ネット検索の三宅夫人の天然ボケを読んで、天然が故の仄々とした空気が
伝わってくるようだ。誰にしろ思い込み、勘違いがあるもの。上京をして
都会暮らしの中で、受験勉強に気をとられた結果、一般教養の絶対量不足を
嫌というほど気づかされた。 まずは意志の伝達のための語彙と、自己表現と、
雑学不足。それは一般教養不足が起因していたことを知る。それでも新聞は
少年期の頃から3紙(朝日・日経・地元紙)に目を通していた。知識不足を
痛感した結果、以来、50年以上は毎日、2~4時間は読書にあててきた。
 それでも感受性の強い青少年期の読書不足は大きい。建物を譬えるならば、
地盤(生活環境)と、基礎工事が軟弱だった。大都会は、それを知らしめる
環境にある。図書館、美術館、演劇場、映画館、書店街など文化資源が身近に
数限りなくある。 都会と地方は圧倒的格差が元もとある。
 笑っていられないのが、彼女の笑言。基礎教養不足を笑い飛ばしているが、
実は、大方が抱えている問題?。今ではネットや、TV機器の進化で、情報が
行きわたっているとしても…。家内が「言葉つかいに敏感」で、何度も嘲笑
されてきた御蔭もあって、今では少ないが… それでも時々、出る。
書き手本人は気づきにくいため、このテーマ日記の同月同日の過去文を
読返す度に見出すことしばしば。この習慣のお陰で、何気ない会話の中で、
相手や、第三者の上っ面の言動に耳を聳てると… 以下のような話は日常?
 他人事の話でないのは、もちろん、自覚している? 何処かからの声!
<「しているわけがない!」から、こうも毎日、したり顔をして書ける?>

ー―

 ご近所の受験生が試験に行くとき、
「ダメで元々なんだから、頑張って!!」と声をかけて励まそうとした
奥さんが、実際に放った一言。 「元々ダメなんだから、頑張って!!」


自宅で料理教室を開いており、
朝、三宅裕司さんがキッチンに降りて行くと
夫を紹介しようとして臆面もなく奥さんはこう言った。
「あそこが立っているのが私の夫です。」
  ※ 正解:「あそこ【に】立っているのが私の夫です。」

子供が奥さんに言いました。
子供「犬飼いたいんだけど。」 
奥さん「馬鹿、犬なんて飼ったら誰が始末するのよ!!」
  ※ 正解:「馬鹿、犬なんて飼ったら、誰が【世話】するのよ!!」

 夫婦で口論になって、部屋を出ようとした奥さんが
「どいてよ!」と言おうとして「抱いてよ!」

 ものすごく儲けているお坊さんの噂話をしていて
「ほんとに坊主丸坊主ね」
  ※ 坊主丸儲けのこと

 ガソリンスタンドに寄り、
「ガソリン満タンで♪」と言おうとした奥さん、笑顔で一言。
 「マソリンガンタンで♪」
しゃぶしゃぶ食べ放題に行った時に普通のメニューを出されて一言
「すいません、ここ食べ食べしゃぶ放題の店じゃないんですか!?」

和式の花嫁さんを前にして「まあ、きれいな南京玉すだれね」
  ※ 「文金高島田」を言い間違い。

「同じ釜の飯を食う」と「同じ屋根の下に住む」、が混じって
  「同じ釜の下に住んでるんだから」と言い間違い。

 義母に手紙で「暮も近づきまして」を
 「墓も近づきまして」と書き間違い。

歯医者に行って診察台に座ったところ
「それじゃ、口紅を拭いてください」と云われて口笛を吹いた。

 凄く嬉しそうに帰ってきた奥さんの一言。
「ゴルフのメッタ打ちに行ってきたの〜♪」
  ※ 正解:「ゴルフの打ちっ放しに行ってきたの〜♪」

  旅館を予約する時チェックインの時間を尋ねようとして
「ベッドインは何時ですか?」

 源泉かけ流しを確認しようとして「源泉たれ流しですよね?」

霞ヶ関はどこにありますか?」
  ※ 霧ヶ峰が正しい。

子供に対して
「誰の為にご飯食べられているの!」
  ※ 「誰のおかげで」が正しい。

夫婦でハワイに行ったとき、あちらの税関をとおる前、
旅行目的を聞かれるから
『sight seeing』とこたえればいい」
「えー。わたし、そんな難しい単語おぼえられない」
  ※ 「うーん、そうだな……そうそう

 夫婦喧嘩をしていて「それは、コッチの言う台詞よ」という
ところを 「それは、ソッチの言う台詞よ!」

「十中八九」と言おうとして「四十八手」と言ってしまった。


▼ 結婚当初、‘お品が良い?’家内が上から目線で私に、
「言動は乱雑で粗暴!」と、詰られ「本当に大学を出ているの?」
と帰省した折に、倉庫保存の卒業証書を提示せらされる羽目に…。 
三宅夫人の天然ボケは、50数年の読書習慣のないと仮定をした
私自身の言動は、然もあらんと聞こえてくる。それにしても、普段、
何処にでも有りそうな間違いのところが面白い。
                      〜つづく
・・・・・・
3560, 「プレイボーイの人生相談 1966-2006」ー2
2010年12月24日(金)
 ー 今東光、今でも一言一言が光っているが、さすが福田和也の評である。
 怖いものは何もない今東光の毒が、薬の役割?を果たすことを自分がファン
としての読者だったから熟知している。鎌倉の円覚寺の管長の朝比奈宗源と
大喧嘩した逸話は次回に取り上げるが、何をしても、言っても、それが
通用するからよい。「プレーボーイ」の読者層の悩みの大半は過剰な性欲。
この本の過半数は、その類の悩みに対し、毒に対し毒を持って制する回答をする。
回答者は、ある意味でユングフロイトが仮面を被って悩みに答えている? 
そんな上等でないとしても、男なら誰もが抱えている大問題。 ある意味で、
有名人が異常?性欲者という告白をして、同レベルで答えるから共感する。
 ▲ 今東光についてー福田和也 
≪ 今東光は、スゲェ。 中学生の時に、週プレで、その核爆発的連載を読めた
 ことは、今ままでの生涯のなかでも、飛び切りの幸運だと思っている。 
谷崎潤一郎、ただ一人の弟子。谷崎はバカが嫌いで、無教養な奴を許さなかった。
今東光にそれだけのアタマがあった。とはいえ、中学を三つクビになって、
そのままというのも立派な学歴。 って、そのままという立派な学歴。
そのうえ乱暴者でね、いつも仕込み杖をもってあるいて、喧嘩は殺す気で
やらなきゃ、が信条。自宅の一階に右翼のテロリストたち、二階に共産党
運動家をかくまっていたという。左翼が二階なのは、逮捕された時の扱いが
厳しいから、少しでも逃げやすいほうへ、という配慮。戦前の話だ。
親友が川端康成。で、当時の文壇の大ボス菊池寛とケンカをして、
バカらしいっていって比叡山にいって、大僧正になった。菊池が死んだら、
また筆をとって、ベストセラーを連発。しかし、この相談にはシビれたねえ。
もう載せられないだろう、こんなの。十七のバーテンが、十六のホステスと
デキて、子供が出来たからどうしようという相談に、そんなもん、タネも畑も
悪いから、堕しちまえ、だもの。坊さんの云うことじゃないよ。面白い。
老人ホームに努めている男には、横着なジジイどもなんざけっ飛ばせ、だし。
青春の悩みをうちあける女学生には、一発ヤラセロだからね。
「よく女に手をだして、女にゆすられたり、親からねじこまれたりとか、
若気のあやまちで、とかいろいろいうけど、そんなもの、あやまちでもなん
でもありゃあしねえ。しかし、やらなかったことこそ、若気のあやまちだね」
だと。良いこというよなあ。≫ ー やらなかったことこそ、過ちか〜。
下半身が衰えてくると尚のこと思う? 息子に悪いことをしたと!
・・・・・・
5032,ポジティブ・サイコロジー ー�
2014年12月24日(水)
ポジティブ・サイコロジー ー�
   『 ポジティブ・サイコロジー』クリストファー・ピーターソン(著)
  * その日の終わりに、全体的評価を!   
 週一回のシネマを観た評価を、ブログの『バードウォッチ』に80点とか90点
とかを書き入れているが、この評価をダイアリーに日々、書き込めばよいと、
始めたが、もうマンネリになっている。‘平均か普通’の5点より以上の6の
‘よい’にするには、何かよいことを探さないと・・ この日記のテーマ探し
のようなもの。 それが「よい」のだろう。 ーその辺りから
≪ たとえば、よい一日というのは、あなたが電話でお母さんと話した日のこと
 だとか、運動した日のことだとか、特別に日記に書き留めた日のことだなどと
特定することができれば、そこから実践的な教訓を学ぶことができるだろう
 ―そういう日を、もっと増やして、そうではない日を減らせばよい…と。
この演習が陳腐なものにならずに済んでいるのは、「よい一日にするには
どうしたらよいのか」と今まで立ち止まって考えたことなど一度もなかった
という人が多いからかもしれない。また、よい1日とはどういう日かと抽象的に
深く考えてみたとしても、その答えは実際には正しいものではないかもしれない。
そこで、ノートかメモ用紙を用意するか、エクセル・シートを作成して、あなた
の、日の行動を記録してみよう。一時間刻みで記録するのがやりやすい人もいれば、
その日の主な活動を中心に記録する方がよい人もいるだろう。 
とにかく、一日の終わりに、その日の全体的な評価を書き込んでみよう。
 10点 =自分の ‘人生で最高の’一日だった
 9点 =‘特別によい’ 一日だった
 8点 =‘素晴らしい’ 一日だった
 7点 =‘とてもよい’ 一日だった
 6点 =‘よい’    一日だった
 5点 =‘平均か普通’の一日だった
 4点 =‘平均以下’ の一日だった
 3点 =‘ひどい’   一日だった
 2点 =‘とてもひどい’一日だった
 1点 = 自分の‘人生で最悪’の一日だった
少なくとも二週間、できれば一ヶ月間、この演習を続けてみてほしい。
演習の期間が終わるまで自分の記録を見返してはいけないが、演習が終わったら
記録に戻ってみて、何日か、そして何週間かの単位で現れるパターンを見つけて
みよう。この期間にあなたが何をやったか(またはやらなかったか}に注目して、
よい日と悪い日とを比較してみよう。 ≫
▼ 毎日書き込むダイアリーは、これまで同じ行動記録以外が空だったが、連日、
 感謝、感動、感激、印象に残ったエピソード、新知識のキーワードなどが並ぶ。
平凡にみえる中に、様々な出来事がある。その総合を判断することになるが、
考えてみれば、毎日が10点で然るべきだが、上記の要素が殆ど含まれている。
これほど時間と情報空間が満たされている日々で、心の中心点に集中さえすれば
平均7点以上になる筈だが。で、昨日は? 人生は面白い、それも平凡の祭日は!
・・・・・・
3925, 精神力ーその偉大な力 ー13
2011年12月24日(土)
「精神力ーその偉大な力 ー 」ダン・カスター著
   * 朝の黙想
《 毎朝は一つの新鮮なはじまりです。毎日は新しく造られた世界です。
 今日は一つの新しい日です。私はこの瞬間に至るまで、この日に至るまで、
私の全生涯を生きてきたのです。この瞬間、この日、は永劫のなかのどの瞬間
と等しく善い瞬間です。この日を地上における天国に造りましょう。
今日は私にとって好機の日です。今日に対処できるように神が私に与えてくれた
要具のすべてを有難く思い、可能な限り上手に使いましょう。
・・ 今朝、私の生涯に過ってあったより以上の経験に頼ることができます。
私の目の前には旅すべき最も興味ある道があります。なすべきことが多いのです。
なすべく私の前に横たわっているあらゆることを効率と、力と、勇気と、熱とを
持っておこないます。私自身に「今日は、これよりよい世界にするには何をなす
ことができるか? どう、誰を助けることができるか?いかに奉仕できるか?」
と聞きます。・・・ 深奥の潜在意識は、私を正しいところに私を導きます。
・・ 「神は私の牧者だ。私に足りないものはないだろう。神は私を静かな
水に沿って導く。彼は私の魂をよびもどす。彼は私を正義の道に私を導く。
私はなにも恐れない。神の杖や竿は私を安楽にする」と聖書に書かれています。
深奥の潜在意識は私を正しいところに導きます。それは私をとおして思います。
それは私を指揮し誘導します。私は正しい考えを持ち、力を持ちます。
恐れません。大自然は―無限の精神が、私の中に働いているからです。 》
▼ こうなると、宗教である。 早朝、新鮮な気持ちで、この言葉を
 唱えていれば間違いなく心は洗われ、すばらし一日が待つことになる。
特に老化の時節になると、肉体とともに歪んだ精神を正す役割になる。
周囲を見回すと、大部分の人の心が歪んで見える。 そうこう考えると、
朝の黙想は必要になる・・ それにしても、書き写していて新鮮に心に響く。

・・・・・・
5762,閑話小題 〜プーチンと安倍 〜2
2016年12月24日(土)
   * スパイとは
 スパイとしてのプーチンの手で殺害された人は数知れず?
その「スパイ」の意味を検索すると〜
【国家その他の団体が秘密にしている情報を、密かにあるいは買収など不当な
方法で探知、収集し、対立関係にある他の国家または団体の利用に供する者。
間諜ともいう。愛国心や思想を動機とするほか、金銭、地位、栄誉その他の報酬
のために行う者もある。 スパイは古代から存在し、政治・外交・軍事に大きな
役割を果たしたが、とくに第二次世界大戦後の東西対立・冷戦激化のなかで情報
活動の役割が増大したため、多くの国が平時においても組織的にスパイ活動を
行うようになった。公開情報の処理・分析技術の進歩と科学技術的な諜報手段の
発達で、情報収集活動が質・量ともに向上したことにより、スパイの比重は低下
したが、いまなおその重要性は変わらず、スパイの活動は続けられている】と。
▼ 冷徹な叩上げのスパイが、上から目線の大統領の立場でみると、国際間の
 駆引きなどスパイのキャリアが情報操作などでコントロールが可能。
ナチが大衆を動かす「怒り」の感情…
<怒った状態は、言葉が滑らかになると同時に、最も扇動しやすい感情状態。
大衆を行動させるに、大衆の心の中にある怒りを覚醒させなければならない>
を十分に理解していた。 それに対し、プーチンは、力強さ、敵対者に対しは、
暗殺の恐怖を与える能力に長けている。そのために、スパイで得た秘密情報を
政治にフルに活用している。理想主義を掲げたオバマ米国大統領とは違う。
偽善?オバマに対し、露悪プーチン。大統領なら、さて、何方が業態として
プラスに働くか? プーチンに関しては、NHKで『プーチンの野望』を
シリーズもので放映していた。 内容とはNHK・HPによると、
< ロシアの大統領を8年間、首相を4年間務めたプーチン氏。2012年3月
 に行われたる選挙で、再び大統領の座に就いた。プーチンとは、いかなる人物
なのか。巧みな政治力を持つプーチン氏が、いかにしてロシアを欧米諸国の
“価値ある協力国”から、“信用できない敵”へと変えたか。ロシアの主要閣僚
や、アメリカ政府の元高官などへインタビューをもとに、ロシアとプーチン
の歩みを振り返る。(全4回)> 
 歴史小説を、そのまま地でゆく独裁権力者の姿を炙り出した内容。
『独裁者に上りつめた孤独なスパイ』が、ピッタリ。今では世界大戦前夜の
ような空気になってきた。 座卓犬も、飼主が弱体した現在、庭先でウロウロ?
今さら屋外に出て雑犬になれず、さて?
そこで、『踊り踊るなら東京音頭』と、相成っている。 えらいこっちゃ!…
 そこで、安倍、麻生などの団塊世代は、『はい、さようなら』だが、借金を
残された世代は、惨憺たる近未来が待っている。その縮図が朝鮮半島
・・・・・・
4665, 身近な貧困 ー1
2013年12月24日(火)
  * 日本社会の貧困問題 
「米国社会の貧困問題」の実態に驚いている場合ではない。アメリカの貧困率
世界で3番目の16%だが、次が15%の日本。ほぼ同じ格差社会である。このところ
急に身近な貧困化が目立ってきている。 これまでの比較的豊かだった中間層が、
2001年の9・11テロ以来、リストラや倒産でジワジワと貧困層に陥っている。 
現に私自身の事業が10年間で、売り上げが三分の一に下落、会社整理に至った。 
何とか年金で生活は出来ているが・・ 昔から日常生活を質素にしていたので、
生活の質が落ちた実感は少ないが、以前とは違う。地元の同級会では、倒産・
廃業や、借金苦?の自殺など悲惨な話題が多い。実兄も7〜8年前に実家の商売を
倒産させたが、良質だった上に夫婦して厚生年金でノンビリしたもの。
その中で、知人の何人かがバブっているが、これも時間の問題。
米国人口の三分の一が貧困か貧困予備軍なら、日本もほぼ同じ。
 気晴らしに?週に一度はランチに出るが、低価格志向は日々強まっている。
回転寿司や、牛丼はワンコインで、満足できる。私も家内の実家も事業をしている
ため失業保険はかけられない。そこでセフティネットで、夫婦とも厚生年金を
かけるのが知恵。それもあって、何とか貧困ラインより上はクリアしている。
 地方では自営業や農家が多く、夫婦とも国民年金だけが多い。夫婦二人で手取
10万少々は厳しい。特に持家では、生活保護が受けられず貧困に陥るケースが多い。 
 私自身、この十年間で、一千、6百、5百、と生活費を減らしてきたが、貧した
感覚はゼロ。これは、60歳までに遣りたいこを遣り尽くした感があって、
別に特に欲しいモノも、コトもないからだ。それと子供の養育費・教育費や、
交際費、旅行費用、家庭内装置などの経費が年ごとに減少したことがある。
あと一年で古希なら、当たり前だが! 老いただけでも汚くなるので、服装や、
身の回りは清潔に保つのが老いの第一原則。 特に服装は注意しないと。
それと精神=言葉には注意しなくては!特に、私は言葉。世間様をシラミなど!
もう一つ注意しなくてはならないのは、貧困=悲惨(不幸)の言葉から、
金持=豊か(幸福)という錯覚に陥ること。会社を整理をして実感したのが、
一般の、この妄想、思い込みの強さである。情報化社会の本格的到来で、
根こそぎ世界は変わってしまったが、既存体制は、そのまま残っている。
それでは、会社を破壊する方が先決。ダメなものダメ! 老兵は黙って去るべき! 
残ろうとするだけ? 次回は、都会の恵まれていたサラリーマンの貧困化問題。
・・・・・・
5397,自分史の書き方  ー?          
2015年12月24日(木)
                    『自分史の書き方』立花 隆(著)
   * 自分の歴史を記す二つの意義
 自分史は、まず自分のため、次に家族と子孫のために書くもの。数百年後の
人が現在の人が書いたブログを見たら、それは面白いだろう。逆に数百年前の
応仁の乱で、誰が勝った負けたより、個々人の具体的な日常記録が面白いはず。
個々の生の記録、生活が織りなす記録こそが貴重である。 〜その辺りから〜
≪【 恥を忍んで幼年期、少年期の母との確執を書き上げ、第一子長女死亡
 の箇所では書きなあふがら涙が溢れ、何回書くことを中断したか判らない。
家内には結婚前の私のことを余り多く語って来なかったし、長男、次女に
とっても尚更のことで、今回の私の自分史を読み、初めて私なる人間の一端を
知る事柄も多いと思う。(略)私は死後、追悼集など出版して貰える様な人間で
ないし、その必要もない。 私には赤裸々に己を書いた自分史がある。
自分史が追悼集になる。自分史のデータをSDカードに入れて保存して置くので、
私が死んだ際にはコピーしだSDカードを棺の隅に添えて欲しいとだけは今から
遺言しておこうと思う。】(継さんの自分史の中から)
 このあたりに・自分史を書く意味がよく表現されているど思う。
自分史を書くのは、第一義的には自分のため・自分の存在確認のためだが、
その次には、家族あるいは子孫のためである。家族(子孫)に真の自分がどんな
人物であったかを知ってもらうためである。
 個人差はかなりあろうが、誰でも家族との人間関係は、濃いようで、意外に
薄い側面がある。配偶者にしても、子供にしても、生きた時代のズレが相当
あるから、意識のズレが大きい。とくに人格形成期(幼年時代、子供時代、
青年前期)の自分に関しては、誰でも自分の人生の記憶としてもっとも大切な
部分がそこにあるという思いがするだろうが、彼ら(子供と配偶者)はそれに
ついてほとんどなにも知らないはずである。それは彼らにとって、自分たちが
存在する以前の神話時代に属する物語なのだ。
 だから、自分の書いた自分史を読んだときに、彼ら家族も、「初めて私なる
人間の一端を知る」ことになるだろうと継さんは言っているのだ。
人によっては、自分の子供時代のことを、家族に多少は昔話を語るような感じ
で話したことがある人もいるだろう。しかし、まとまった話を筋道立てて語る
ということは、たいていの人がしていないはずである。
 わたしにしても、父と母がどのように結婚して、新婚時代どこでどのように
暮らしていたかといったことを、ちゃんと系統だった形で聞いたのは、母の
最晩年、90代に入ってかなりたってからだった。いま聞いておかないと何も
聞けなくなると思って、ある日、60代、70代の子供3人が、しかるべき場を
こしらえて聞かせてもらった。実際、それからしばらくして母は死んで
しまったので、母からはそれ以上なにも聞けなくなってしまった。結局、
そのときまとまった話を聞いたのが、そういう話を聞く最後の機会だった。≫
▼ 母親が70歳後半になって、自分史の出版を思いたった。他人から
みたら、何だろうかという内容だが、子供からすれば、貴重な遺稿である。
時節ごとの写真と、短歌と、辞世が良い。純真な魂が、そこに見て取れる。
両親の人生と、私の生きた人生は、魂そのもの。自分史を書きたくなった!
・母の辞世より: 窓の下逆巻く波のはげしくて わが生涯の縮図の如し   
・気に入った短歌: 雨後の庭靜まりかへる片隅に 目をくりくりと足元の蛙 
         南山の向うは日出づる日本なり 連なる山に紅き陽の照る  
・・・・・・
4300, 「国の借金」新常識 −3
2012年12月24日(月)             
      「国の借金」新常識 "年金絶望世代"も元気が出るー廣宮孝信
  * 「国の借金700兆」それがどうした!
 昨夜、日曜日のゴールデンタイムで、NHKスペシャル、「700兆円の国債
について放映していた。著者は、「お金の本質を知るほど、国の借金900兆円は
恐ろしくなくなる」という。人と物が主役で、お金はあくまで脇役。
100年後には、この数字もゼロに等しくなるため。「お金は人間存在にとって、
必要不可欠ではない」ということ。2000年からの12年間で中国は220兆円を超える
金額、欧州中央銀行は80兆円を、アメリカは157兆円を創り出した。その間に
日本は48兆円しか増加していない。お金は金属片、紙切れ、帳簿上の数字記録、
コンピューター上の磁気情報でしかない。預金の実態も、もはやサイバー上の
磁気情報でしかなく、指先一つで創り出せる仮想空間上の存在でしかない。 
原理的には、即座に無限に創り出せるものでしかない。そして、最近の各国の
国債も電子化で、これまた、「仮想空間上のフワフワした存在でしかない」
ことになる。 それでは何が基本となるかというと、食である。「金は天下の
回りもの」から、「食が天下の本」になっていく。お金は特殊の事情がない限り
消えてなくならない。「あなたの収入=あなた以外の世界全体の支出。
あなたの支出=あなた以外の世界全体の収入」である。また、借金もしかり。
「あなたの貯金増=あなた以外の世界全体の借金増」「誰かの少しの預金増=
他の誰かの借金増」になる。これが、世界中の政府の借金増加の理由である。
「世界中の政府金融純負債と、世界中の民間金融純資産は、必ず釣り合う。」 
政府の借金まみれが嫌なら、あらゆる人が、自分自身が借金まみれのまま
生きる覚悟をしなければならない。それが経済である。
 〜 これを読んでいると、成るほどと思う部分と、お金そのものが持つ
危なさを感じ取れる。但し、現在の日本の貯蓄が膨大にあり、それが銀行預金
として滞っているのが不況の大きな要因というのは分かる。そこで、インフレに
強引にもっていこうとする自民党の方針が分からないでないが、どうも大きな
破綻要素があるはず。著者は、それでも現状より良いという。末期患者なら、
心臓に対する電気ショックも必要ということか。 事態は緊迫してきたようだ。