「資本主義は嫌いですか    
     ―それでもマネーは世界を動かす 」 −2  
                     竹森 俊平 (著)
 紙幣は「ねずみ講」の札と同じ!と言われれば「エッ!」と思うだろう。 しかし、その通りと納得した。
アメリカのドル一極基軸体制だった数年前まで、正に、それに近い感覚を持っていた。
それをズバリ「ねずみ講」とはね!。
 ーP74ーにそのことをズバリと書いてある。
《「ねずみ講」というのは、【親」の会員が「子」の会員から利益をもらい、「子」の会員は「親」の会員から利益をもらい、
といった連鎖を繰り返していくことにより、会員全暴利益を享受するとをねらったものである。何のことはない、この仕組みは、
より先の世代の会員たちが受け取る利益の「つけ」全部を、連鎖の最後の世代に回しているに過ぎない。
しかし、もし「ねずみ講」連鎖が永遠に続くならば、「つけ」を回される連鎖の最後の世代の存在は無限時点の彼方に消滅する。
それゆえ、この場合には「ねずみ講」に参加する会員全員が利益を受けるという奇跡が起るのである。
ここでは、何も有益な生産活動が行われているわけではなく、単に「つけ」のたら回しがされているだけなのだが、
それでも会員全部が利益を受ける。それは無から有を生じる「錬金術」のような奇跡である。
ただし会員全部が利益を受けるといっても、誰もがまったく同じだけ利益を受けるわけではない」
ねずみ講」の第一世代、つまり「親」は、自分自身は他人に利益を与えることなしに、自分だけが利益を受けるのだから、
受ける利益は人一倍である。これは「貨幣経済」についてもいえる。胴元や、始めたものが貰い得なのが、「貨幣経済」である。》
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  以上だが、犯罪としての「ねずみ講」を主催していた連中は、そのことを熟知していたはずだ。
  そして、アメリカの金融システムの支配者達もである。 ねずみ講も、それが拡大しているうちは問題にならない。
  しかし、一度それが行き止まった瞬間に破綻をする。 それと同じことが「紙切れ通貨制度」にも言える。
  次回にとりあげるが、現在世界の各国が取り入れている「賦課方式の年金制度」は「公営ねずみ講」と看破している。
  私の過去40年近く、2000万以上も支払ってきた年金、前の世代が使ってきただけで我われの将来のために保全はされてない。
  これでは、権力者による公営詐欺である。 国債も未来に対する先取り詐欺と同じである。 
  今回の「サブプライム問題」については、資本主義体制の中の「紙切れ通貨」そのものから起因しているから根は深い。
  さて、この大混乱の行く末は、やはり戦争だろう。 民族間か、宗教間か、世代間か、国家間か・・・淘汰されるのは弱者!
   潮流は、情報化社会からくる既成体制の崩壊の本格化である。 それらが直接、個々人に影響してくる。
   金と情報が絡まっているから、ことは重大である。   
                               つづく (次回は年金制度は公営「ねずみ講」?)
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