1月16日  1969年

9時起床。10時前に大学にいって卒論提出。万歳!これで頭を痛めていた難問をクリアーする。
内容は満足のいく半分のできであった。あれだけ努力をして、内容はこのレベルでしかない。
基礎ができてなかったのだろう。あちこちの文章を切り抜いて、自分の言葉に言い換えただけでしかない。
そこに新しい視点を見つけることは不可能であった。甘さといい加減さが、この内容が物語っている。
以前の自分はもっと自分に厳しかったはずなのにどういうことだろう。
そういえば今日試験があったのを知らなかった。これをとらないと単位が取れないという。
欠席届を出して、後はどうなるか様子見である。一つ大きな心配が増えた。
ゼミの河村と石川と外山と4人で研究室に行き、助手の横浜さんと話をする。
その後、寮に帰りTVをつけると、東大の校舎で反代々木系全学連安田講堂にたてこもって8千人の警察官と
攻防を繰りひろげていた。まるで戦場である。 講堂の屋上からは火炎瓶、空からはヘリコプターが三機もいて
サイリュウガスを撒いている。驚くばかりである。駒村の部屋に行く。彼とは大きな距離を感じる。その後風呂に行く。
その後部屋に帰ってくると、先輩の永田さんくる。先日、飲みに行ったばかりだが、また彼と飲みにいく。
先日よりズット落ち込んでいた。あれだけ強気であった人が、何があったのか弱気なのだ。
もう秘書は辞めて田舎に帰るとか、鼻ー蓄膿症ーが悪くてどうにもならないとか。
 午前一時過ぎに帰って、就寝。