*どうもこうも、アメリカの金融株の下落が止まらない。
シティが3・5ドル、バンカメが7.2ドルと、今年に入って50%も値下がりした。
先週末にはシティが解体プロセスに入ったというニュースが流れ、バンカメが200億ドルの資本注入、
そして1000億ドルの与信枠を政府から与えられた、という。
投資銀行の消滅の後は、アメリカのトップクラスの規模の二社が崩壊寸前というから、ことは重大である。
更にビッグスリーを救済するというから、アメリカは何をやらかすのだろう。

*この円高と金融恐慌の結果、昨年の一人当たりの名目GDPが、
  日本 19位から9位
  英国 10位から18位
  アイスランド 三位から19位 に下がったという。
 といって、何も変わっていないのである。金融立国が自滅しただけのこと。
 あと数年もしないうちに日本は20位以下になるだろうし。 ちなみに、一位はルクセンブルグ
 二位はノルウェーで一昨年と変わらない。それにしても、僅か4ヶ月で世界は一変してしまった。 

* 17日の土曜日の日経の朝刊で、デビット・スミック(ジョンソン・スミス・インターナショナル会長)は、
バブルの崩壊について、「いくつものバブルが相次いで破裂しつつある。あえていえば、サブプライムはたった1兆5000億だ。
クレジットカードが2兆5000億ドル、新興国向け与信は4兆から5兆億ドル。 外国為替デリバティブと破綻リスクを保証する
クレジット・デフォルト・スワップは各50兆ドル以上などを合わせればバブルは全世界で200兆ドル以上になる。
10%が吹きとんだとしても20兆ドルだ。」と語っている。 更に欧州のユーロはどうかというと、
「ユーロ自体が非常に過大評価を受けている。欧州の金融機関の新興国向け与信が、関心の的になっている。
とりわけ中東欧諸国の債務不履行が時限爆弾になっている。また中南米向けにはスペインの与信が積みあがっている」
「中国についても、社会と政治へのバブル破裂の懸念がある。中国は経済が落ち込むたびに、社会が混乱に陥る。
1950年代の大躍進後に、60年代の文化大革命とその後の混乱があり、89年には天安門事件が起きた。
今また輸出主導の経済発展が行き詰っている。中国積みの船は空っぽで、在庫の山が積み上がっている。
政府は景気刺激に躍起だが、90年代の日本を見ても功を奏するとは思えない。年率8〜8・5パーセントの
成長を前提にしているが09年には5パーセント程度に鈍化しかけない。中国経済は弾みに支えられており、
いざという時の社会的な安全装置がない。世界全体にとってアメリカはここ何十年か『最大の買い手』だった。
そのアメリカが困難に陥り、輸出主導の新興国も揺らいでいる」
 −まあ、その通りであるが、中国も、欧州も、日本もザマ〜ミロという感情だったが、
気がついてみれば、そのアメリカより、直接の被害が結果として大きくなるのである。

・・・・・・・