* 薬物について…
 学生時代後半の二年ほど親しくしていた友人が軽い覚醒剤の常用者。
その特徴は、気分にムラがあり躁鬱の起伏が激しいこと。「心の起伏の
コントロールに私を当てていたのでは?」と、疑ったこともあったが、
明るく話題豊富で、純粋で面白いことこの上なかった。一度、彼の自宅に
遊びにいき、夕食を家族とともにし、一泊したことがあった。不動産業の
父親譲りで、俗にいう‘ハッタリ’屋が特徴であった。妹が、なかなかの
美人。当時のアルバイト先の軽井沢山荘に同行したこともあってか、
現在、軽井沢に大半の時間、住んでいると聞いている。親戚以外で泊まり
込みは、4回目だったが、学生時代の特権の一つ。逆に、友人を自宅に
泊めたのはドライブがてらの複数人だったため10人以上はいた。
首都圏の人は、地方の家に何故か泊まりたがる。
 
 30年経営していた会社の取引先に、鬱病治療の服用で深い薬中になった人
がいた。素知らぬふりをして観察していたが、学生時代の友人との共通点は、
気が優しく、孤独に弱く、人と群れていないと不安になるタイプ。或る時、
突然、切れ、病的に怒り狂う。 世間病の合併症?が、薬効で爆発する現象
が屡々ある。気分の切替が下手。
 半世紀前の青年期の頃、親戚に覚醒剤中毒の人がいた。当時、覚醒剤は薬局
で売っており、今ほど取締は厳しくなかった。眼が座り、顔はスカッとして、
それはそれは明るく場を持ち上げていた。 数錠、口に入れガリガリと…。
10数年前に鬼籍に入ったが…前記のタイプと同じ。
 
 数年前に、「タレントが、銀座ホステスと、覚醒剤使用のセックスで快楽
云々… 死亡事件」が話題になったことがあった。和歌山の色ボケした老人が、
若い妻に覚醒剤を盛られた?殺人疑惑がマスコミを賑わせている。被害者が
常用者でなかったため、殺人疑惑が増しているが、痴呆症で若い妻との快楽に
服用していた可能性もあるため、事件の解明は難しい。痴呆症と、薬物依存の
合併症の典型の事件。脱糞とか、実情は酷いとの証言もある。 〜つづく
 
以下は、『至高体験』の検索で出てきた文章
悟りを開いた坊様のような… 修行でなく、薬物でなく、何で、
こんな状況になれる? 毎朝のチャリでの一時間の遊行で、少し近い
心的状況になってはいるが…  覚醒効果とは、こんなものだろう。

――――

私が至高体験と呼んでいるものが
異様に増えてきたな…と春あたりから思っていました

以前の至高体験は向こうからのプレゼントでした
1年に、2,3回あったら、かなり調子いい方で
1年の内に1回もないという時期もあったようなペースでした

ふとしたときに、突然訪れる、至福の体験
明るすぎる輝く光だけになる体験
草の前に佇んだり、海を見ていたりとか
何でもない時に訪れる

その何でもない時、というのはよく言われる形としては、
「無」に入っている瞬間とも言えるかもしれない

私はあの豊かな瞬間を、「無」だとは思えないのですけれど…
「無」は「全」かもしれないけれど
それが、向こうからのプレゼントではなくなった
私が、意識的に至高体験の中に入って行ける

というよりも、私が入って行きたい領域の前に
至高体験がヴェールのようにかかっているようなのです

そのヴェールを上げると、あの世界が在る
そのヴェールが、自分で意識的に上げられるようになってきたらしいのです
これは一重に、トレーニングのおかげだと思っています

ひとつひとつの美しさが増す
全てが輝いて、私の内に映って入ってくる

どうやら、ヴェールが上がりっぱなしになりかけているようで
世界の美しさが、直接、ダイレクトに私に語り掛けて来て
あまりに素晴らしいのでした

この、良くて困るところは
友人が子どもを抱きしめているとかの
日常的な瞬間に号泣しそうになることです(笑)
あまりに素晴らしく、美しくて…ね

日常は、見える以上の深みを湛えている…!!

・・・・・・
5216,借金人間 製造工場
2015年06月26日(金)
       『借金人間 製造工場―“負債"の政治経済学』
                 マウリツィオ・ラッツァラート (著)
  * 借金苦は権利書と共に、サラバ!
 公立、私立大学の6割が奨学金を受けていて、平均300万。旅たち時点で、
既に借金人間である。日本の国債が1千兆円、一人当たり750万の借金を
負わされている。社会全体がローンとクレジットに覆われ、国家予算全体が
国債で半分が賄われている。国家も、社会も、個人も借金人間の塊だ。
 ーアマゾンの案内が、ミニ概要になっている。
≪ “負債"が世界を支配している!  私たちは、借金しているのではない。
 金融資本主義によって、借金させられている! 欧州で話題のベストセラー!
現在、国家の“負債"も、個人の“借金"も、世界的に急増しつづけており、
国家財政にとっても、私たちの人生にとっても、最大の脅威となっている。
 では、なぜ“負債/借金"は、それほどまでに増大しつづけるのか?
書は、今ヨーロッパで注目される社会学者・哲学者が、経済学から、ニーチェ
ドゥルーズ/ガタリフーコーの哲学までも駆使しながら、“借金/負債"とは
何かを、古代ギリシャから現代までの歴史をさかのぼり考察し、現在では、
グローバル資本主義による個人・社会への支配装置として機能していることを
明らかにした、欧州で話題のベストセラーである。本書は、現在、最も世界的な
注目を集めている問題をあつかっている。とくに興味深いのは、それを表層的な
経済問題の議論を超えて、ダイナミックに歴史的に考察を深めていることである。
 哲学者にして社会学者でもある著者にとって、社会的なもののパラダイムは、
象徴的交換ではなくて、“債権者/負債者"の関係にほかならない。
「各個人を、借金を背負った経済的主体に変えること」―これが、我々が現在
生きている経済システムである。 “借金人間"こそが“経済的人間"の新たな
相貌、と著者は喝破する。“借金人間"である我々は、
・住居を得る権利を持っているのではなく、住宅ローンの権利を持っているだけ。
・教育を得る権利を持っているのではなく、学歴を得るために奨学金を組む
 権利を持っているだけ。
・現在の経済システムにとって、負債(借金)は、社会的コントロールの願っても
 ない道具である。それは“人々の未来を所有する"ことを可能にするからである。
 つまり“人々の予測不可能な行動"をあらかじめ封じ込めることができる。
・そして、“借金は返済するべきだという倫理を製造すること"の背後に、
 “罪悪感の製造"を見る。
著者は、マルクスニーチェフーコードゥルーズ/ガタリなどを援用しながら
考察を深める。最も刺激的なのは、現在、われわれは、負債と永遠に手を切る
ことができないというところだろう。これは、著者のテーゼの中で最も注目すべき
指摘であるが、人類の歴史において“負債(借金)"とは、太古の社会では“有限"
なものであったが、近代化の過程で“無限"なものへと移行し、さらに金融資本
主義の誕生によって、けっして完済することのない“借金人間"が創り上げられて
いったというものである。こうして我々は、借金を背負い返済しつづける
“現代のシジフォス=☆"となったのである。    ――『ル・モンド』評
 ☆ 【シジフォスとは、ギリシャ神話で、狡猾 な コリントスの王。
  ゼウスの怒りにふれ、死後、地獄に落とされて大石を山頂まで 押し
 上げる罰を受けたが、大石はあと一息のところで必ず転げ落ちたという。】≫
▼ 消費社会において、常に2割増の過剰消費の欲望が掻き立てられる仕組みに
 なっていて、そこにローンという落し穴が組み込まれ、蟻地獄に陥っていく。
私の事業が装置産業のため、長期ローンの恐ろしさも知らず、結果は、このザマ。
ホテル4棟のオーナーではなく、最大時に23億の借金の土地屋敷の権利書を
持っていただけ。で、整理をして、初めてそのことに気づく。しかし、
「ただ権利書と相殺しただけ」も事実。だから、これで良かった!が実感で、
何も命を奪われることもない。 経験しなければ、この道理を実感できない!
・・・・・・
4484, 怒らないって本当は恐い!
2013年06月26日(水)
               『怒りの作法』小川仁志 著
 生家が大家族で商売をしていたこともあり、自分の感情を顕わにすることは
絶対タブーの中で育った。それもあって『情念の話術』ーヒトラーの魔力 ーを
学生時代に読んだ時、私の常識と全く逆の内容に驚いた。この本でナチスの大衆
誘導の手法を教えていた。「大衆は女子供のようなもの。喜怒哀楽を込めた情念
で煽って集団催眠にかける手法。右手を胸につけ右上にあげる。演説で大声を
振り上げ怒りの感情を大衆に訴え扇動する。それらの手法を日常の話術や、行動
のエネルギーの源泉にせよ。喜怒哀楽をエンジンとみたてフル回転し行動の
アクセルにせよ」というのだから・・ 当時の私にとって、これは性格を変えて
しまうほどのインパクト。私が怒りっぽくなったのは、これ。これを人知れず
ノウハウにしたら、突然狂ったと思われる。喜怒哀楽の中で一番疎んじられている
怒りこそ日本人に欠けている。(仏教の影響もある)これを、コミニケーション
の扉を開くための道具とすべしというのも納得できる。コミニケで怒りの訴える
強度が一番高い。 もし人種差別の場合、笑って抗議しても、泣いて抗議しても、
怒りほどのインパクトはない。問題は、その表現の仕方である。
これが『怒りの作法』の中で貫かれている主旨である。 怒りこそ感情の主。
逆に人間関係を一瞬に破壊してしまう薬にも毒になるしろもの。 
そこに作法が必要になる。ここで、アリストテレスの「怒りは、
しばしば道徳と勇気の武器なり」という言葉を紹介している。
《 それはまさに「正しく怒る」ことである。「怒らないこと」でなく、
 「正しく怒ること」が大事ということ。アリストテレスの「中庸」という
思想を見ると、このことがわかる。中庸とは最も望ましい状態のこと。
怒りに対する「穏和」を意味する。つまり、然るべき事柄に対し、然るべき人に、
然るべき仕方で、然るべき時に、然るべき間だけ怒る。これが賞賛すべき怒り方
であって、こうした怒り方の出来る人を穏和の人という。怒ることは、必ずしも
悪いことではない。しかし、現代人は怒ることを出来るだけ避けようとする。
もっと怒るべきなのに。(p3)》
 以前は、今に比べれば、穏和に怒ってくれる人が多かった。でも現代は違う。
怒りを抑えることが良いとされ、それが沈殿してしまう。
そして爆発し全てが破壊する。 怒らないって、本当は恐い。

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5946,閑話小題 〜驚異の天才将棋士
2017年06月26日(月)
  * 驚異の天才将棋士
 中学三年の将棋の藤井4段が、負けなしの28連勝で歴代トップに並らんで、
今日、29連勝に挑戦する。これが、いかに凄いかを大相撲に例えると(幕下
でない)幕内付け出しの新弟子(実際にはない)が、横綱を含めた上位力士に
28連勝をしている歴史的所業。新入プロ棋士としては
自閉症か、発達障害的の感がするが。彼の練習相手は、かなりレベルの高い
将棋ロボット? とすると、ソフトの進化につれ、数年後には、もっと凄い子
が出てくる可能性が? 小学4年の時に、羽生名人の角落ちの勝負に勝ったと
いうから、羽生は白鵬に値する。 それだけの力量があったということ。
TVの特集で、親方にあたるプロ棋士の師匠に練習試合だが、勝っていた。
 〜ネットで彼の記録を検索すると〜
【 ☆ 脚光をあびることになった数々の記録
 ・最年少棋士
藤井四段が14歳2か月でプロになるまでは、加藤一二三九段の14歳7か月が
最も早い記録でした。この記録は62年間破られることなく続いていました。
その加藤九段が藤井四段のプロ公式戦の最初の相手となったのは感慨深い
ものがあります。
 ・プロ入り初年度を全勝
プロ入りした初年度を全勝したケースは、清野静男(1949年度・9勝0敗)
以来、67年振り。(藤井四段は10勝0敗)
 ・新人連勝記録
デビューから10連勝。1995年松本佳介(現六段)、
1996年の近藤正和(現六段)。
なお、中学生棋士のデビュー後の連勝は、羽生三冠、渡辺竜王の6連勝。
 ・最多連勝記録
神谷広志八段の28連勝(1986〜1987年にかけて)。
なお、藤井四段の28連勝は対アマの2局を含んでいる。(2017年6月21日現在)
 ・他にも…
竜王戦棋王戦の挑戦者決定トーナメント進出と史上最年少での予選通過。
第67回NHK杯戦に史上最年少での本戦出場。新しい風が吹く時、過去の記録に
光が当たる。 これは、イチロー選手がメジャーリーグで長年破られなかった
記録に光を当てたのと似た状況である。】

▼ 去年の暮れに、シネマで、29歳で逝った実在の天才棋士村山聖の映画、
『聖の青春』をみていた。  〜映画案内によると〜
《幼少期より「ネフローゼ」という腎臓の病気を患っている村山聖は、完治
しない身体と戦いながら将棋界最高峰の「名人」を目指していた。大阪の師匠
の森のもとで七段まで上り詰めた聖だが、彼の前に同世代の天才棋士の羽生
が立ちはだかった。羽生に負かされた聖は、その側で将棋をしようと上京。
周囲に迎合しない強烈な個性は時に摩擦を生むが、将棋に没頭して結果を出して
いくその姿勢に、みなもいつしか彼を支えるようになる。そんな時、聖の身体に
癌が見つかる…》 将棋界を知るにはうってつけの映画。
 村山聖も極端な内向きだが性格が強い青年。将棋一点にエネルギーを集中
すればこそ、天才棋士になれた。電脳の匂いは、しなかったが、如何だろう。

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5581,お別れの作法 〜?
2016年06月26日(日)
     <「あの世」と「この世」をつなぐ お別れの作法 >矢作直樹(著)
  * お別れの作法
 引続き、死に関するテーマの本になる。『死』は、はまると面白い。
窓口は広く、底が深い、人類の永遠のテーマであるからだ。「死後の生」を
信じてないが、なくては困る。言語脳を持った人間は、イメージを持つことが
可能になった。その一つが死後の世界。死後の世界もまた妄想だが。それを
集団で強固に持てば、その世界の有無に関わらず、共同幻想として一個人を
取込んでしまう。その最たるのが一神教。 世の中には、人知を超えた不思議
がある。だから、面白いのである。
  〜まずは、アマゾンの内容紹介
≪「死後の生」があるからこそ、逝く人にも、送る人にも、なすべき大事な
ことがある。医師として大勢の死に逝く場面に立ち会い、ときに他界の存在を
かいま見て理解した、生と死の意義。死は終わりでない。新しい生命への
旅立ちである。旅立つ魂を見送る臨床医の温かいまなざしの書。
 ―――
誰もに必ずいつか訪れるその日を、どう迎えるか。あなた自身が死を意識
するようになった時、あるいは、あなたの大切な人の死を、意識せざるを
得なくなった時、そして、大切な人を亡くしてしまったあなたにも、
知っておいてほしいことがあります。
 ―――
「死後の生」があるからこそ、 逝く人にも、送る人にも、なすべき
大事なことがあります。医師として大勢の死に逝く場面に立ち会い、
時に他界(あの世)の存在をかいま見て理解した、生と死の意義。
 ―――
30年以上、医師として常に死と向き合う現場に身を置き、常識を超える幾多の
現実を体験して理解した、魂や「あの世」の存在の可能性と、それを理解した
からこその、「お別れ」に関する逝く側、送る側それぞれの、なすべき大事な
ことを紹介します。人に「死後の生」が存在することが理解できると、
あなたの生きる、今、この瞬間の捉え方が変わります。お別れは、亡くなった
方を弔う儀式であると同時に、あの世への感謝の気持ちを表現する場であり、
さらには生きている私たちが新しい明日を始めるための区切りと感じます。
 ―――
魂の不滅を理解すると、「意味のない人生などない」ことがわかり、
死に臨む態度が変わります。私は医師として、大勢の死の場面に立ち
会ってきましたが、今まさにこの世にお別れを告げようとしている人は、
まるで何かを見つけたような、ちょっと驚いたような表情に変化する方が
少なからずいらっしゃいました。
何かを見て、顔をほころばせたように思えた方もいらっしゃいます。
そんな表情を長年目にしていくうちに、死が幸福であるとは言わないまでも、
死ぬことが一概に不幸なことだとは思わなくなりました……。 》
―――
▼ 余命告知をされると違うのだろうが、そのの恐怖感が、歳を重ねる度に
少なくなっている。死に関する知識の積重ねもあるのだろう。男性の平均
寿命の80歳までは生きたい?が、あと4〜6年か? それで、充分?満足。
魂の不滅というより、遺伝子が、何処で周りまわって生延びていくことを、
輪廻転生と仮説をたてると、何故か納得する。プッツンで一度、チャラ!
そして、新たな両親から分霊を頂き、触媒を通し新たな自分をつくっていく。
一度、チャラになることを何故に恐れるのか、その知識が少ないためだ。

・・・・・・
4851,「事業人生を決心して45年」の語り直しー21
2014年06月26日(木)
   * 旧社員の入替と、パート化
 数ヶ月で冬物を大成功させ、その勢いで翌年の春、夏物まで勢いよく商品が
回転した。しかし、次の秋物が、2期目に入ったにも関らず不調に終わって、
その影響で、次の冬物の不調につながった。一シーズン失敗すると、あとの2期に
大きく影響を及ぼす恐さを肌身で知る。その時、何であれシーズン単位の成功が、
翌シーズンの成果の絶対条件!そのため仕入の成功と、良質な知識と情報が
営業成績を左右することを知った。「利は元(仕入れ・情報)にあり」である。 
仕入れには、『10、4、2、1の原理』がある。導入期に10の商品を幅広に
展開。最盛期は、それを売れ筋を4を、次に2、最後は1に集中させていく。
見切り時期には、導入期と最盛期の売残り品に、メーカ処分品を加えて格安で処分。
それを円滑にするには、担当者の仕入、販売、在庫調整の即断が可能な権限を現場
に落とさなければならない。スーパーの生鮮食品と同じで、売りきって何ぼである。
それは、月単位か一日単位か、の違いだけ。そこで数値責任を明確にした部門別
管理が必要となる。最初の一年間は、日々、そのため互いの対話が続いていた。
熱くなる反面、冷静な客観性が求められる。そこには、商品、数値、担当、顧客
を鳥瞰する目線が必要になる。 だから、難しいといえば非常に難しい。
その道10年、20年の経験の前任が、未経験者な私には絶対無理!と断言する
のは当然のこと。その中で、数ヶ月で、以前より客足が増えたのには、彼らも
驚いたはず。店は繁盛して何ぼの生き物。 ところが、数ヶ月もしないうちに、
残留の社員が次々と辞めはじめた。全く素人の私が仕入れた商品に呆れ、新しい
伝票システム、マニュアル、日報、朝礼など、次々と変る中、過って辞めていった
社員達の中傷があった。辞めていった穴埋めに、パート・アルバイトでカバー
するしかなかったが、皮肉なことに、それがプラスになっていた。新規のパートで
応募してくるのは、結婚をして、子供が小中学生になり手が離れ始めた、過って
の販売経験者が主。筋金入りで、生活費の補填という目的を持っていて、去って
いく人達より遥かに良質。新しいマニュアルや、部門別管理の徹底は、入替わった
人が即日、戦力にする仕組みでもある。新システムは、人件費などの経費などの
激減効果になっていた。その頃、石油ショックの影響もあって、就職事情が大きく
変わり、翌年の新卒に上質の人材が多く含まれていた。 新システムに直ぐに
馴染んだ彼らが、1〜2年で、即戦力になっていた。事業人生を決心して
10年間で得た経験と知識が、瀬戸際の中で、完全燃焼をしていた。