『グローバリズムという病』平川克美
   * グローバリズムに対する純朴な問いかけ ーB 
 グローバリズムを主導するアメリカの経済支配下にある日本は、TPP
合意で、更に大きく変わろうとしている。敗戦による勝者のアメリカが、
日本人を「薩摩芋からバナナ」へ改良?されてしまったのが現時点である。
(バナナは表皮は黄色で中が白色)、あ(薩摩芋は表皮が土色で中が黄色)
韓国のようにアメリカにガンジガラメにされ、海外移住希望者が7割以上と
いう国。近い将来、似る可能性がある。 〜以下は前回からの続きである〜
≪・昔の賢明な方々、セネカアイマラ民族までこんなことを言っています。
「貧乏なひととは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、
 いくらあっても満足しない人のことだ」
これはこの議論にとって文化的なキーポイントだと思います。
国の代表者としてリオ会議の決議や会合にそういう気持ちで参加しています。
私のスピーチの中には耳が痛くなるような言葉がけっこうあると思いますが、
みなさんには水源危機と環境危機が問題源でないことを分かってほしいのです。
根本的な問題は私たちが実行した社会モデルなのです。そして、改めて
見直さなければならないのは私たちの生活スタイルだということ。
・私は環境資源に恵まれている小さな国の代表です。私の国には300万人
ほどの国民しかいません。でも、世界でもっとも美味しい1300万頭の牛が
私の国にはあります。ヤギも800万から1000万頭ほどいます。私の国は
食べ物の輸出国です。こんな小さい国なのに領土の90%が資源豊富なのです。
・私の同志である労働者たちは、8時間労働を成立させるために戦いました。
そして今では、6時間労働を獲得した人もいます。しかしながら、6時間労働に
なった人たちは別の仕事もしており、結局は以前よりも長時間働いています。
なぜか?バイク、車、などのリポ払いやローンを支払わないといけないのです。
毎月2倍働き、ローンを払って行ったら、いつの間にか私のような老人になって
いるのです。私と同じく、幸福な人生が目の前を一瞬で過ぎてしまいます。
・そして自分にこんな質問を投げかけます: これが人類の運命なのか?
私の言っていることはとてもシンプルなものですよ: 発展は幸福を阻害する
ものであってはいけないのです。発展は人類に幸福をもたらすものでなくては
なりません。愛情や人間関係、子どもを育てること、友達を持つこと、
そして必要最低限のものを持つこと。これらをもたらすべきなのです。
幸福が私たちのもっとも大切なものだからです。環境のために戦うのであれば、
人類の幸福こそが環境の一番大切な要素であるということを覚えておかなくて
はなりません。  ありがとうございました。 ≫
▼ 普段着は、中国、ベトナム製であっても、「ユニクロ」さえ着ていれば。
 地域間格差が無くなり安心できる。スマートフォン、TVも然り。
貧しくとも、トレードオフした輸入品を集めた百均ショップで買物を楽しめる。
セブンイレブンでは、トレンドの日常商品が日ごと変化し、並んでいる。
グローバル化が悪いのでは決してない。グローバル化がもたらす、一強多弱が
世界を歪にしてしまうのが悪い。しかし、その対処が出来ないのが現状であり、
上記の素朴な疑問になる。
・・・・・・
5038,閑話小題 〜深刻な子供の貧困問題
2014年12月30日(火)
 NHKスペシャルの『子どもの未来を救え〜貧困の連鎖を断ち切るために〜』
を観たが、年末の日曜日の21時のゴールデンタイムに放送するとは、NHKも
思いきったもの。それだけ貧困問題は深刻ということ。
  ーまずは、NHK・HPの放送案内の説明からー
《 過去最悪の16.3%。国が発表している「子どもの相対的貧困率」は年々
 悪化し、今、子どもの6人に1人、およそ300万人が国が基準としている
“貧困ライン”(一人世帯122万円未満)以下で暮らしている。 今年8月、
政府は「子供の貧困対策に関する大綱」を閣議決定し、関連法の整備に乗り出す
など、国をあげた課題となっている。「子どもの貧困」の背景にあるのが
「女性の貧困」。日本のひとり親世帯の8割以上が母子家庭だが、全体の半数
以上が貧困ライン以下の状態にあるといわれている。そうした世帯で育った
子ども、中でも女性は、成人しても貧困状態に陥ることが多く、さらなる連鎖を
生む悪循環が起きているのだ。番組では、現場の克明なルポを通して、連鎖の
実態や社会保障制度の課題を探る。識者との議論も交えながら、次の世代へ
「貧困の連鎖」を生まない社会のあり方を考えていく。》
▼ 貧困の具体例の内容が生々しく、思わず息をのんで観てしまった。
 一強多弱化の激流の中で、決して他人事ではない。「出来ちゃた婚」などの
安易の結婚で、最近の日本の離婚率は4割という。片親の貧困率が54%と
いうから、6人に1人が貧困ラインにいるのは肯ける。貧困率という数字が
初めて出てきたのが2009年という。それまで隠されていた貧困が、不況の
深刻化で表立ってきた。 こんな話を聞いたー 
≪ 高校生・大学生が、「自分が生きているだけでお金が掛かる」と。
 で、「そんな自分が生きていていいんですか?」。貧困問題は、間接差別問題
でもある。辛うじて夫婦の「二人厚生年金」で、今までの生活を維持しているが。
・・・・・・
2014/01/29
閑話小題 ー若年女性の貧困問題
   * 若年女性”の貧困問題
 一昨夜のNHKTVの「クローズアップ現代」で「あしたが見えない〜深刻化する
“若年女性”の貧困〜」を放送していた。隠れた恐慌は、ジワジワと社会的弱者
より影響を与えてきた。成るほど、社会の仕組みは、強者のために作られている
のを日々、実感する。  (まずは、NHKのHPの番組趣旨より)
《 貧困状態に苦しむ若い女性が増えている。親の生活苦の影響を受け、
 早朝と夜間のバイトを掛け持ちしながら家計を支える10代の女性。困窮を
抜け出そうと苦学して専門学校に通ったものの、正社員になれない20代の女性。
中でも、先の見えない生活を強いられているのが若くし子どもを産んだシングル
マザー。国の成長戦略で「女性が輝く」ことがうたわれる中、深刻化していく
若い女性の貧困。 現場のルポから現代社会の新たな課題を浮き彫りにしていく。
  ーあるプレビュー
働く女性は全国で2770万人いるうち、不安定な非正規雇用で働く女性の割合は、
57.5%と男性の2倍以上。そして、単身女性の3分の1が、年収114万円未満と
いわれており、深刻化しているのが、10代、20代の若年女性の貧困です。
朝から晩まで、アルバイトをいくつも掛け持ちする若い女性たち。周囲の
男性も非正規で働く人が多く、結婚して出産することは考えられないという。
 さらに深刻な状況に陥っているのが、10代20代のシングルマザー。20代の
シングルマザーのうち、およそ80%が年収114万円未満の貧困状態に置かれている
といいます。そんな中で、VTRで紹介されていた風俗店の話が衝撃的でした。
風俗店で働く女性の中には、店側が提供する住まいや託児所などに惹かれて、
やむなく風俗店で働くケースが多いというのです。公的なセーフティネットでなく、
風俗店が提供する住居や託児所に頼るというのは、皮肉な現実と言わざるを得ない。
▼ ゴールデンタイムや、NHKのモーニングショーで、生活のため主婦が
 やむを得ず風俗で働いている実態を放映するまで、困窮者の数が増えている。
実際、新潟駅前で30年近くの事業で、風俗嬢の長期宿泊などから、その実態を
垣間見てきた。地元??が営業する風俗店で、泣き叫ぶ赤ちゃんを客室に置いて
働く姿は、阿修羅そのもの。見て見ぬふりしか手立てはない。
 それにしても単身女子の3分の1が10万以下というから、深刻。 
20年前に「3つ掛け持ちのパートで、子供三人を育てている人がいる」という
話を聞いて、驚いたが、今では話題にすらならない!静かな恐慌が、現象として
現れてきている。「うどん一つを親子で、つゆを多めにして食べること、
しばしば」には・・ あと数年後は、更に深刻になるという!
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2013/12/26
身近な貧困 ー2
   * 都会サラリーマンの貧困問題
 表立ってないが、これまで比較的恵まれていたと思われていた都会サラリーマン
に深刻な貧困問題が浸透している。彼らの間にも、親がリッチかどうか、勤務先の
業績などで、格差が生じる。 ー以下は、あるブログを要約した内容ー 
《 日本では持ち家に住み、スーツなど身なりはキッチとし、子どもを私立学校
に通わせる「見えない貧困層」が多い。ところが一般的に、この水面下の変化の
実態が見えてない。ごく普通のサラリーマンの家計のキャッシュフローが破綻の
危機に瀕している。年収600万円のサラリーマンの場合、税・社会保障費を除いた
可処分所得は450万円。そこから住宅ローン(約150万円)、生命保険(約50万円)、
子どもの学費・教育費(約150万円)を引けば、残りは100万円。親子3人の暮しは
最低水準。中学から大学まで子供を私立に通わせると、一人1,500万円の費用、
子供を下宿させると、さらに年間100万円が必要で、総コストは2,000万円。
子供ニ人りなら計4,000万。一人あたりマンション1軒分の教育費。 
東京・大阪など大都市圏では公教育は崩壊しており、私立に通わせるしかない状
況で、急激な家計の逼迫に苦しむ。これが、サラリーマンが「貧困化」する
最大の理由。 9割が中流の時代は終わり、18歳以下の子供のいる家庭の60%が、
家計が苦しいのが実情。「貧困化」を避けるに、子どものいる家庭は住宅ローンで
家を買うのをやめるべき。そのために住宅ローンは頭金の2倍程度までに抑え、
失業や倒産でキャッシュフローが途絶えた時の備えが必要になる。 
 サラリーマンの生涯年収は地方2億、首都圏で3億円といわれる
(平均700万円×40年)。このうちの2割の6,000万円は税金と年金・健康保険
などの社会保障費で天引き、手取りは2億4,000万円。
ここから住居費(6,000万円)と保険料(2,000万円)を引くと1億6,000万円。
そのうえ子供ふたりを育てると4,000万円の教育費がかかり、残り1億2,000万円。
サラリーマン人生40年で割れば、実質可処分所得は1年で250万円、毎月約20万円で、
食費や小遣いなどの生活費で、お金はほとんど残らない。住宅、保険に、養育、
税金を払うと、資産は残らないことになる。》
▼ 高学歴になるほど豊かな人が多く、低学歴ほど貧困の比率が高いのは、
 学校の同級会に出ると明確である。ところが、最近は、我々の年代が高年齢化
もあり、そうでもなくなった。特にリーマンショックから、その厳しさは増加。
 このケースは、リストラ、倒産にあわない順調のケース。静かな恐慌に入った?
現在、冷静に見渡すと6人に1人が貧困で、予備軍を入れると3分の1の生活が厳しい
のが現実。まず20数年前のバブル崩壊、12年前の9・11、5年前のリーマンショック
2年半前の東北大震災で、良き時代は終りを遂げた。まず地方経済に、そして
首都圏に深刻な貧困問題として、厳しさが増している。一流大学を卒業、
一流企業に勤めていても、リスクが各人に待ち受けている。終戦の半年後に
生を得て、右上がり、そしてピーク、右下がりを充分味わった人生。
これから10年、貧困問題は深刻度を増すことは確実である。
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2013/12/24
身近な貧困 ー1
  * 日本社会の貧困問題 
「米国社会の貧困問題」の実態に驚いている場合ではない。アメリカの貧困率
世界で3番目の16%だが、次が15%の日本。ほぼ同じ格差社会である。このところ
急に身近な貧困化が目立ってきている。 これまでの比較的豊かだった中間層が、
2001年の9・11テロ以来、リストラや倒産でジワジワと貧困層に陥っている。 
現に私自身の事業が10年間で、売り上げが三分の一に下落、会社整理に至った。 
何とか年金で生活は出来ているが・・ 昔から日常生活を質素にしていたので、
生活の質が落ちた実感は少ないが、以前とは違う。地元の同級会では、倒産・
廃業や、借金苦?の自殺など悲惨な話題が多い。実兄も7〜8年前に実家の
商売を倒産させたが、良質だった上に夫婦して厚生年金でノンビリしたもの。
その中で、知人の何人かがバブっているが、これも時間の問題。米国人口の
三分の一が貧困か貧困予備軍なら、日本もほぼ同じ。気晴らしに?週に一度は
ランチに出るが、低価格志向は日々強まっている。回転寿司や、牛丼はワン
コインで、満足できる。私も家内の実家も事業をしていた関係上、失業保険は
かけられない。そこでセフティネットで、夫婦とも厚生年金をかけるのが知恵。 
それもあって、何とか貧困ラインの生活はクリアー出来ている。 
 地方では自営業や農家が多く、夫婦とも国民年金だけの人が多い。
夫婦二人で手取10万は厳しい。特に持家では、生活保護が受けられず貧困に
陥るケースが多々ある。 私自身、この十年間で、一千、6百、5百、4百万
と生活費を減らしてきたが、貧した感覚はゼロ。これは、60歳までに遣りたい
こを遣り尽くした感があって、別に特に欲しいモノも、コトもないからだ。
あと一年で古希なら、当たり前だが! 老いただけでも汚くなるので、服装や、
身の回りは清潔に保つのが老いの第一原則。特に服装は注意しておかないと。
それと精神=言葉には注意しなくては! 特に、私は言葉である。世間様を
シラミなど! もう一つ注意しなくてはならないのは、貧困=悲惨(不幸)
から、金持=豊か(幸福)という錯覚に陥ることだ。会社を整理をして
実感したのが、一般の、この妄想、思い込みの強さである。情報化社会の
本格的到来で、根こそぎ世界は変わってしまったが、既存体制は、そのまま
残っている。それでは、まず会社を破壊する方が先決。ダメなものダメ!
老兵は黙って去るべき! 残ろうとするだけ?  
次回は、都会の一応恵まれていたサラリーマンの貧困化問題。
・・・・・・
2013/12/21
米国社会の貧困問題
 先週、BS/NHKをみると{アメリカ冬の時代〜転落する中産階級〜前編}
の再放送をしていた。二日続けての再放送だったが、深刻な内容。 この春、
NHKで「シリーズ 貧困拡大社会―奪われたアメリカン・ドリーム―」を放送
していたが、この続編的な内容。遅かれ早かれ、日本にも生じてくる問題。 
いや既に部分的に起きているが、生活保護が手厚いので大部分が救われている・・ 
しかし地方経済の惨状は厳しい。一つ間違えば、ドン底の事態が待っている。  
 ー内容といえばー (NHKのブログより)
《(前編)ー 金融危機の余波を受け、アメリカではかつての中産階級が貧困に
 あえいでいる。オレゴン州ポートランドで、負のスパイラルに陥っている人々を
ひと冬にわたって見つめるドキュメンタリー。生活に行き詰った家庭を支援する
NPO団体「211」のホットラインには、毎日、せっぱ詰まった電話がかかる。
その多くが、金融危機前、念願のマイホームを手に入れて
アメリカン・ドリームを実現しつつあった人々だ。
・3人の子どもを育てながら失業したある夫婦。家のローンに追われる中、
 ついに電気代が払えなくなり、寒い冬を暖房なしで暮らしている。
 なんとか仕事を見つけようと奔走するが・・・。
・銀行の保証制度を利用して住宅ローンの負担を減らそうとしたベン夫妻。
 審査の結果「まだ支払えるレベル」と却下された。しかし、本当に支払う
 余裕がなくなったときには、手遅れだとして立ち退きを言い渡された。
 こうした家庭を支援するべき公共的なセーフティネットは、どこも財政難
 で弱体化し、機能を果たせなくなっている。これがアメリカで進行する
 貧困の実態の一部。  
(後編)オレゴン州ポートランドで、負のスパイラルに陥っている人々を
     ひと冬にわたって見つめるドキュメンタリー。
・住宅ローンの支払いに追われ、電気を止められてしまったある夫妻。
 なんとかパートタイムの仕事を見つけたが、新しい職場で人種差別に遭い、
 解雇されてしまう。
・最近夫を亡くしたジャネットは、11歳の息子とシェルターに身を寄せるが、
 生活のあまりの変化に息子は情緒不安定になった。
・5人の子どもたちを抱え、電気も水道も止められたマイクの一家。親切な
 隣人のガレージから電源を使わせてもらっているが、子どもたちは勉強に集中
 できない。こうした子どもたちがドロップアウトし、貧困が次世代に連鎖する
 事態が深刻になっている。生活支援のNPOのホットラインに電話をかけてきた
 家族を定点観測し、普通に暮らしてきた人たちを初めて襲う貧困の実態を描く》
▼ TPPは、太平洋沿岸地区の各国が、アメリカンスタンダードの基準に従い
 垣根を低くしましょう!ということ。確かに競争力は弱肉強食が強くなるが、
それは近未来に一強多弱社会になり、中産階級が崩壊し、貧困層になることを
意味する。が、今さら鎖国は無理。アメリカは、全人口の16%にあたる5000万人
の貧困者が存在し、その予備軍が同数あり、人口の三分の一が、貧困と貧困予備軍
に入っている。ちなみに自宅を除く資産が1億円(百万ドラー)を超える数は
2009年には780万人(2・7%)に、資産4億円を超える人の数は17%増加の98万人、
存在する。 米国民全体でトップ1%の収入(年収約3200万円以上)の家庭収入は
全体で6.8%アップ。このトップ1%の人たちがアメリカ全体の23.5%の富を所有。
日本も、残念ながら貧困国に陥ることになるが、この国の体質では当然である。
今さらアベノミクスじゃないだろう!
・・・・・・
2014/02/27
閑話小題 ー年金生活者になって垣間みえてくる貧困問題? 
 年金生活に入って、事業人生の気の張りも緩み、かわり映えのない日々が続く。
年金生活になれば、娑婆ッケも抜け、今さら欲しいモノも、してみたいコトもない。
還暦までが人生の面白いところ。あとは、自然の流れに身を委ねて、日々、面白、
可笑しく生きることを心掛けるしかない。生活に心配ない収入があるかないかだが、
自然に適応するから不思議。同世代が、二ヶ月後から古希になる。
残された人生の期間が、あと平均10年になる。そのうち9年間が介護を必要、
というから、そう甘くはない。比較的恵まれた環境の生涯だったが、ここにきて、
周辺が寒々とした空気になってきた。貧困問題である。以前も書いたが、世界と
比較した相対的貧困問題である。この東北震災の影響が今後、さらに深刻になり、
日本は貧乏国になることは避けられない。 以前にも少し取り上げたが、
 ーその辺りをネットでみるとー
《 日本の貧困率についての最新のデータ、OECDの2009年の統計によれば、
 日本の相対的貧困率は16.0%で、この年に調査された中では、イスラエル21%、
トルコ19.3%、チリ18.5%に次いで4番目に相対的貧困が高い。同年調査された
韓国(15.3%)よりも高い率である。2009年には調査されなかったが、かねて
貧困率が高いアメリカ合衆国が17.3%(2010年)、メキシコが20.4%(2010年)。 
日本より貧困率が高いメキシコ、トルコ、チリはいずれもOECDには加盟しているが、
先進国と言える経済力ではないため、日本は先進国の中でイスラエル
アメリカに次いで3番目に貧困率が高い国になる。逆に西欧諸国は大半が10%以下、
全調査国中最も低いスウェーデンデンマーク5.3%を筆頭に、北欧の貧困率が低い。
 厚生労働省の調査では、日本の相対的貧困は2009年の時点で16.0%は、データが
存在する1985年以降で最も高い数値。2007年の国民生活基礎調査で、日本の2006年
可処分所得の中央値(254万円)の半分(127万円)未満が、相対的貧困率の対象
となる。これは、単身者では手取り所得が127万円、2人世帯で180万円、
3人世帯で224万円、4人世帯で254万円に相当。日本は、かっての調査では北欧諸国
並みの水準で「一億総中流」と言われたが、1980年代半ばから2000年にかけて
貧富格差が拡大し相対的貧困が増大した。なお、ジニ係数相対的貧困率
定義が異るので一概に比較は出来ないが、単身世帯を含めたすべての世帯に
おける年間可処分所得(等価可処分所得)のジニ係数で国内格差をみると日本は
アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリアの英語圏諸国より格差が小さく、
フランス・ドイツとほぼ同程度の格差であった。相対的貧困率は、1980年代半ば
から上昇している。この上昇には、預貯金や不動産を所有しつつ収入は年金しか
ない「高齢化」や「単身世帯の増加」、1990年代からの「勤労者層の格差拡大」
が影響を与えている。「勤労者層の格差拡大」を詳しくみると、正規労働者に
おける格差が拡大していない一方で、正規労働者に比べ賃金が低い非正規労働者
が増加、また非正規労働者間の格差が拡大しており、これが「勤労者層の
格差拡大」の主要因。》と、やはり深刻である。
▼ 年金生活に入って、家にいるケースが多い上に、見栄など、どうでも良い
 年齢だが、それでも思わぬ出費が次々かさむ。リーマンショックによる静かな
恐慌と、大震災による影響で、マイナスの影響を受けるのは、貧困層。我われ
世代は「良い時代」を生きてきたが、これからは「悪い時代」に生きることに。 
良い時代を知らないから、それが当り前?