2005年01月03日(月)
1371, 人生における成功者の定義と条件−1  −読書日記

大げさなタイトルだが、面白い内容である。作家の村上龍と各界の著名人との対談集。

 「これまでの成功者のイメージを壊したいという気持ちがあるんです」
  お金でも地位でも名声でもない“成功”の定義とは何か?
  格差が顕著化し、価値観が多様化する日本において、“成功者”とはいったい誰なのか?
  仕事と人生について考え抜いた著者が5つの職業の第一人者と語りつくしている。
  終身雇用制度が終わろうといている現在、過去の成功の定義はゆらいでいる。
  まえがきの最後に人生の成功者というのは、その人の人生における目標を達成した人という言い方ができるかも。
  それでは人生のおける目標とは何かというと「生活費と充実感を保障する仕事を持ち、かつ信頼できる
  小さな共同体を持っている人」と言う仮説を立てて論じている。
  しかし、充実感と生活費のだけでは何か足りないような気がする。
  現代では、平均以上に金を稼ぎ、出世する確実な方法はない。つまり良い学校に行って、いい会社や権威のある役所に
  入っても成功者になれるかどうかわからない。それが、今の子供たちに勉強のモチベーションを失わせている。
  価値の多様化でも旧来の成功モデルが機能しなくなっている今、
  あえて成功者の新しい定義と条件を示す事は無意味ではないとあって本文が始まっている。
  大きな時代の変化の中で、どうしたらよいのかの問いかけとしてのヒントを与えてくれる内容である。
  むしろ、よい学校に行って、よい職場に入って、人並みに良く生きて、定年をむかえた後に、
  自分の人生とは何だった?と初めて気がつく人たちより良いのかもしれない。
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           「人生における成功者の定義と条件」著者ー村上龍  NHK出版協会
  次回は、その内容を抜粋して、考えてみる。
                       −つづく
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