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【お金に強くなる生き方 〜佐藤 優 (著)】
* 金融資産1億以上は、2・5%
以前にも書いたが、日本の富裕層(一億以上の金融資産家)は2・5%=
358万人という。紀元前のギリシャでも、現在のアメリカでも、支配層が3%、
中間層が30%、下層階級が67%の割合は変わらないという。資本主義国の
優等生の日本では、一億円以上の金融資産がトップ層の目安になる。
年金生活に入って、今さら渇望するほど欲しいものもないし、日常の生活の
楽しみを良しとして淡々としているだけで充分。10億、100億あったところで、
使う意欲もない。 反面、日常生活でのお金の有難さは、強く感じている。
700万円位までは幸福度と比例して右上がりになるが、その辺りから、収入
増加に比例しなくなるという。 ということは、日本では公務員の平均給与が、
600〜700万辺りのため、高給取りの部類になる。 ならば、公務員になって、
大人しく生きることが一つの模範かも。アメリカでは、7割の人が「自分は幸せ」
と思っているという。何か変と思うが、これが事実である。 〜その辺から〜
<3分1の世帯が貯蓄率ゼロでありながら、全世帯の貯蓄平均値が1000万以上。
これは何を意味しているか。とんでもない金融資産を増やしている世帯がある
ためである。 大多数の日本人はさほど賃金が上がった実感がなく、物価上昇
だけは感じているというのが現実。反面、ポルシェを買っていく人も多い>
▼ 都会サラリーマンの退職者に、2千万以上の預金を持つ人が多い。
それに比して、地方は、親から引継いだ商店を潰して、夫婦して国民年金で、
預金がゼロに近く、何とか生活している人が増加している。地方格差の問題で
ある。とはいえ、今のところ、生活費を切詰めれば何とか生きていける。
リタイア後の生活で、お金を使わなければならない場面が圧倒的に少ない。
その上に、酒などを切詰めれば、年金内で、生活が出来ないことはない?
娑婆は良いように出来ている。持った額だけ、それがパワーになることも
現実である。「金持ち、金をつかわず」である。使う必要がないため。
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5263,ホモ・サピエンスの誕生と、生き残り
〜地球大進化46億年 ー⑤
2015年08月12日(水)
ー「NHK 地球大進化 知られざる“生命の星”の秘密」ー
* ホモ・サピエンスの誕生と、生き残り
最後まで残ったネアンデルタール人と、私たちホモ・サピエンスの差が、
複雑な言語を操る能力の差であった。 これは、現代社会の人間の能力にも
当てはめることが可能である。人間にとって最も重要な能力は、これである。
とすると、現代では情報端末を使いこなし、欲しい知識を得て、知恵に変える
能力=インテリジェンスになる。それが、そのまま、能力格差につながる。
今では、ネット社会が、現実社会の上を覆ってしまい、それが現実を左右
する時代になってきた。IS(イスラム国)などは、その典型事例といえよう。
ネアンデルタール人として、死滅するか。ホモ・サピエンスの次世代の人間
として生きるか?それぞれが大きな分岐点に立たされている。〜その辺りから〜
≪ ネアンデルタール人とホモ・サピエンスの間に横たわっていた大きな溝、
それは複雑な言葉を操る能力の差。もしネアンデルタール人が現在に生きて
いたらいつも会話をしている私たちの姿はとっても奇妙に見えたことでしょう。
言葉を獲得したホモ・サピエンスは、その能力を最大限に役立てました。
狩猟民族は言葉によって緊密な連携プレイを取り効率よく狩りを行っている。
そして狩りが終わった時、改めて言葉の果たす大切な役割が分かります。
その日の狩りを皆で振り返る時、言葉がさらに交わされます。
大人同士は狩りが失敗した理由を考え、新しい工夫を話し合います。
大人の会話を聞いた子供たちは狩りの技術を学んでいきます。
私たちは自らの経験を言葉で仲間や子供に伝えています。言葉を持って初めて
私たちは世代を超えてそれぞれの知識を共有できるようになったのです。
言葉を持ったホモ・サピエンスとうまく操れなかったネアンデルタール人。
二つの氏族の運命を分ける時代がやってきた。4万年前、ヨーロッパーは
200万年間続いていた氷河期の最後のピークを迎えていきました。
寒さは厳しさを増し北半球ではぶ厚い氷河が欧州の北側を覆い尽くしていた。
この過酷な世界で生きるために言葉はホモ・サピエンスにとって大きな助けとなる。
寒冷地に住む動物たちは季節の移り変わりとともに大きな群れをつくって移動。
その時、ホモ・サピエンスは言葉によって獲物が移動してくる時期や場所の
情報を交換しそれに備えて狩りの計画を練ることができたのです。
言葉が未来を予測する力になったのです。 ≫
▼ 現在では、情報機器とネットが、日々進化して、現代人は、それに
翻弄されている。しかし、時間とともに、それらを使いこなすことになるが、
その能力格差が果てしなく大きくなり、制御不能になるのでは? と思われる。
言語能力だけでなく、洞窟画も、ネアンデルタール人には無かったという。
そこにも人間の能力の意味を知ることが出来る。より広く、深い知識を得て、
様々の世界を知り、音楽、絵画、演劇など多くの芸術に感動し、それを満たし、
新しい何かを創造することが人生であることを示している。
・・・・・・
4898,ホントに大事なお金の話 −3
2014年08月12日(火)
『知っておきたい ホントに大事なお金の話』佐伯 良隆 (著)
* お金と「幸せ」について ー幸せは金で買えるか?
幸せは金で買えるかは古代哲学からの大問題。
ー以下で、その辺りを取り上げている。
≪・2002年に、ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カネーマンが
『年収7万5千ドル以上になると、それ以上の所得の増加は「生活満足度」は
高めても「幸福度」は殆ど変わらない』と結論づけた。
・2013年、ミシガン大学のスティーブンソンとウォルファーズは、各国の詳細
なデータ分析から、一人当たりGDPと「生活満足度」には明確な相関があり、
「幸福度」とも一定の関係がある、とした。
・それでは日本人の幸福度はどうでしょう。国の豊かさを示すGDPは50年前
には4000ドルでしたが、現在は43000ドルと、10倍以上になりましたが。
一人当たりの経済活動費は飛躍的に増加し、私たちが手にする金も増えました。
それが連動するなら、日本人は10倍も幸せになったはず。
・ある調査で、世界各国で自分の幸福度を10段階で自己評価したものを集計した
結果、2012年時点で、日本は6・5で、1960年度から50年で、ほとんど変化を
してなかった。一方、北欧諸国は8・0前後と高く、他の欧米諸国の多くも
7・0〜7・5、深刻な経済危機をかかえている失業率20%のギリシャさえ6・4%。
日本は主要先進国中、最低レベルなのです。OECDの幸福度指数でも、
経済力の割りに高くない。一人当たりGDPが14位にかかわらず、
幸福度指数が34ヶ国中21位でした。・・・ ≫
▼ バブルの崩壊以降、右下がりの経済環境の中、戦前世代、団塊世代、
団塊ジュニアは、右上がりの時代と比べてしまうのが要因の一つ。私の場合、
終戦から40年近く右上がりの時代に生きて、それまでの40年は日本の歴史的
繁栄時代に生きることが出来て、非常に良かったことは確かである。で、現在は?
というと、バブル崩壊までに、その恩恵を充分に受けていたこともあり、当時の
温もりがあってか、それなりに良いし、満足をしている。
森の生活の30数年間は、7百万〜千5百万の収入だったが、年金生活の現在、
3分1から4割の収入になったが、収入なりに楽しみがあって、当時が良かった
と思いは皆無。7万5千ドル(750万円)といえば、一般の家庭生活で、生活を
していくに気にしないで済むレベル。御隠居生活なら400万もあれば、充分。
父親の質実剛健の教えが、年金暮らしで再度、生きてくる。預金が10億もあれば、
やはりハワイに夏場と冬場の数ヶ月は滞在しているのだろうが!
饅頭嫌いは建前で、饅頭大好きが、やはり本音である!
小さな中古マンションに引越し、半分はハワイに行くことは可能だが、
そこまでは出来ない!のは・・ この考えも、バブル期の残物?
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4531, 生きる悪知恵 ー9
2013年08月12日(月)
* 最近、涙もろくて困るんです・・ 「生きる悪知恵」西原 理恵子(著)
A: 「男は人前で涙を見せてはいけない」と教えられて育った昭和の男です。
ところが、不惑を過ぎた頃から、どうも涙腺が弱くなってきました。
いや、近しい人のお葬式とか娘の結婚式とかで泣くのならいいんですが、
本当にちょっとしたことで泣いてしまうんです。特にヤバイのが映画。
昔だったら絶対泣かないどころか、半分バカにして笑ってたようなべタベタ
な泣かせ映画で泣いてしまって、周りに気づかれないようにするのが大変。
「おっぱいバレー」や「ルーキーズ」で涙があふれてきたときには、我ながら
呆れました。一人のときならいいですが、人前ではみっともなくて困ります。
どうすれば、ちいことで泣かずに済むようになるでしょうか。(51歳・男・自営)
B: 昭和の男だって、泣いていいんですよ。星飛雄馬だって父ちゃんだって、
よく泣いてたじゃないですか。「少年兵は簡単に人を殺す」って
(戦場カメラマンだった)鴨ちゃんに聞いた括だけど、それは子供は生きていく
うえでのいろんなことを知らないから。子供はすぐ虫を殺すけど、大人は
「かわいそうだから、やめておこう」ってなるのと一緒。大人の涙は色んな
ことを経験したから出る涙な。「いろんな人生にお疲れ様」という涙。
私の周りの大人もよく泣く。もう泣きまくり。男も女も。この年になると
みんなもう背負っているものが一杯になって。ちょっとしたことで「ああ……」
って溢れてくる。私もホントに、世界中いろんなとこに旅行に行っても、本を
読んでいても、子供のチョッとしたこととか、猫が寝てるのとかを見ても、過去
の何かとすり合わせようとするみたいで、自分の中でこみあげてくるものがある。
ヘミングウェイの「何を見ても何かを思いだす」じゃないけど、もう走馬燈が
回り始めてるのかも。「人前でみっともない」って、そんなことない。
もし「泣いてる父さんが嫌だ」なんて言う人が周りにいたら、そんな人とは
つき合わないね。やっばり今まで我慢してきたことかたくさんあるわけで、
そろそろ体の中の我慢のツボがいっぱいなんですよ。だから溢れてるわけで、
それを無理に止めるとホントに心の病気になってしまう。だから、よく泣き、
よく笑い、よく飲んで、よく食べて、外に出て、体を動かし日にあたること。
その年で精神を壊すと大変ですから、我慢することなどしないで。
遠慮せず、泣いてください。だって、あと少ししたらもうチンコも立たなく
なって病気になって死ぬだけですから。歌にもあるでしょう、「泣きなさい、
笑いなさい」って。すべて自然のままに垂れ流しでいきましょう。
結論、 自然のままに垂れ流せぱよし。
▼ 20歳代によく布団の中で泣いたもの(但し人前では泣かなかった)。
それが30歳過ぎた頃から 泣かなくなった。泣いていられるほど置かれた
立ち位置が崖っぷちだっただけだが。 布団でも人前でも、涙を流すと何か
踏ん切りができる。さめざめ泣くことと、腹から笑うことの中に、心の深い傷
に対して人類の長年かけ作りあげた自浄作用があるようだ。自浄作用といえば、
先日、信濃川の長岡大橋をポタリングの途中、初老の男が、川に向かい背中を
反らした後、前を屈むようにしながら数度、ワォーッ」と喚いていた。
何かがあったのだろう。今度、誰もいないとき、やってみようと思ったが、
これ、気持ちがいいはず。今度、シネマで、ストーリーに感情移譲をして、
泣く練習をしてみようか。
・・・・・・・
4156, EUメルトダウン
2012年08月12日(日)
「EUメルトダウン 欧州発 世界がなくなる日」 浜 矩子 (著)
オリンピックも終わろうとしているが、これから年末までの4ヶ月半の日々が、
緊迫した日々になる。この本の題材のとおり、「EUメルトダウン」と、
イスラエルによるイラン核施設への可能性である。ズバリ8割だろう。
この書籍は書店では目にして立ち読みをしていたが、数日前に図書館で見つけた。
去年暮れに出版された本で、その後の推移は、ほぼ当たっている。その都度EUは
何とか緊急融資を決定し、乗り切ってきた。しかし、どれもこれもギリギリの決断。
ーまずは、アマゾンの内容紹介よりー
≪ ギリシャに端を発した、欧州の財政危機問題はポルトガル、イタリア、
スペインといったいわゆるPIIGS諸国に連鎖し、遂にEUの屋台骨の一つである
フランスまでにも飛び火して、金融危機が勃発しようとしている。さらに、
もう一つの屋台骨であるドイツも改革疲弊・限界支援で今後の動きが読めない。
EUは、まさにメルトダウン寸前の状態にある。ギリシャの破たんが、すぐそこまで
来ている今、ユーロは暴落し、諸外国の株価も急落している。
EU発の世界経済大崩壊 ″第二のリーマン・ショック″は日に日に現実味を
帯びてきているのである。果たして世界最大の国家″EUは生き延びられるのかー。
そして、この欧州危機は世界に伝播し、大恐慌に陥ってしまうのか―?
‘ユーロという通貨の統合の果実が毒’に変わりつつある今、世界経済は大変革の
ターニング・ポイントを迎えている。欧州危機を乗越えるにはどんな方策があるか?
そして、日本は今後EU諸国とどの様に関わっていくべきなのか?
エコノミスト・浜矩子氏が、EUの経済危機を、EMS(欧州通貨制度)の崩壊、
マーストリヒト条約締結から現在に到るまでの歴史的事実から、EU、そして
欧州各国がとるべき政策を考察、解説する。≫
▼ 1979年に発足した欧州通貨制度は、その縛りを各国が守ることから
始まったが、その足並みが揃わず、大きな壁に突き当たったが、最後に妙案が
出てきた。事実上のドイツ・マルク本位制に見立てて、各国が、ドイツの経済実態
に自国経済のパフォーマンスに摺り寄せることだった。インフレ率も、成長率も、
失業率も、金利も、目指すはドイツだった。要するに「ベスト・プラクティス」
を各国がすることだった。ところが1990年代に入って、安定するはずのドイツが、
東ドイツを吸収したため、西ドイツ・マルクが消滅、統一マルクになって、
価値の定まらない通貨になってしまった。西ドイツの人々は、東ドイツの人々の
ために「連帯税」を取られ、その力を失っていった。そして、問題であった、
南欧の人たちの仕事に対する甘さが、そのまま、ドイツに重く圧し掛かって、
その将来に暗い影を落としてきているのが現状。ドイツ国民も、どこまで、
この重圧に耐えられるか、もし、反対政党が、離脱でも言い出し、勝利を
収めれば、メルトダウンが大爆発を起こし消滅することにもなりかねない。
その前にPIIGSの一つがデフォルトの可能性が大である。時の権力者は自分の代
での爆発は避けたいもの。それが積もり積もって、限界点に到達したか?
・・・・・・・
3791, スポーツジムの景色 −2
2011年08月12日(金)
このところジムが何か変である。4月初旬に入会したが、当時は平日の午前中
に関わらず会員で満タンで、「ここは不景気とは別世界、私の知らないうちに
社会は変わってしまった」と、思い知らされた。まずは値段の安さである。
昼間の空いている時間帯(主婦と定年後の団塊世代を狙いをつけた時間帯=
金曜ー定休、日祭日を除く10時から17時)のコースが、月に5980円である。
私は、ほぼ皆勤で10〜12時の二時間は通っている。20日で割ると一日300円。
しかし私が入会後、一月もしない5月のゴールデン・ウィーク後から、ジム内の
会員数が激減をしている。まずは三割、そして五割、最近では三分の一ほどに
なってしまった。嘘のようだが本当である。僅か4ヶ月のうちである。平日昼の
時間帯からみて、景気に敏感な主婦層が多いこともあるが、東北大震災の影響が
直撃したようだ。会費が二月分前払いのため、連休明けから激減したようだ。
また場所柄、農家関係も多いこともある。考えてみれば新潟は福島の隣県。
イメージからして、農作物は中長期的にみて大打撃は避けられない。農業関係者
なら敏感なはず。連休後から友達紹介キャンペインを始めたが、新規の見学者が、
このところ少なくなった。 スポーツジムはレジャーの範疇に入る施設である。
10年前の9.11テロと、3年前の9.15−リーマンショックは、数百年に一度の
文明と政治経済の大激震。その影響が、まずは日本に直撃。 それで今回、
私の事業も倒産に至った。 その上に、1000年に一度の地震・津波の自然大災害
と福島原発事故である。 そして先週末からの世界同時株安が襲ってきている。
ジムが劇的に会員が激減していくのも当然といえば当然。 家内は10年前から
信濃川の川辺のイオン内のスポーツジムに通っている。そこで家内に、会員数が
減っているかどうか聞いたところ、「元もと少ないので、減った感じはない」
という。 とすると、ジム愛好者が居酒屋が新規開店に殺到するように、新しい
ジムに様子見に来たのが一巡し、前のジムに舞い戻った要素もあるのだろうか?
と考えてみたが、新しく大きい方が、より多くの種類の設備が付加されている
ので、大方が元に戻るというのも考えにくい。やはり大震災の影響である。
私自身の見方が、時が時だけに、悲観的にみてしまうことも考慮してもである。
休日は、市営の公共施設のサンライフにいくが、そこで一通りジム設備が揃って
いて、我慢すれば出来ないことはない。公共のジムを二つ兼ねれば、それなりの
満足感を得ることも可能である。スポーツジムからみる、景気も、そう甘いもの
ではない。それにしてもジムは、ゴルフをしない者にとっては健康にとって、
非常によい。
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3426, iPad 対 キンドル ー3
2010年08月12日(木)
『iPad対キンドルー日本を巻き込む電子書籍戦争の舞台裏』西田宗千佳著
* iPadは「eBook」ではない?!
初めの発表会でiPadが画面に出たとき、会場は単に大型のiPhoneに、がっかり
したようだった。しかし途中から、会場の雰囲気は変わっていった。「10インチ」
の意味が、デモを通して来場者に分かってきた。アップルの狙いは「eBook」
ではなく「リビング」ということが、ジョブスの紹介からみえてきた。
モバイルデバイス、要は「屋外に毎日持ち出して使う機器」だけでなく、リビング
にシーンを移動したのである。この数年、小型モバイルパソコンが爆発的なブーム
だったが、これは、台湾などでつくられた低価格のモバイル小型ノートパソコンが、
その原点にあった。使用者は、そこに本や書類を入れて、リビングやカフェなどで
見ていたのである。そこに目をつけ考えられたのが、このタブレット式パソコン。
そのためiPadやキンドルとは似て非なるものとなったのである。大型のiPhoneと
いうだけでなく、ソファーやチェアやベッドで寝そべって見れるところが、
ポイントとなっている。我家の居間のテレビ前の座り机の横にパソコンを置いている。
その台は回転が効いて、私が使ってないときは、家内が向きを反転させ使っている。
だから、iPadをデモで見たときに驚いてしまった。居間で時間を遊ぶ面白さが
よく分かるからである。次にiPadの価値はiPhoneに使われている「アプリ」にある。
既に多くのものがiPhone用に開発され、普及している。それが、使えるとなると、
その顧客を取り込める。そのためkindleがeBookの「単機能」に対して、iPadは
「汎用」が特徴になる。またeBookに関していうと、手軽な「文庫本」的なキンドル、
それに対し「雑誌」的なiPadといえる。現在iPadが月に100万台の大ブレークの
販売に、一挙にタブレット式パソコンに火がついてしまった。これは、これまで
の出版業界だけでなく、マスコミそのものの根本からの崩壊に繋がる。
紙の出版物は10年後には半減どころか、10分の一になる可能性すらある。
傍目には面白が、恐ろしい時代である。
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3051,人を殺すとはどういうことか
2009年08月12日(水)
「人を殺すとはどういうことか
―長期LB級刑務所・殺人犯の告白」 [著]美達大和
図書館で何気なく題名に引き寄せられて立ち読みをしたが、その生々しさに
立ちすくんでしまい、借りてきた本。LB級刑務所は長期の重犯罪者達の檻、
その大部分は良心のカケラもない人たち。これは獄中でつづった特異な半生記・
観察記で、今年になって出版されたもの。著者自身が2件の殺人を犯し、無期
懲役刑に服しながら獄中でつづった手記で、前半が自分の半生。後半が刑務所
の他の受刑囚たちの観察記である。 本人は今も無期懲役に服している。
高い知能と冷徹さを生かして社会的な成功を収めた後、自らの価値観に従って
ふたりの人間の命を奪う。逮捕後や公判中も罪の意識はまったく感じなかったが、
検察の論告を聞いているときに突然、情動のスイッチが入り、後悔や反省の念
がわき起こる体験をする。最初の殺人は26歳のとき、金融業で成功を収め、
ヤクザの組織に在籍していたときに起こした。用意周到な犯行ですぐに発覚する
ことはなかった。 2件目の殺人はその数年後。その動機について
「私から見て誠実と感じられなかった被害者の言動などが主因になりました」
という。2件目の犯行で逮捕され、1件目の犯行が発覚。その後、償いの日々を
送りながら他の受刑囚を観察、犯罪の動機や今の感情についてインタビュー
を試みる。そこでみえてくるのは、フィクションでは描ききれない矛盾に満ちた
人間の生々しい姿。強盗殺人を犯したある男は、被害者に「全くざまあみろだ」
と言い放つほど冷酷な人間が、TVのご対面番組には涙を流す。
ヤクザ同士の抗争で殺害した被害者の強さを畏敬し「ヤクザとしての自分の
生き方がしっかり決まった」と出所していった男。
(以下、字数の関係でカット 11年08月12日)