とかバランスを保っているだけ。
 一般的に、夫が驚くのが妻の外出の多様さという。何せ、長年の主婦歴と、
横に繋がる人間関係が幅が違う。『あの人は、息子の小学校時代の友達の母親
で気が合うの』とか、『今日は大学の同郷OB会の幹事の打ち合わせ』とか、
地元密着型。 ところが、男は縦社会の他動型ロボットで、指示をされないと、
動けない。 「自由の不自由」で、自失呆然。 家に篭るが、妻から家から、
追い出されて、午前は図書館か、公設のSJ辺り。午後からはSCのベンチで、
人通りを眺める日々。これが慣れると悪くないらしい。
そこで、小遣い格差と教養格差がシリアスに出てくる。   ーつづく