ー「大格差:機械の知能は仕事と所得をどう変えるか」
                      タイラー・コーエン (著)
 一月ほど前に、<技術的特異点『人工超知能が人類を超える』台場時生著>
の書評、【2045年問題、汎用人工知能、あるいは「強い人工知能」や人間の
知能増幅が可能となったときに起こるとされる出来事であり、ひとたび優れた
知性が創造された後、再帰的に更に優れた知性が創造され、人間の想像力が
及ばない超越的な知性が誕生するという仮説。すなわちこのままの人工知能
進化し続けれると、2045年が『技術的特異点』の年になる。】を書いていた。
 この書は、この論の延長上にある。これらの周辺産業などに従事した人は、
よりリッチになるが、単純作業のワーカー層や中間層の仕事はロボットなどに
置換えられて、一部の人たちに総取りをされる時代の到来を論じている。
   〜まずは、Amazonの内容紹介〜
《 * テクノロジー失業に陥らないために何をなすべきか?
 近年の世界的富裕層と貧困層の格差拡大の根底には「経済のグローバル化
「テクノロジーの進化による生産性の向上」「停滞した産業と活力のある産業
の二極化」という抗うことのできない変化がある。
本書は、飛躍的な進化を遂げるテクノロジー=機械の知能に注目し、技術革新
が未来の雇用・所得・ワークスタイルに与える恐るべき影響を徹底検証する。〉
  〜書評書込みには、
《 チェスでコンピュータと協業できる人が最強になるという例えがきわめて
説得的な論理を展開している。そして、人々は、大きな政府福祉国家よりも、
自分の可処分な金を保持する生き方を好むという点も説得的である。
大きな政府が、人々の幸せに奉仕するためには、官僚機構が民主主義の原則
に従って多数の市民に奉仕する公僕で構成されなければ不可能である。現状は
原子力ムラ、土建ムラ、安保ムラなどの特定利権組織に国民の富が浪費される。
日本に多額の税金を市民の幸せのために使う官僚機構が実現できるとは思えない。
高福祉社会は北欧の市民社会・官僚機構だからこそ成功しているのだ)
《 60年代・70年代という中流層が厚かった時代が特異な時代であって、
中世のように格差が大きい時代に落ち着く(P.303)という説明も納得できる。
日本でも、第二次大戦以前は過半数の農業従事者の間に地主−小作関係、都市
でも少数の経営層(ホワイトカラー)と多数のブルーカラーがいた。
その階層が、生まれや幸運によって位置づけられていたのが、機会は均等に
与えられていて、あとは本人の集中意欲の有無によって成否が分けられる社会
になる、ということも納得できた。
その他、政府の財政不均衡も解決しないだろうという予測も説得力がある。
総じて、平易に洞察を説いているからこそ、力がある。現実を見るにつけ、
パンとサーカスの時代は古今東西不変なのかと思ってしまう。 》
――
▼ 『自動運転車』が、そう遠くない未来に可能とは今でも信じられない。
 これを世界中の大企業、政府が全力をあげ取組みだしたという。運転には
あらゆる情報判断が必要だが、それに向けた知能を開発するプロセスで想像
を絶するノウハウが開発される。その応用が、職場レベルに降りてくる。
コスト面からすると、明らかにロボットの方が効率が良くなる。とすると、
30年先でなく、年々、時代が激変することになる。そして、現にしている。
気づかないのは99・9%の人たち。その一人が「私!」
人生をかえしてくれと、言っても、「今さら遅いか、ったく!」
牧場のウシか、お前は ・・        モウ〜

・・・・・・
5375、武器としての決断思考 ー?
2015年12月02日(水)
        ー武器としての決断思考〜 瀧本 哲史 (著)ー
 図書館で見つけた本で、京大の医学部で場違い?の『起業論』を教えている
内容に興味を引かれ借りてきた。医師の世界も、将来的に、そう甘くはない。
30年近く前に新潟で立ち上げた「木鶏クラブ」の会が、今も二ヶ月に一度、
開かれている。そのの例会に、年末か、年始に参加しているが、去年、
新大医学部の20歳の学生で、考えるところがあって、一年の休学をとって、
白紙で将来を考えたいという青年が、来ていた。『思い切った判断だね!』
と褒めると、『教養課程で、一年の休学は東大医学部の学生の一部で
受継がれてきたのを聞き、考えるところがあり真似ただけ!』という。
この「武器としての決断思考」が、そういう人たちのバイブル?かどうかは
不明だが、私が人生を通し、学んできた要点を、軽く一冊に凝縮してある。 
『青年は荒野を目指せ!』である。でないと、溝沼の腐った一員になっていく。
 人生からみたら、「事前の一策は、事後の百策に勝る」の、具体例。
「事前に学んでおくべき人生戦略本」で、さすが、東大、京大医学部。
20歳の白紙の状態の決断は人生を大きく左右する。〜アマゾンの内容紹介より
《 東大×京大×マッキンゼー式・決断の技術!
 本書は、著者がいま、京都大学で二十歳前後の学生に教えている
「意志決定の授業」を一冊に凝縮したもの。今後、カオスの時代を生きていく
若い世代にいちばん必要なのは、意思決定の方法を学ぶことであり、決断力を
身につけることです。もう過去のやり方は通用しないし、人生のレールみたい
なものもなくなってしまいました。「答え」は誰も教えてはくれません。
 となれば、自分の人生は、自分で考えて、自分で決めていくしかないのです。
仕事をどうするか、家庭をどうするか、人生をどうするか? この本で私と
一緒に「自分で答えを出すための思考法」を学んでいきましょう。
きっと、あなたの人生を変える授業になるはずです。》
  〜カスタマーレビューより〜
《 筆者は、東大→マッキンゼー→京大准教授というエリート。
人生において、自分で考え、行動ができる事の重要性を説き、その秘訣を
伝授するとの趣旨。出版社である星海社新書という会社は、「戦う事を選んだ
次世代の仲間たちに、武器としての教養を配る事」を目的として謳っています。
私は、本屋で初めて見つけた本を買って読む事は、めったにないのですが、
思わず買いました。 内容はと申しますと、ガイダンスまでは期待通りで、
これからの厳しい世界を生き抜いていくには、知識・判断力・行動力・修正力
をバランスよく身につけるべき! と実例を交えながら、うなずきの連続。
ただし、本章に入ってからは、ほとんどがディベートの基礎講座。
(大雑把に言うと)ロジカルに物事を考え、常に(正解ではなく)最善解を
導いて、行動を起そう。状況が変化すれば、適宜修正をしていこう。それが
決断思考であり、自分の頭で考えて、自分で決めて行くという事!という内容。
日ごろから、ある程度、まともに物事を考えている人からすると、
同意こそすれ、目から鱗とまではいかないでしょうか。》
▼ ーはじめにーの「武器としての教養」を身につけろーが、この書の要約。
 学生時代の教養課程から専門課程で、何を目指すかを課題を無い頭を絞って
考えて結論を出したが、正に、著者の、この要約を地でいっていたようだった。
50年前の当時は、「坂の上の雲」を目指す高度成長時代の真只中。で、結果は、
バブル崩壊への転換を甘くみて、この結果? しかし、面白く、充実していた。
 で、現在は低成長時代の真逆の環境。だからこそ、ゲリラとして、それぞれが
実学としての武器としての教養が必要になる。 既に時代は氷河期に入った。 
 その中で、久々に? 面白い戦略本に出会った。来週、この会の忘年会に
出席予定だが、この青年、来ているかどうか?   ーつづく
・・・・・・
5010,幸福優位7つの法則 −2
2014年12月02日(火)
      【幸福優位7つの法則ー幸福と成功の意外な関係】
                       ショーン・エイカー著
  * 幸福の概念と、幸せな人
 それぞれの内容一つ一つに含蓄があり、納得させられる。その法則とは・・ 
法則1 ハピネス・アドバンテージ〜幸福感は人間の脳と組織に競争優位をもたらす
法則2 心のレバレッジ化〜マインドセットを変えて仕事の成果を上げる
法則3 テトリス効果〜可能性を最大化するために脳を鍛える
法則4 再起力〜下降への勢いを利用して上昇に転じる
法則5 ゾロ・サークル〜小さなゴールに的を絞って少しずつ達成範囲を広げる
法則6 20秒ルール〜変化へのバリアを最小化して悪い習慣をよい習慣に変える
法則7 ソーシャルへの投資〜周囲からの支えを唯一最高の資産とする
  ー以上だが、再起力、20秒ルールには特に新鮮な驚きを感じる。
  ★ 法則1、「幸福感は人間の脳と組織に競争優位をもたらす」
 ごく身近に、幸せを絵に描いたような人がいる。その母親が、この数段も幸せ
そうな人だった。しかし唯我独尊、自分の周りに太陽がまわっていると信じて
疑ってない。観察すると、ポジティブ感情が異常に高く、≪私は特別の存在≫
とのたまう。誰の心の底には、近い感覚があるが、年齢とともに片隅に追い
やられるが、この感覚が衰えてない。『絶対幸福の人』というのだろう。 
  ー幸せの概念についての箇所を抜粋してみるー
≪・私にとって幸せとは、「自分の可能性を追求して努力するときに感じる
 喜び」である。幸せは主にポジティブ感情によってもたらされる。幸せ
というのは、条件でも状況でもなく「心で感じるもの」だからだ。研究者に
よっては、「幸せ」という言葉を避けて、基本的に同義の「ポジティブ感情」
とか「ポジティビティ」という言葉を使う人もいる。
ノースカロライナ大学のバーバラ・フレドリクソンはこの分野で、世界で
トップクラスの研究者。彼女は、「喜び」「感謝」「安らぎ」「興味」「希望」
「誇り」「愉快」「鼓舞」「畏敬」「愛」という最も一般的な10のポジティブ
感情について説明している。このリストを読んだだけで、幸せの豊かな
イメージがわいてくるだろう。・・(略)
ノートルダム教育修道女会に属する18O人の修道女(全員1917年以前生まれ)
の古い日記である。彼女たちは毎日、思ったことを自伝風に日記に書くように
言われていた。50年後、ある優れた研究者のグループが、この日記に含まれる
ポジティブ感情をコード化を思いついた。 20歳のときの幸福度が、修道女
たちのその後の人生にかかわりがあるかどうかを調べたのである。そして、
かかわりは大いにあった。楽しそうな内容を書きつけていた修道女たちは、
ネガティブな、普通の内容を書いていた修道女よりも10年近く長生きした。
修道女たちが85歳のとき、幸福度が高い方の25%に入っいた人たちの90%が
まだ存命だったのに対し、幸福度が低い方の25%に入っいた人たちは34%
しか残っていなかった。20歳のとき幸福度の高かった修道女は、自分が長生き
すると知っていたわけでない。彼女たちの長生きは幸福感がもたらしたもので、
その逆ではない。≫
・4歳の子供を2つのグループに分けて、同じような知的な作業をさせる。
 「積み木を組み合わせて別の形を作る」というようなことだ。その時、
片方のグループには作業開始前に「何か嬉しかったことを思い出そう」と
指示を出してから作業をスタートさせる。もう一方のグループには何も
指示しない。すると、明らかに「嬉しかったこと」を思い起してから作業を
スタートしたグループの子供達がスピード速く積み木を組み合わせることが
できるのだ。まだ4歳で、大きな幸福経験を積んでいないような小さな
子供達でも、このように差異が出る。
▼ 最後の挫折付きだったが、創業人生は「自分の可能性を追求して努力する
 ときに感じる喜び」の日々でもあった。それに10のポジティブ感情(「喜び」
「感謝」「安らぎ」「興味」「希望」「誇り」「愉快」「鼓舞」「畏敬」「愛」)
もあった。だから、挫折感とか、後悔は思いのほか少ない。それらは、数十年
の毎朝の読書習慣が培ったもの。で、日々是好日、いや日々是口実か。
・・・・・・
4643, 老後の生活破綻、そして死 ー2
2013年12月02日(月)
      「老後の生活破綻 - 身近に潜むリスクと解決策」西垣千春(著)
  * 経済面から見る、高齢社会の現実
バブル崩壊後、弱肉強食の傾向が強まり、高齢者の生活にシワ寄せが来ている。
四人に一人が「苦しい生活」を余儀なくされ、四割が平均年50万の持ち出し。
国民年金のみの収入だけなら、厳しいのは肯ける。二ヶ月に一度の年金支払い日
の午前中の銀行の殺気立った高齢者の姿から、ギリギリの生活が見てとれる。
ある2千円均一のスナックは午後からオープンしているが、年金支払い当日は、
二ヶ月に一度の楽しみのため、ほぼ満席? 世知辛さの一端である。 
  ーその辺りから抜粋ー
《  ☆ 貧困につながる格差
 最後に指標の三つ目である「経済」、すなわち家計や暮らし向きは
・高齢者単独世帯の平均年間総所得(家計調査2008年)は175万円。
・夫婦のみの世帯では409万円である。
・内訳を見ると、夫婦二人世帯で、所得に占める公的年金の割合が65%、
 単独世帯では74%であり、高齢者世帯の多くにとって公的年金は主な収入源。
 なお、単独世帯には女性が多く、遺族年金に頼っている人が多い。
 高齢者のみの世帯では、稼働所得(仕事で得る収入)が約二割、
 公的年金が約七割を占めている。 
・高齢者世帯には、一般世帯の平均所得を上回る、600万円以上の世帯が約8%
 存在する一方で、100万円以下という、非常に所得の少ない世帯が15%も存在。
 また、収入が100万円〜200万円の世帯が最も多く、全体のほぼ四分の一を
 占めている。高齢者の新たな就業機会は殆どないに等しく、所得の増加は
 見込めない。つまり経済的に厳しい状況は最後まで続く。
・「相対的貧困率」という言葉は、2009年に初めて広く報道された。
 OECDの定義では、等価可処分所得(世帯の可処分所得を世帯員数の平方根
 割った値)が全国民の等価可処分所得の中央値の半分に満たない国民の割合。
 2006年の時点で、日本人の相対的貧困率が15.7%という数値は衝撃であった。
 最大の理由は、ひとり親家庭、とくに母子家庭の収入の低さが挙げられるが、
 高齢者の貧困層の影響も大きい。高齢期に入ったばかりの「若い高齢者」は、
 人生で貧困を経験してこなかった人が多い。いざ仕事を辞めたとき、もし
 十分な貯蓄がない場合が悲惨である。
   ☆ 四人に一人が「苦しい生活」
・日本は国民皆年金・皆保険制度が整っている。生まれてから死ぬまで、
 心配なく過ごせるシステムのはずである。しかし先ほど見たように、
 高齢者によって、老後に費やせる生活費には大きな開きがある。40.4%の
 高齢者が、毎月または時々赤字になる状況で生活している。現在の暮らし
 向きが「大変苦しい」と答えている人が7.2%、「やや苦しい」が19.2%、
 ほぼ四人に一人が厳しい生活状況に置かれている。
・高齢者世帯のなかでも勤労者がいない世帯では赤字の割合がさらに高く、
 平均で毎月四万円余りの赤字となっている(総務省「家計調査」2008年)。
 一年間ではおおよそ50万円の赤字である。30年の余生とすると
 1千5百万が必要になる。
・65歳から69歳で就業していない人の割合は、男性で5割、女性で7割。
 年齢が高くなるほど割合は高く、収入も減る。つまり、歳をとるにあたり、
 経済的な不安をなくそうと思えば、勤労者である間に貯蓄が必要になる。》
▼「65歳から69歳で無就業は、男性で5割、女性で7割」とあるが、逆に、
 男半分、女3分の1近くが就業している。自営業や農林漁業がプラス
されても、やはり多い。市営住宅に入り、光熱費と食費を切り詰めても、
医療費などで15万円がギリギリ。4人に一人が「苦しい生活」のが現実。
核家族化で子供からの収入もあてにならず・・この厳しさは、日ごと増す。
・・・・・・
4278, 閑話小題 ー昨夜は、大学の同窓会
2012年12月02日(日)
   * 昨夜は、大学の同窓会
 大学の同級会に(三年続けて)日本橋まで出かけてきた。同級生が有名な
甘粕の魚料理店の社長で、料理は絶品。以前から首都圏在住の人だけで毎年、
師走の第一土曜日に開かれている。地方の人たちが集まるようになったのは、
この数年前からである。服部料理学校理事長をしている染谷(源氏名、服部)
さんを中心にした親睦会の要素がある。大よそ20名弱が出席。今回は武澤ゼミ
で一緒だった田島さんが出席をしていた。幹事役の男も武澤ゼミなので、
三人が揃うことになった。10数年前の大学主催の卒業30周年記念の時は、
青森周りで新潟に遊びに来たことがあった。中小企業や、料理屋、商家の
師弟が多いため、この不景気、明るい話は少ない。ところで、目の前の男が
曰く、「実をいうと仕事が、ここにきて急速に拡大し上手くいっている。
インドネシアの生産拠点を移したのが、その原因で、今では国内の工場の
生産高を超えている。そこは、日本人に対する感情が良好的で、自動車と
オートバイのシェアが異常に高い。その部品を生産し、そのまま、地元に流して
いるため効率が上がっている。最近はベトナム、タイにも流すようになった。」
と。半月ほど前にNHKで、上手くいっている会社の現地レポートを放映。
本人がインタビューを受けていたが、その話を聞くまでは当人とは全く
気づかなかった。いずれの世界も5パーセントは、大当たりの人がいる。
  * 最近の袋ものラーメンが美味い
 何気なく週刊誌を読んでいると、「最近の袋物ラーメンが美味い!」
という特集記事が出ていた。家内に、その話をすると、「聞いていたが、
今度、買ってくる!」ということで、早速、日清の「ら王」を買ってきて
食べてみたが、思いのほか美味しい。週刊誌の記事では、「ラーメン屋が、
こんな美味しいラーメンを売られたら困る」と言っていたというが、
成るほど納得。ラーメン屋が、これにチャーシュウと葱を乗せて出されたら、
気づかないだろう。 日経トレンディの2012年ヒット商品第4位に入っていた
のが「マルちゃん正麺」。 家内が言うに、「スーパーでは、全国的に売切れ
で手に入りにくい」といか。 何か技術改良がなされたのだろうが。 
で、このところは昼食は、これにチャン飯! 
  * 昨日の早朝の夢
 昨日の朝方に面白い夢をみた。幼稚園時代の写真があって、そこに父親が
幼稚園児の中にいる。そこで父親と同クラスの写真の顔を一人ひとり見ていると、
急に胸が苦しくなり目覚めた。夢の中の写真に集中し過ぎたため、生身の方の
呼吸をしていなったようだ。5分位の深い呼吸で息を整えたが、15分位は
何ともいえない気分の悪さ。 写真はカラーで、それぞれの園児が可愛らしく
浮かび上がっていた。父は40歳後半で、夢でも丁度その頃の年齢。
脳は、面白い創作をする。
・・・・・・
3903, 精神力ーその偉大な力  ー4
2011年12月02日(金)
 この年齢で昔読んだ本を読み返し、書評を書いていること自体が奇妙である。
精神論というと現代では怪しげに思ってしまうが、それを信念と置き換えて
考えると違ってくる。人は、それぞれの信念に従って生きている。問題は、
それを前向きの思考にするか、どうかである。世の大部分が、後ろ向き人で
ある中で、よほど強固なベースがないと大勢に流されてしまう。
そこで、一歩二歩離れるか、孤独の時間を確保して自分の信念を
守らなければならない。信念という言葉には語り尽くせないほど奥行がある。
  * 信じることの魔術
 信念を変えることで体験の世界が変わります。信念は本人の精神の一つの
あり方。大生命の力を信じなさい。大生命を見ることが出来ないし、信念も
見えないが、それを通して行うことは見えます。確証を見ることは出来る。
信じることを前向きなことに使うことこそ鍵がある。
  * 人生の四つの基本
・ 第一は、大生命力すなわち【神】の善さ、完全さ、信頼性、敏感さなどに
 積極的信念を置くことです。知性的で善良な愛の生命力が、あなたをこの世に
 送ったのです。大生命力は悪いのではなく善いということに気づくべきです。
・ 最二に、自分が偉大な【人間】であることに気づくべきである。
 神性を持つ持つ大生命力が人間として個性化して、人格化して人間という
 ものが出来たと認めるべきである。自分を下等と思えば下等に行動し、
 他人もあなたを下等と思うでしょう。しかし、自分が大生命の化身と
 気づけば、その能力が、あなたの自由になるのです。
・ 第三に、運不運という、あらゆる信仰を捨てて、大生命力の【法則】に
 従って行動すべきです。大生命力の流れの中に、みずから新たな原因を注入し、
 自分のために新しい思想を受け入れ、新しい体験を持つことを信じるべきです。
・ 第四に、人格の【不死】を信じなければならない。他界しても自分は生きて
 いると信じなさい。これは実用的です。そう信じて行動すると、目の前の難問
 が何時か解決すべきことでなく、今すぐに解決すべきことになる。
 この四つの基本的なこと―神、人、法則、不死―に、積極的な信念を置けば、
 何に対しても否定的な信念を持つことがなくなります。
▼ 基本の一つの【法則】と中村天風の説と、ほぼ同じ。 積極一貫こそ、
 人間を宇宙の進化に従って生き、発展する術。積極的な前向きな信念に一つ
まとまり塊になって一つの方向に歩くことこそ、人間の健全な姿。精神力=信念
を自分の帆にして人生に吹く風を利用し堅実に前に進めばよい。当時これらの
精神論が極限の中での道標となり心を支えていた。 現在は哲学?
・・・・・・
3538, メビウスと、自・他
2010年12月02日(木)
  * 他人とは何か
 池田晶子の「自分の内側と、その対比としての他人」についての考察がよい。
「14歳からの哲学」の『他人とは何か』で、以下のように述べている。
【「自分が存在しない」ということは「ない」ということも、先に気がついた
ことだったね。 だから、やっぱりすべては存在するんだ。存在しないという
ことはなくて、世界も他人も存在するんだ。すべてが自分として存在するんだ。
なぜなら、自分でないものが存在するということはないからだ。
「他人」なんてものは存在しないと最初に言ったのは、この意味だ。他人の存在
を認めないとか、世界には自分しか 存在しないとか、そんな子供じみたことを
話をしているんじゃない。これは本当に深くて、本当に難しい話なんだ。
これも、ここだけの話だけど、このレベルの議論についてこれるのは、本当に
少数だから、君は、そういう大人を目指せばよい。 ・・ 大きい自分に小さい
他人同士がつながっているからだ。 大きい自分のう〜んと深いとろまで到達
しているような人、たとえばお釈迦様とかキリストとか、そういう人なら、
他入の痛みも他人の心も、自分の痛み自分の心として、きっと一瞬でわかって
しまうに違いない。「メビウスの輪」を知ってるね。内側を辿って行ったら、
そこは外側だったというあれだ。君は、「自分の内側」と言った時、体や心の
内側のことを思うね。でも、その内側が、外側の自然法則によって動いている
のなら、その内側って、じつは外側のことじゃないだろうか。
 (字数制限のためカット 2015年12月2日)