現代思想」ー金融恐慌特集ー の中の「オバマはグランドキャニオンを直視できるか」マイクデイヴィス著 
 の中の例えが奇抜だが分かりやすい。
 ーまずは、その概要からー
1540年、初めてグランドキャニオンを見下ろした欧州人のカルデナスが、その景眺望に恐れをなして後ずさりをして、
逃げ帰ったという。その三世紀後に、次に見たアメリカ陸軍のイヴスも二回遠征して、「殆ど凝視に堪えないほどの恐怖」
という報告をしている。 要は二人とも自分たちが観たものを理解できなかった。
その後の南北戦争の英雄と地質学者や画家のチームが、コロラド川に取りつかれるが、その時に初めて、
グランドキャニオンは的確に描写されるようになった。数年かけた調査によって、グランドキャニオンを
受け容れる概念が出来たのである。遠く隔たった時間をかけて、想像を絶する景色を受け入れることが出来たのである。
現在の金融恐慌をグランドキャニオンを探検した人々のように、我われが今回の金融危機を、
これまで持っていた理解力を乗り越えることが出来るだろうかと、問題提起している。
そしてオバマが果たして今回の危機を直視が出来るのだろうか?と・・・
オバマのプランといえば、「社会主義」ではなく、「超資本主義」であり、その中味は、
「少数の巨大銀行に信用を集中して、その大部分を政府系ファンドによって、制御するもの」である。
オバマは、知的にも政治的にも、クリントン主義の気乗り薄な継承者でしかない。
イラクの撤退の替わりにアフガンとパキスタンでの部族戦争を加速する抵当権を設定しただけである。
そして、彼の理想主義が失敗すれば、チェイニーやカール・ロープ、あるいはもっと邪悪な権化が舞い戻る可能性がある。
 −以上だが、
アメリカの商務大臣を一度受け入れた二人が、たて続きに就任直前に急遽辞退した。 恐らくグランドキャニオンを、
この経済危機の中に見たのだろう。 人類が過って経験をしたことのない、深刻な広さと深さを見れば誰も後ずさりをする。  
 今度の恐慌は直視しても対策が限られているために、その火の手は簡単に消すことが出来ない。
今年から3〜5年間は、深刻な大火災が世界中を燃え上がることになる。
その火は、世界中の国家権力を総動員をしても消し去ることは不可能。燃え尽きるまで待つしかないから深刻なのである。
 肌の色?だけでは、消火は無理である。 自業自得と他山の石として眺めている場合ではない。歴史的日々が続く。

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