この日曜日の毎日新聞「今週の本棚」の書評
「ハチはなぜ大量死したのか」ローワン・ジェイコブセン著に驚いてしまった。(内容はYahooにコピー)
これによると、
2007年の春までに北半球のミツバチの実に四分の一が失踪したという。
 結論からいうと
ーこの「蜂群(ほうぐん)崩壊症候群」の原因は単一でないが最大の背景は工業化された農業。
不自然な管理がハチたちに強いストレスを与え、免疫抵抗性を弱め、ダニやウィルスに対する防御を弱めたのである。
そこに農薬の複合汚染が重なり、精密な社会生活を営む巣全体の活動をいわばアルツハイマー状態に陥れた。
病み疲れた働き蜂たちは、採餌の出先で倒れ、巣には戻れず、ただ死んでいった?・・・ ー
 それは「もう一つの人間社会を見る思い」と著者は人間の姿に重ね合わせている。
管理され、同一の花畑だけを移動されて、蜜を取らされて、毒(農薬)まで摂取していれば、当然の結果。

自宅で十年ほど前から、ハエと蚊の姿を見ることが少なくなった。
夏になると町内単位で各家の庭に毎年薬の散布をしているのも影響しているのだろう。
それと近くの河の中に堆積した土砂を徹底的の運び出したこともある。
散歩していて虫の数が激減してしまったのである。 
ハチの姿は都会で働いている人を冷静に見れば、酷似している。
管理され、会社と自宅という箱の間をラッシュの電車で移動する毎日。
それが都会人のカッコよさと共同幻想をもって生きて、定年で初めて働きバチだった己に気づく。
一年間、気温良好なオーストラリアで蜂蜜業を初めたが、大失敗をした内容を書いたことがあった。
四季の変化のストレスが無いことと、冬のために蜜を蓄える必要がないため蜜を採らなくなったのである。
都会でノイローゼ、自殺が問題になっているが、自然に触れる機会が少ないのも原因だろう。
この大恐慌も、あまりに不自然な現状を考えるチャンスを「大自然」が与えたのである。

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