『自分史の書き方』立花 隆(著)
   * 年表を自分史のコンテにする
 履歴書と個人・家族史を骨格として、設計図面のように何度か書き直し、
そこに詳細を書き込んでいく。それを著名なライターが、指導するため、
受講者の内容は当然、アップスケールする。文章でも、ディベートでも、
やはり基礎知識が必要となる。以下は、自分史を書くにあたっての要諦になる。 
≪ 文章を書く上でいちばん最初に迷うことは、なにについて書くかである。
 題材、テーマということだが、自分史の場合は、それが決まっているから、
そこで悩むことはなにもない。自分という人間がどのようにできあがったか、
その流れを時間を追ってながめなおす、というのが自分史の基本だ。
初期の授業紹介にあったように、受講生たちに最初にやらせたことは、
「自分史年表」を作ることだった。
 通常、長い文章を書く時には、その大ざっぱな内容の流れをメモ風に記した
「コンテ」を作るのが普通だ。自分史の場合、この自分史年表がコンテになる。
いい自分史年表ができたら、自分史はもう半分できたといってもいい。
それくらいこれは重要な要素だから、初期の授業ではここに一番力を入れた。
自分史年表は何度も形を変えて作り直してもらっている。
 最初スケッチ程度のものを出してもらって、それをまた教室のスクリーンに
映し出して、いいもの、悪いもの、いい点、悪い点を具体的に指摘していった。
いいものをいくつか紹介していくと、次の回では、皆がいいものを真似して
とり入れてくるので、それを二度くらいやるとだいだい基本的なもの(コンテ
たりうる自分史年表)ができた。自分史年表は、いいものがいちどきにできる
わけはないから、いろんな枠組みと、いろんなスケール(特に時間軸の長さ)
で、習作的にいくつか作ってみることが重要である。
 年表を作る意義は、それによって巨視的に自分の人生全体をパッと見渡せる
ようになることにある。大切なのは、「全体をパッと見渡せる」ということに
あるから、はじめからあまり詳細な年表を作ることに熱中するのはよくない。
詳細すぎると、細部に目がいきすぎて、全体をパッと見渡すことができなく
なるからである。・・(略)
 自分史年表の骨格は、いわば、「履歴書(学歴・職歴)プラス個人生活史
プラス家族史」みたいなものであるから、まずは、そのアウトラインを自分の
思い出すままにメモ的に書いてみるところからはじめるのがよい。
・履歴書は、普通の履歴書を少し詳しく書く程度でいいだろう。
・職歴の部分は、「仕事内容の歴史」「職場異動の歴史」が入いるほうがいい。
・個人生活史の基本は、住所変更の歴史をきちんとおさえることが重要だ。
人間の人生はすべて4次元時空(空間軸プラス時間軸)上の移動の歴史だ。
人間はすべて、「あるとき」「ある場所」で誕生する「誕生点」といってよい。
一生の間、4次元時空の時間軸上、空間軸上を移動しながら生活を続けていく。
そして、やがて、命数が尽きたとき、人は、4次元時空上のある一点(あるとき、
ある場所)で死ぬ。「死滅点」といおうか。結局、人の一生は誕生点から出発
して、死滅点へと向かう長い長い4次元時空上の航海のようなものだ。
自分史はその航海日誌のようなものだ。≫
▼「人生は、誕生点から出発し、死滅点へと向かう長い長い4次元時空上の
 航海のようなもの」で、その間に「多くのエピソード」を道しるべにして
自分史を作り上げていく作業で、自分とは何者であったか、何者でも無かった
かを知るのである。だから、当人にとっては、苦しい内省でもある。
何ごとも指導者しだいで、作品の品質が違ってくる。人生もだが!
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5030,読書脳 ぼくの深読み300冊の記録 ー5
2014年12月22日(月)
         『読書脳 ーぼくの深読み300冊の記録 』立花 隆 (著)
   * アメリカは、「キリスト教原理主義」の国
 ここで取上げている『神の国アメリカの論理』上坂昇著と、
アメリカは、キリスト教原理主義新保守主義に、いかに乗っ取られたのか?』
スーザン・ジョージ著を読むと、アメリカの占領政策下で、いかに洗脳されてきた
日本の立ち位置が見えてくる。イスラム原理主義と同じく、アメリカもキリスト
原理主義で世界を占拠している実態が浮かび上がって見えてくる。 同時に、
イスラム教国の意味あいもみえてくる。 ーその辺りからー
≪ ここで紹介されているアメリカ人の宗教観は信じがたいまでキリスト教原理
主義的。教派によって違いがあるが、アメリカ人の圧倒的多数が、神、イエス
信じており、地獄、悪魔の存在も信じている。原理主義者は世界で起きている
ことはすべて「神と悪魔の戦い」とみなす。「邪悪な人々」は「抹殺」される
べきと考え、神の教えに反する不道徳な制度・慣習は廃絶されるべきと考える。
それが政治にも直接反映、レーガン大統領は、ソ連は悪魔に導かれた「悪の帝国」
とみなしたし、中絶や同性愛を認める人々は神の教えに反しているとした。
 宗教右派の分析が面白い。そこで紹介されている有名テレビ説教師や、CNNに
次ぐネットワークカを持つCBN(宗教テレビネットワーク)の驚くべきパワーを
知らないと、アメリカの政治と社会を本当に理解できない。特に彼らの政治力が
存分に発揮されることでイスラエル全面支援の米外交戦略が維持されていること
がわからないと、中東問題は理解不可能。 今世界のユダヤ人は約1300万人。
うち4割がイスラエルに住み、4割はアメリカにいる。アメリカとイスラエル
切っても切れない関係だが、彼ら宗教右派の未来イメージが、悪魔と反キリスト
が起す最終戦争のハルマゲドンの戦いにあり、そのとき天の軍勢をひきいて
キリストが再臨してくると信じているなどと聞くと、なんともあきれ返る。 
(略)・・著者はパリ在住の著名な米布教活動家。ユニークなのは、キリスト教
原理主義ネオコンの思想を加えた右派の思想がなぜ近年のアメリカ言論界で
これほど圧倒的な影響力を持つにいたったかの分析。その背景には、資金潤沢で
よく組織された右派エリートたちによる論壇コントロール長期戦略があった。
その戦略下、過激な右派思想が「『思想を正統化する存在』として機能する
大学やシンクタンクや各種財団を制覇」した。 その結果、巨大な右派思想
ネットワークが、大学、シンクタンクだけでなく「個別問題の政策開発センター、
草の根組織、出版社」などまで乗っ取り、いまやアメリカ全体がそのネット
ワークにおおわれている。・・ ≫
▼ 上記からして、、現在のアメリカと世界の政治の大きな構図が見えてくる。
 欧米の考え方は、『白人をトップにした進化論主義で、その下に、赤、黄色、
黒色と、進化が遅れた人種が続き、黒の下には、類人猿がいる』という考え。 
白人にも細かいランク付けがある。 世界の1%が、世界の富の半分を保持。
 格差社会の扇方の骨格が軍隊と警察と、銀行と、司法になっていて、
日本はキリスト教原理主義に間接統治をされている!のが実態である。
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4663, 2050年の世界 ー22
2013年12月22日(日)
 * 女性の職場進出と機会均質 
        「2050年の世界 ー英『エコノミスト』誌は予測するー」            
 女性の職場進出は結婚率を低下させる上に、離婚率も高める。今や婚外子
割合が欧米では3〜5割に至っている。そこに貧困が生まれる要素が大きくなる。
職場進出にはメリットと、デメリットが生じる。
  第三章のまとめ  ー経済成長がもたらす女性の機会
《 法の下の平等、教育経済成長がもたらす女性の機会の均等、家族計画、
 労働市場への自由な参入など、先進国における女性の地位は過去四十年で
著しく上昇した。それにともなって、女性は、キャリアのめどをつけて結婚出産
をするようになり、出生率は低下、かってのような大家族は過去のものになった。
一方で、アフガニスタンなどイスラム圏で宗教的な制約の強い国々では、
女性の選挙権すらまだない国も多く、その解消にはより時間がかかると思われる。
・ブラジル、ロシア、インド、中国のいわゆるBRICs新興国では、すでに教育の
 平等は制度として確立されており、それら知識層の女性たちが、経済の急成長
 から、今後、広く様々な分野で労働力として参入、経済成長をさらに促進する。
・富裕国でも少子化により、労働人口の減少が問題となり、技能と専門知識を
 必要}する職業では特に深刻化するため、女性たちはより多くの雇用機会を
 与えられ、より良い仕事に就けるようになるだろう。ただし、女性の早期退職
 慣行が段階的に廃止され、年金の支給開始年齢が男女を問わず
 引き上げられれば、女性は高齢まで働く必要に迫られる。
・先進国では、高齢化による介護の問題が、女性の職場進出に影を投げかける。
 出生率の回復を始めた一部の先進国では、育児と介護と労働のバランスを男女
 間、社会、企業でどうとっていくかが議論が行なわれ、様々な政策がとられる。
・製造業セクターの縮小と、サービス業の増大は、世界的傾向となる。
 サービス業は女性にとっては相性がよいが、しかし、雇用は非正規雇用
 有期雇用で不安定である。
・一九七〇年以降、OECD加盟国では結婚率がほぼ半減し、離婚率がほぼ倍増した。
 婚外子の割合は約三割から五割もある。未来においては、そうした傾向がさらに
 加速し、片親の女性は、育児と職業の負担のバランスにより苦闘することになる》
▼ 欧米の現在の社会現象が世界規模に広がり、女性の職場進出も後追いで多くなる。
二次産業から三次産業に重心が移動していく環境は、女性にとって雇用機会が増加。
一強多弱の傾向が、より強くなる近未来では、大部分の弱者は夫婦で家計を維持を
するしかないが、子供は一人しか持てなくなる。それなら現在の中国、日本と同じ。
それ以外の後進国が、後追いをしていく。家庭のあり方も、結婚という形が大きく
変化。一生の間に、複数回の結婚をする方が多くなるだろう。夫婦が頼りあうこと
より、個々が自立した共同生活といった家族になっていく。核家族から核個人家族、
各個人家族になっていく。これは情報機器がもたらす大きな変化。それぞれの
家庭空間より、個々の情報空間に関心が移行した結果生じる。楽しそうではない
情報社会の未来は、家族のあり方を根本から変えている。

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4298, 「国の借金」新常識
2012年12月22日(土)             
     「国の借金」新常識  "年金絶望世代"も元気が出る ー廣宮 孝信
 安部がインフレターゲット2%を目指すと宣言したが、こういう理論的?
背景があってのことだろう。タイミング的に今、読んでおくべき本。
日本も早々、破綻をして焼土の中から立ち上がった方がよいのかもしれない。
経済の主役はモノ、脇役はカネ。その基本をつかまえておかないと! 
それにしても狐に騙されたような妙な論理である。アメリカのヘリコプター
ベン?の、「空から金を撒けば景気浮揚になる」という理屈に似ている。
   まずは ーアマゾンのレビューよりー
● ≪「政府の借金」=「銀行預金」という説が面白い。銀行預金は銀行に
 とっては預金者からの借金。これはいずれ、預金者に預金を返さなければ
ならないし、利息を支払わなければならない。これは国債と同じ。三菱東京UFJ
の銀行預金残高は2000年〜2010年の10年間で約100兆円増えている。つまり三菱
東京UFJの借金はこの10年で約100兆円増え、今現在も増え続けているこの状況
でも「三菱東京UFJの借金が増え続けると銀行が破綻する〜!」とか誰も騒がない
のは何故だろうか。それはみんなが三菱東京UFJの銀行預金はあくまで「貯金」
だと思ってるからだ。(銀行側からみれば借金であるにもかかわらず)
「貯金がふえてるんでしょ、何か問題あるの?」というわけである。誰かの
借金は誰かにとっての資産である。これは方程式のように成り立つ法則なのだ。
つまり日本政府債務残高約千兆円は日本国民が日本政府という銀行に預けている
預金にすぎないのだ。「国(政府)の借金が増えるというのは国民の政府に
預けているお金が増えている」というだけのことなのだ。 日本の場合、
結論的には国(政府)の借金がいくら増えても問題ないのだが、ただ一つ国
(政府)の借金が増え続けるとヤバイ場合がある。 それは「外貨建てで
外国から借金すること」である。 これの典型的例がギリシャだ ≫
● ≪「財政赤字額のGDP比は2倍と世界一、財政再建待ったなし」
 「IMFも日本の財政赤字を問題視している」「国債発行は子孫にツケを残す」
「家計貯蓄が減少傾向なので国債の買い手がいなくなる」「景気対策のための
財政出動の必要性はわかるが財源がない」「よって消費税増税は避けて通れない」
事業仕分けなどにより財政支出を削減せよ」といった発言が総理大臣を
はじめとする政界や言論界学界に溢れているが、これらはすべて誤りであり、
悪玉視されている。 財政赤字こそ日本経済をデフレから救う善玉だという。
また現下の日本の財政余裕度なら、余計な心配をせずに国債を発行して
公共投資や技術開発を促進することが可能という。
 * 財政赤字善玉論のポイントは
1.政府赤字が増減すれば民間(家計&企業)黒字が逆方向に増減し、
両者を併せた円立て金融資産の総和は常にゼロ、故に円立て政府赤字のみを
取り立てて心配しても無意味。 外貨を含む金融資産の総和(対外純資産)
は重要だが、日本は世界一の純資産と経常黒字を続けている。因みにIMF
外貨立て純債務と経常収支のみを注視している。
2.そもそもカネはいくらでも創出できるので本質的な存在ではない。
モノこそが重要であり、モノが不足すれば国民は 確実に困窮する。
デフレの時期には政府赤字(財政出動)を増やしてGDPを増大させ、現在の
所得を増大させる共に将来のモノ作りの準備に投資すべき。従ってデフレ時の
財政赤字は極めて重要であり、子孫にツケではなく資産を残すことになる。≫
▼ これでは、国内向け国債を無制限に発行し、節度ある投資を果敢に
 すべきであるというが、何か、変。しかし、著者は、その辺りの疑問を
 問いにたて、答えている。 お勧めの本である。
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3923, 閑話小題
2011年12月22日(木)
   * 北朝鮮のドン様が亡くなった
 北朝鮮の金主席が、お隠れになった。三男が後継者になって、当分は
内部把握に集中せざるを得ないか、早々のクーデターが起こるか。体制が
体制だけに、誰も今後の予測は不可能。 国家としての理想といえば、
若手軍部の蜂起が起きて、中国に類似した開放政策をとる集団指導体制
をつくりあげることだが、無理だろう。 このまま三代目への権力の移動が
順調にいって、今までの延長も考えにくい。中国にとって都合の良いのは何?
と考えると、リスクを負ったとしても若手軍部のクーデター。とすると数年後、
閉鎖的な老いた軍部が実権を持った後に、若手が金一家の追放というのが筋書
として見えてくる。その意味で、安物の時代がかった物語が進行していく。
ドン様の御陰で、国民はたまったものではないが、軍部など、これまでの
体制の役人の利権は大きく、これを根底から潰すことは至難の技。
   * 歪んだ年寄りに近づくな! 歪むな!
 まさか自分が65歳になるとは!と、妙な感慨にふけることがある。 
そして、ふと自分を振り返ってみて、「自分が歪んだ年寄りになりかけている?」
と、疑念を持つことがある。 同年代の歪みが見えるからである。老化は心まで
歪んでくるというが成る程と思うことしきり。他者を見れば一目瞭然だが
自分には見えてない。法事などで年寄の愚痴を聞くと無上に悲しく思っていたが、
自分が、その年齢になってしまった。それは合わせ鏡で、自分で気づくしかない。 
教養とは、そのために必要な知識だが、年齢には叶わない。肉体と精神が相まり
人間性が作られるが、肉体が老い、病気がちになると精神も歪んでくるのが
自然の摂理。 その結果が老醜というやつ。 過去の仕事柄、色いろな人間の
内側が見える立ち位置に長年いた。そして40年近くの事業で因縁のあった
知人も私と同じように老いていく。「世界も、私も、同時に腐っていく」
という言葉があるが、まさに、それが人生でもある。老い、嫌われ、孤立し、
最後は独居老人になっていく。スポーツジムで、歪んだ人は直ぐに分かる。
健康を正す場だから始末が悪い。老化=歪みの進行となると気が滅入る。
人生には色いろな時節に絶え間なく難問が押し寄せる。 
その対処がマトモなうちはよいが、それに押しつぶされていく。 
自分の好きなことに熱中するのが対処になる。
・・・・・・
3558, 「プレイボーイの人生相談 1966-2006」 −1
2010年12月22日(水)
         「プレイボーイの人生相談 1966-2008)
まずアマゾンの内容紹介から :真の教養人による人生相談の最高傑作!
古くは柴田錬三郎今東光開高健、最近では松本人志リリー・フランキー
など錚々たるメンバーによる、時代は変わっても決して色あせない
珠玉の人生訓や哲学を集めた記念碑的1冊!
ーー
いや、面白い本を図書館で見つけた。どのページをランダムに開いて読んでも、
ニヤリとさせられる。やはり、まず見るのは今東光である。べランメイ調で
甘っちょろい若者の悩みを切って捨てている。
  * つまるものを探せばいい
● 質問≪厭世主義つていうのか、オレは人生っててちっとも面白いと感じた
 ことがないんだ。 よく「自殺は敗北だ」なんていうけど、つまらない映画
だったらさっさと途中で出ていっても敗北でもなんでもないと同じで、人生
だってつまらなかったらさっさと自殺していいと思うけど、これでもやっぱり
「人生に負けた」ことになるんですかね。≫ー死ぬのは平気なんだけど負ける
のは大嫌いな男より。≫
● 解答≪自殺より最初に人生についていうと、全部の人間に聞いてみな、
 「おまえの人生、つまってるか?」って。みんな「つまらねえよ」って言うよ。
そのつまらない中で、どうしたらつまるか、つまり、つまるものを見出していく
発見だ、この能力を養わなかったらどうにもならねえんだよ、人生は。
どこへ行ってもつまるものを発見するという能力をまず養う。
 能力というより、そういう努力をするということだ。織田信長がある日、
手をたたいて人を呼んだ。おそばの小姓が「ハイッ」と入ってきて、おじぎして
「ご用は?」「なんにもない。帰れ」。またポンポン……。
「ご用はっ?」、何人来てもみんな「帰れ」そして「帰れ」。そうしたら最後、
森蘭丸が入ってきた。信長がじっと見てたら、すっと来て、おじぎをする前に、
小さな糸くずが落ちているのに気づいた。 それを指でつまんでから
「何のご用でございますか?」「呼んだのは、その糸くずを拾わせるためじゃ」
これで信長は「蘭丸というやつは注意深い、偉いやつじゃ」というんで登用した。
他のやつはみんな落第よ。信長ばかりじゃない。会社だって、学校だって上役、
先輩も全部、そういう人間を要求してるんだ。それ考えりゃあ、つまらない
人生もつまるようにできる。オレも「坊主の世界はつまらん、つまらん」とも
言ってるけど、つまるようにいつでもやってるから、忙しくて面白くてな、
愉快でたまらんのだ。それでもつまらなかったら、さっさと死んでしまえ。
オレは別にとめやせん。生きてる意味を自分で放棄したんだから、勝手に
死にゃあいいさ。 ≫
 解)独り遊びが出来れば、人生は面白いはず。その代表的なのが読書。 
  最近はTV、パソコン、屋外スポーツがある。
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3183, つれづれに ー閑話小題 
 2009年12月22日(火)
 * 古町の老舗書店「北光社」の閉店
古町の大和の斜向かいにある「北光社」が来月で閉鎖をするという。
大和百貨店も春先に閉鎖するというから古町にとって大打撃。
残るは三越だけになってしまった。 ダウンタウン化が、さらに進む
ことになる。大和が撤退したあとは、その客を取り込めるか、それとも、
更なる地盤沈下でダウンするかで、三越の存在も決まってくる。
新潟駅の街中商店街の存在も大きい。それにしても、小さな書店の閉鎖に
新潟日報の反応が、あまりに大きい。日曜日の朝刊の一面と社会面のトップ
扱いである。それだけ象徴的な存在だった。情報化社会で本を読む人が少なく
なったことに加え、アマゾンのネットからの注文が増加していることもある。
 * 質素で退屈で憂鬱な時代
リーマンショック直後に、慶応の池尾和人教授が、2010年代は「質素で退屈で
憂鬱な時代」になる、といっていたという。なるほど、最近の時代風潮であり、
自分の気持ちでもある。 「空虚で回顧的で溜息の時代」ともいえる。それが、
一昨日のNHKのゴールデンタイムの「坂之上の雲」の明治時代の回顧と、
続いて放送された「マネー資本主義ウォール街の怪物復活である。 
再びアメリカのウォール街で、マネーゲームが復活はじめたレポート。
結局、その最大の被害者は、弱者で、強者は、直ぐに復活をしてくる。
で、質素は別に悪くないこと。退屈と憂鬱は気持ちの問題である。なら、
それは、それで、割り切ることも必要ではないか。「空虚で、回顧的で、
溜息」よりはよい。人口減少も、世界の先進国に先駆け、見本を示す。