2008年01月13日(日)
2475, 年頭の新聞の記事の総評 −2

            才ノヽ∋ ー ヾ(´∀`o)+。…
産経新聞の30人の論説委員の「論説委員がもの申す」、見開きの二面全ページの寸評だが、的を得ているものばかりである。 
年頭の特集では一番、わかりやすく、今年はどのような年になるかを考えるには、これを読み返せば、ほぼ網羅している
といってよい。この中で、ある論説委員が取上げていた阿久悠の遺言のラストメッセージ
 ー日本の社会が「湿り」と「暗がり」を失ってしまったーは、面白い見方だ。
世の中が乾いてしまい、ギンギラになってしまったというのも肯ける。情報化が影と湿りを失わしめたのだろうが、
光と潤を与えたことも事実。その交差の混乱が現在の日本の置かれた事態でもある。

*そのうちの幾つかをコピーしてみた。
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「節目」「激動」平成20年  論説委員がもの申す(2−1)
 平成になって20年目を迎えた。北京五輪の年でもある。20年といえば、大きな節目の年といえる。
 内外とも激動の時代に入っている。なかなか先が読めない不透明感が漂う。米国では今秋、大統領選挙が行われる。
 すでに英国やフランスでは指導者が交代し、隣国の韓国も新大統領が誕生するなど世界の顔はがらりと変わった。
 北朝鮮の動向も気になる。本紙「主張」を担当する総勢30人の論説委員が、一言ずつ書き留めた。
 *「平成20年に思う」
 ■五十嵐徹
 地方の商店街は判で押したようにシャッター通り。 地域格差は深刻度を増すばかりです。
 地方が元気にならねば日本経済の本格浮揚は望めません。
 そのための地方分権論議ですが、ねじれ国会で国政の停滞が気になります。
 子年の子は終わりの了と始まりの一の組み合わせ。輪廻(りんね)の中枢を意味する文字だとか。
 大山鳴動ネズミ一匹とならぬよう願いたいものです。
 ■石井 聡
 平成の世に入った年、自民党幹事長として政権を牛耳っていた「あの人」が、
 今年も政局の主人公。 とっくに賞味期限切れになっていそうなものだが、
 昨年の辞任騒ぎでシールを張り替えると再び店頭に。 それが通用するのは、
 ひとえに野党の人材不足。今だに「恐怖症」が治らない与党にも原因。
 次世代の奮起を期待しつつ、また振り回されるしかないか。
 ■乾 正人
 竹下内閣末期に首相番記者となって20年。平成の永田町を見つめ続けてきた、
 といえば格好はいいが、紅顔の美少年?がメタボおやじになっただけ。
 政治の世界も進歩がない。平成の御代(みよ)に首相を務めた政治家は13人を数え、
 政権の平均寿命は1年半にも満たない。焦点は14人目が誕生するかどうかだが、
 勝負は秋にもつれ込みそう。永田町も「どげんかせんといかん」。
 ■岩崎慶市
 小泉純一郎氏が首相再登板。現実味のない初夢みたいだが、ポスト小泉の混乱する政策決定過程にそんなことを思う。
 欧米の改革ははるか先を行き、なお手を緩めない。 背中には中国の手がかかり、そのうち抜かれる。
 なのに改革は止まったまま。ねじれ国会で身動きもとれぬ。未来を開くべき政治がその道を閉ざす。矛盾超克する宰相いでよ。
 ■河合雅司
 少子高齢化社会の到来が言われて久しいが、総人口に占める75歳以上の「後期高齢者」の割合がついに1割に達した。
 後期高齢者医療制度がスタートする平成20年は、今後の社会保障制度を占う節目の年となりそうだ。
 ただ、財源論ばかりでは解決は遠い。若い夫婦が子供を持ちたいと思える
 「希望社会」をどうつくるのか−といった議論も巻き起こしていきたい。
 ■木村良一
 フェンシングも剣道も間合いが大切だ。間合いとは相手との関係である。 間合いを誤ると、致命傷を負う。
 演説で間の取り方がうまかった角さんは「人間は間だよ」が口癖だったそうだ。
 医療も同じ。医師と患者との関係が重要だ。インフォームドコンセント(十分な説明と同意)
 という言葉もある。信頼関係がしっかりしていれば医療事故も少なくなる。
 ■黒田勝弘
 日本での“韓流ブーム”は続いているのだろうか。しかし“米流”とか“欧流”とはいわない。
 古くから広く深く浸透しているため、今さらそういう必要もないからかな。
“日流”はどうだろう。繊細、美しい、柔らか、整っている、安心、安全、清潔、信用、配慮、気配り、
 丁寧、親切…外での日本評価はきわめて高い。 評価を裏切らないようにしたい。
 ■坂口至徳
 倫理問題を解決する世界初のヒトiPS(人工多能性幹)細胞が京都大学で開発され、
 夢の再生医療の実現が近づいた。生活習慣病につながる「メタボリックシンドローム
 (内臓脂肪症候群)を防ぐ大規模な特定健診・保健指導も準備に余念がない。
 一方で医師不足など難問は多い。健康で長寿な社会に向けての希望が持てる方策を探りたい。
 ■皿木喜久
 今年は『源氏物語』ができて1000年、京都を中心に、その千年紀が繰り広げられる。
 昨年は早々と挫折した通読に再度、挑戦してみたい。 『源氏物語』だけではない。
 日本人の先祖たちは世界に誇れる「文化」を遺(のこ)してくれた。その素晴らしい遺産を見直すことこそ、
 日本人の文化力を甦(よみがえ)らせ、その「心の荒廃」から救ってくれる。そんな年にしたい。
     (○´∀`)ノバイ        (2008/01/03)

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