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「毛沢東の大飢饉〜史上最も悲惨で破壊的人災」
フランク・ディケーター(著)
* 毛沢東という悪魔
もう四半世紀前の1989年になるが、北京経由の桂林へのツアーで、
現地人ガイドが桂林で何気なく発した言葉に驚愕をした。
『文化大革命の時、それぞれの村に死体が山のように積まれていた。
私の村でも、積まれているのを見た。桂林では、あそこ!』と、指をさす。
現地で生々しい虐殺の話を聞くのは初めて。日本では、聞けない話。
旅行当時、北京の天安門広場近くには通勤途上の人民服の人が乗る自転車で
溢れていた。 資本主義的近代化?に向かう一歩手前の中国の姿だった。
〜アマゾンの案内より〜
<15年以内にイギリスを追い越す」と宣言した毛沢東が始めた「大躍進」
政策は、人肉食すら発生した人類史上まれに見る大飢饉と産業・インフラ
・環境の大破壊をもたらした。香港大学教授が中国各地の公文書館を精査。
同館所蔵の未公開資料と体験者の証言から「大躍進」期の死者数を4500万
(大半が餓死。うち250万人が拷問死、裁判なしの処刑死)にのぼると算出。
中国共産党最大のタブーの全貌を明らかにし、北京が震撼した衝撃の書!>
=投稿者の内容より=
≪ もし地獄というものが、あるとすればこの時期(1958〜1962)
の中華人民共和国の姿であろう。この大躍進の前に、小躍進という大災害
があり、主としてスターリンのソホーズ・コルホーズを、中共がまねをして、
同じような飢餓と腐敗を味わったのであるが、たくみに、フルシュチョフと
張り合う形で、イギリスの鉄鋼生産量を追い抜くという、ばかげた、いや、
恐ろしい計画が、毛沢東がその権力維持の為に、発動される。それが大躍進
という地獄。共産主義国家において、しかも独裁者のもとでは、一度動き出した、
この地獄のプランは止められない。止めようとする者は地獄に落とされる。
およそ、考えられる地獄の様相はすべて盛り込まれている。単に餓鬼地獄だけで
なく、暴力、強姦毒殺、自殺のような他殺、親殺し、子殺し、人身売買、人肉や
泥、糞尿を食べる人、食べさせられる人、あらゆる冷酷のかたち、あらゆる
サデズムの形態で現実におこなわれる。発狂、逃亡、集団死、強盗、暴力
あらゆる悪徳、腐敗、無恥、がどのようにどこでおこなわれたかを、綿密に
書いていく。墓場から死体を掘り出し、あるいは飢餓で死んだ死体を肥料に
してまく。この歴史を国民に教えることはタブー。このような地獄のうえに、
その誤りを指摘する劉少奇を粛清するために、毛沢東は第一次文化大革命、
第二次文化大革命へと権力維持装置をフル回転させるわけだが、ここで
日本でも教養人にファンの多い周恩来などは、自分の命を守る方に
うごいていたこと忘れてはならない。身近な人が、身近な人に襲い掛かり、
子供といわず、婦女子、老人をたたき殺す、その異常死の数4500万人
ともいわれた大躍進の地獄は、人々の心から、忘却されてない。≫
▼ これに文化大革命を加えると、7〜8千万人が死んだというから、
人口の一割に当たる。もし日本だったら一千万人が犠牲である。
1958〜1962年なら私が中学校の頃、隣国では、こういう惨劇が!
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4740,<つまずき>の事典 〜 ー8
2014年03月07日(金)
* 「他人歓迎」 <つまずき>の事典> 中村邦生編著
既に亡くなったが、長年、連続テレビ映画の『ララミー牧場』の解説をし、
「さよなら、さよなら、またお会いしましょう」で終わる名調子の淀川長治
の言葉を紹介している。
☆ 『 映画は、ただ娯楽というだけじゃなくて、いつでも人間勉強させて
くれるので、私は映画に命をかけました。ちょっと大げさですけど、映画
への愛が今日の私を作りました。(中略)そして私は、映画から3つの
言葉を学びました。「がんばれ、苦労、来い」。二番目は「他人歓迎」。
“他人”という言葉を持ちなさんな、みんな仲間と思いなさい、映画は、
そう言っていました。もう一つは「私はいままで、嫌いな人に一人も会った
ことがない」。映画を見ていて、こういう言葉が出てきた時に、私はメモ
しました。家に帰ってから、それを身につけようとして、今日まで来て、
どうやらどんな人とも仲良しになれる気持ちになりました。愛は、本当に、
豊かな人生をもたらしてくれます。』 :淀川長治「美学入門」より
〜ネット調べると、以下も、なかなか良い〜
☆『愛というものがあるからこそ、人間は美しく生きられる。
愛のない人間は汚い。お金だけで行きている人間は汚い。
アメリカの言葉にもあります。「金で買えるすべてのもの、それは悪魔
でも買える。しかし・・金で買えないものを持っているのが、人間。」
それは、愛ですね。愛は金では買えませんね。そういうことも映画から
教えられました。』 :「大人の学校ー入学編」
☆『キザな言い方だが、講演するときもこのあと私はきっと死ぬのだと
自分に言い聞かせることにしている。するとその講演に命をかける。
二時間がまるで20分ぐらいの勢いでしゃべってしまう。講演の後は
汗でびっしょり。けれども不思議なことにこの方が疲れない。思いっきり
やったという私だけの満足感が疲れを忘れさせる。』『人は必ず死ぬ。
一日を十分生きなければ損だ :格言[いつも人生最後だと思う]
☆『チャップリンは幼少時代ひどい苦労をなめた。貧しさのあまり頭が変に
なった母とチャップリンは二人暮らしになった。父を5歳で失った時に
母は発狂した。腹違いの9歳の兄はこの家から逃れて船のボーイになった。
5歳のチャップリンは食べるものがなくなってマーケット裏に捨てられた
残飯を拾ったこともあった。その苦労がのちのチャップリン喜劇の中で
いかに生きて描かれているかがわかるのである。それにこの母が実は
偉かったのである。気が鎮まって正気を戻すと、小さな我が子を枕辺に呼び
「イエス様はお前が運命を全うすることをお望みなのだよ」と何度も諭した。
つまり自殺をするなということである。それは小さな我が子に言うよりも
苦しい自分に言って聞かせたのであろう。 そのチャップリンの苦労が
のちに幸せの花を咲かせたのである。思えば神様は人間を豊かに幸せに
するためにいつも苦労させるのだ。:格言[苦難のあとに幸せの花が咲く]
▼ チャップリンのコメディの基本となる「悲惨な生活の喜劇化」。
彼の芸は道化師の芸からの頂きで、「サーカスのネタばらし=自分自身
のネタばらし」である。少年の頃から、お金を稼ぐため、大道やステージに
立って注目を集めるために道化師の芸を盗んだ。子供の頃の生活のための
知恵は、万人の心をうつ。『一日を十分生きていれば、どんな場面でも
乗越えることが可能である』が、それが一番難しい。
『一日を充実させる』さえ心掛ければ、十分!
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4373, アフォノミックス
2013年03月07日(木)
* アベノミクスは、アフォノミックスか
アベノミクスを揶揄して「アフォノミックス」とは、よくいったものだ。
経済評論家浜規子が先日、アベノミクスを問われ、「アフォノミックスそのもの。
死に掛けている病人にホルモン剤を投与するようなもの。気持ち悪い。今さら
経済成長などおかしい!」と切り捨てていた。日銀総裁の黒田氏の国会答弁の
内容についてどうですかに対して、「日銀総裁になりたいポチが尻尾を振って
いるだけ」と、これまた辛らつだが、当を得たりと納得をした。
この事態を招いた戦犯の主犯格の安部と麻生が、首相、副首相とは漫画の世界。
殆どが、それを知っているから恐ろしい。7月末の参院選までのミニバブルか、
あと二年が限界とみてよい。それでも見渡す限り阿部しか見当たらないのが現実。
一度、チャラにになるなら、早めに息の根を止めるのも仕方がないのか。
この付けは、5年、10年後に覆いかぶさってくる。ところで韓国経済が変。
円安も効いて、あの元気にみえていた経済も崩壊過程。 輸出依存度を見ると、
日本 14% 、中国26%、アメリカ10%に対し、韓国は50%。日本は貿易立国と
言 われるが、実際には内需大国。それにしても韓国の輸出比率が異常に高い。
欧州危機と中国の経済停滞の影響を直撃し、急激に悪化している。
世界的動乱になると、国力がある方が有利。資源があり、海軍と空軍が断然
強いアメリカが当分は世界をリードする。体力を疲弊してしまった日本は、
当分、アメリカの属国として生きていくしかなく、TPPの参加は当然のこと。
明治維新も、太平洋戦争の敗戦も、今回も、アメリカに屈した開国になる。
アメリカにとって、どれも世界戦略の一つでしかない。韓国、台湾、日本が、
アメリカの軍事、経済の中国に対する前線基地。中国も北朝鮮を庭先の番犬で
飼っている。ここにロシアが絡んでくると、1930年代から太平洋戦争の様相に
酷似してくる。とすると、保守本流の安部と麻生の出番も分からないでもない。
「天気晴朗なれど、波高し」である。いや、「能天気なれど、波高し?」
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3999, 宇宙は本当にひとつなのか ー4
2012年03月07日(水)
* 暗黒エネルギー
ー 次に宇宙の全エネルギーの73%を占める暗黒エネルギーについてー
【 暗黒エネルギーは暗黒物質と並んで、宇宙を作るものの中で正体がわかって
いないものです。正体不明のエネルギーなので、暗黒エネルギーといっている。
暗黒物質のほうは10年以内にその正体が明らかになるのではないかと期待が
持てるようになってきたが、宇宙の全エネルギーの73%を占めると考えられて
いる暗黒エネルギーは、まだ糸口がつかめていない。今のところ、私たちは
暗黒エネルギーを見ることも感じることも出来ない。しかし宇宙のエネルギー
の約四分の三を占めているものが、どこか一部の場所に偏って存在するとは
考えられないので、私たちの周りに既に存在することになる。 暗黒物質も、
暗黒エネルギーも、それが分かっていないのに、物質とエネルギーとに分けて
いるのはなぜか。一番の違いは、宇宙が大きくなると暗黒物質は普通の物質と
同じように薄まるのに対し、暗黒エネルギーは薄まらない。
暗黒エネルギーを発見するきっかけは非常に遠くの宇宙で起きた超新星爆発。
超新星の観測から宇宙は常に膨張し、その膨張速度は速くなっていることが
分かった。宇宙には、目に見える星や銀河などより、目でみることの出来ない
暗黒物質のほうが多く存在する。ところが、宇宙が広がっていけば、その分
薄まっていきます。そうなると、宇宙のなかのエネルギー密度が低くなり、
宇宙の膨張速度は遅くなると、物理学者は考えていた。ところが、観測結果は
そうでなかった。宇宙が大きくなるにつれて、どこからからエネルギーが
湧き出る。何故そうなるのか。それは宇宙が大きくなっても薄まらない
何かがある。それを暗黒エネルギーと名づけた。】
【 宇宙の体積が大きくなっても、膨張速度は速くなっている。宇宙が広がる
たびに増え続るエネルギーが必要で、そのため考えられたのが暗黒エネルギー。
有力な仮説は真空も粒子は反粒子が出来ては消えてを繰り返してエネルギーを
持っている説。この説により真空エネルギーを計算すると120桁も大きな値に
なり宇宙は引き裂かれてしまうことになる。そこで素粒子を点でなく、小さな
ひもだという超ひも理論が登場し、宇宙は1次元の時間、目にできる3次元、
小さな異次元が6次元(カラビ・ヤウ多様体)の10次元ということになる。
超ひも理論は重力を含む力の統一が出来る可能性がある。超ひも理論は特異点
を持つブラックホールが熱を持つという問題に解を与えた。アインシュタイン
の重力理論はまちがっていて、宇宙は加速膨張しないとする人たちがいる。
彼らは超ひも理論の一つにより泡宇宙となるとの提案をしている】
▼ 「宇宙の体積が大きくなっても、膨張速度は速くなっている。
宇宙が広がるたびに増え続けるエネルギーが必要で、そのため考えられたのが
暗黒エネルギー。 有力な仮説は、真空も粒子は反粒子が出来ては消えてを繰り
返してエネルギーを持っている」という説が分かりやすい。真空の中に
エネルギーがあるというと、仏教の「空即是色」が思い浮かぶ。 この本を
キッカケにし、「宇宙オタク」のブログを幾つか見たが面白い。
広大な宇宙に興味を持つと、シャバの世事に囚われている自分が見えてくる。
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3633, 「中東革命」の行方 −2
2011年03月07日(月)
* 新たな独裁の可能性にマスコミは甘すぎる?
ー 次の視点も、なかなか考えさせられる ー
≪1月から2月に掛けてチュニジア、エジプトで次々と起こった民主革命に
ついて、筆者に思い浮かぶのがこのトックヴィルの洞察だ。この革命に対する
マスコミの反応は一言でいえば慎重な楽観主義である。通常、国際ニュースに
ついて、国内と海外の新聞の間に切り込みの鋭さの違いがあり、立場にも若干
異なる点が見られるのだが、今回の場合、内外格差も国内格差もほとんどない。
おそらくアメリカ国務省でさえ事態を掌握できないほど急速に出来事が展開した
ためなのだろう(なぜ、出来事の展開がかくも急速だったのかという点について、
各紙はアラブ世界へのインターネットの普及を原因として指摘する)。
チュニジア、エジプトの国民が腐敗した独裁体制と平和裡に決別し、民主化を
実現したという「美談」にも関わらず、内外のマスコミが手放しでこの出来事を
賞賛できない理由は、言うまでもなく「イラン革命」の経験である。
民主化は結構だが、それが結局、強硬なイスラム思想に立った新たな独裁体制に
つながったら困ると認識されているわけ。トックヴィルの洞察が重要なのは
まさにこの点だ。結局、新たな独裁制に行き着くのか、イスラム原理主義が
中東に浸透する結果になるのか、それを占う大きな要因は、今後、民主主義
への体制移行期においてどれだけアナーキーが深刻になるかである。
今回のチュニジア、エジプトでの民主革命は、この点に若干希望が持てる。
なぜなら、流血を伴うことなく実現されたからである。暴力によって生まれた
新体制は、その維持のためにも暴力を必要とする。同時にその暴力に反発する
国民の暴力を誘発する。今回はそれを避けられるかもしれない。もっとも
エジプトの場合、軍による移行体制という現状から、民主革命はまだ序の口。
もし今後、軍が強圧的な態度に出て、国民の反発が強まった場合、次の衝突
では流血が起こる。アメリカを中心とする西側諸国は、軍を監視して移行期を
スムーズに進展させる責任を持つ。≫
▼ イスラム教が、何で民主化というのか? 彼らの民主主義は独裁打倒
ということで、欧米の民主主義とは違う。要は、他の文明圏との経済格差が
TVなどで露出されたこともある。特に恵まれてない若者層に不満が浸透している。
独裁者たちの国家の私物化も露骨。同じことは欧米でもあるが、それぞれの
階層の中で飼いならされ満足しているのだから今さら
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3268, 哲学者は神について、どのように語ったか ー4
2010年03月07日(日)
* キルケゴールの「宗教的実存」
キルケゴールは、「個人の生は3つの段階を経て深化する」と主張した。
1、美的実存: 美しいものを求めて、そのときそのときの享楽を求める
生き方である。 ドンファン的生き方。
2、倫理的実存: よいことをし、社会的の規律を守り、習慣などに従い、
全てに道徳的な生き方。
3、宗教的実存: 神である絶対者との関係の中で生きることにより、
真の人生を手に入れることができる生き方。
この宗教的な生き方も、二つに分けた。「宗教性A]と「宗教性B]である。
「宗教性A」は、自力救済を試み、自分の主体や理性によって自分を支配しよう
とする。しかし、それはキエルケゴールによると罪になる。
支配するのは神である。(字数の関係でカット 12年03月7日)
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2893, 年寄りの持病自慢は、老人の猥談だと!
2009年03月07日(土)
50歳半ば頃から同級会では、年金か成人病の自慢のしあいか、
誰かの死の話が中心になる。青春時代に自分の体つきや身なりを気にしたり、
性体験を陰で話したり、猥談を話したくなる時期があるが、それと同じく、
自分の「体調」や「病気体験」について語りはじめる老人の「健康談議」を
「老人の猥談」というらしい。五十歳代半ばの下半身の衰えは男の共通の話題。
その次は癌体験か糖尿病か心臓病などの成人病の披露のしあい。
(字数の関係でカット 12年03月7日)
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2529, 山田風太郎 のアフォリズム
2008年03月07日(金)
彼の本が好きで、何冊か図書館で借りて読んできた。暗い中に何ともいえない
温みがあり、2年に一度は彼の本を読んでいる。また亡くなる前に朝日新聞に
『あと千回の晩飯』が連載したことがあった。なかなか文に鬼気迫る内容だった
ことを憶えている。 先日も『人間魔界図鑑』を借りて読んだが、著作群の中から
の警句やアフォリズムなどを一冊にまとめたもので読みやすい。
手元に置いておきたい本と判断し、アマゾンの中古本を注文することにした。
以下の文章は 「人生(時間)のセイムスケール」というHPの中の山田風太郎
のアフォリズムなどを抜粋コピーしたもの。
★「神は人間を、賢愚において不平等に生み、善悪において不公平に殺す」
★「我が命は地球より重い。他人の命は犬より軽い」
★「人は生まれ、苦しんで死ぬ。人生の要点はそれでつきている」
★「みんないう。いつか死ぬことはわかっているが、「今」死にたくないのだ」
★「---いろいろあったが、死んでみりゃ、なんてこった、
はじめから居なかったのとおんなじじゃないか、みなの衆」
★「死が生にいう。〈おれはお前がわかっている。
しかし、お前にはおれがわかっていない〉」
★「死の瞬間に何人も悟るだろう。--人生の目的なるものが、
いかにばかばかしいことであったかを」
★「生きながらそれは、多少ともすでに神曲地獄篇の相を帯びている」
★「いかなる人間も臨終前に臨終の心象を知ることができない。いかなる
人間も臨終後に臨終の心象を語ることができない。何という絶対的聖域」
★「生は有限の道づれ旅 死は無限のひとり旅」
(字数の関係でカット 09年03月7日)