2005年07月16日(土)
1565, 新潟駅周辺再開発が動き出す

ここにきて、新潟駅再開発が本格的に動き出した。
昨日(7月15日)、近くの市民会館で住民説明会が開かれた。
一時間あまりであったが、400人位が来ていた。同じ内容で、この数日で6回も開かれるという。

当社のホテル4棟のうち2棟が駅東線道路の拡張に引っかかり、
更に200坪の駐車場が明石紫竹線道路に面していることもあり、
このプロジェクトは非常に大きな要素を持っており、ホテル事業に大きな影響を与える。
丁度、ホテル建設から10~24年経っており建て替え時期になっているので、プラスになるだろう。
また工事が始まると工事関係者の宿泊に多大な影響をもたらす。
10〜30?のアップが見込める。(朱鷺メッセと、至近の東横インの入っている再開発ビル工事で実証済み)

総事業費が1445億というから、新潟市にとっては巨大プロジェクトになる。
この事業構想から13年も経つが、やっと具体的な動きになってきた。年度内計画決定を目指すという。
事業完成目標は平成25年というから、決定さえしてしまえば工事は急ピッチになる。

今までの大きなプロジェクトとして
ー県事業として
万代島再開発事業で  290億円
・サッカーの新潟スタジアムに 300億円
ー市事業として
・市民芸術文化会館の建築費  180億円
・市民病院建設費   220億円
 等々である。これに比べても、この1445億円の開発の大きさは
 新潟市レベルからみて大きいことが解る。

内訳として
・立体交差事業に  707億
・駅周辺整備事業として
  738億(鳥屋野線・85億 駅西線・85億 
      駅東線・129億 明石紫竹線・12億)
高架区間は2、5キロ  在来線ホームは現在の4面7線から3面5線になる。
投資効果が、投資額の2、6倍という。それほどある訳がないが、まあ何もいわない。

以前の説明会の時、道路拡張計画で道路の反対側のホテルの社長が大反対をぶっていた。
初めは両側の拡張計画が、当方の側一方に変更になった。
買収先も半分で済むし、当然の結果である。彼も後で地団駄を踏んで後悔したと思われる。
十年前に、近くの再開発ビル建設の時も、反対にまわって・・・・

これさえ決定すれば、新潟駅前事業も軟着陸できそうだ。
ついているのは、最後までついていることになるはずだが?
それにしても丁度良い時に、丁度良い工事が図ったように始まるものだ。

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2004年07月16日(金)
1200, ロマン・ロラン
 ―哲学についてー16

学生時代、野田一夫教授の[経営学]の授業で、ロマン・ローランの
ーベートーベンの生涯ーを勧められ読んだ時の感激を今だ忘れることができない。
1967年6月中旬だった。
高度成長期の時代背景もあってか、彼の理想主義が大きく心に刻まれた。
彼は生涯をかけ人間の善意と崇高さを信じ、理想を求めたヒューマニズムの作家であった。
演劇作家から、しだいに偉大な天才たちの評伝を書くようになった。

『ベートーベンの生涯』の中で
「ぼくの芸術は貧しい人々の運命を改善するために捧げられねばならない」
と述べている。「第九」は作者ベートーベンの人生ー病苦、難聴、絶望―
を投影している。それでもベートーベンは生き抜く意思を込めた曲である。
悲痛な心情とともに、それを乗り越えて、芸術で人々に尽くすことに生きる意義を見いだそうと格闘する魂。
その使命感が彼を救ったのである。音のない闇の中、ベートーベンは光を見つける。
「これこそそうだ! 見つかった!! 歓喜! われらに不滅のシラーの歌を歌わしめよ!」
(『第九』発表1年前、音楽ノートにつづった言葉)
「第九」は、第1楽章から第3楽章まで、あの「歓喜の歌」の旋律が断片的に現れては消え、
最終楽章に向かって苦悩し続ける。
そしてついに「おお、友よ。この調べではない」と、最終楽章でこれまでを否定する。
それは、これまでを全否定しているわけではない。
実は、現れそうになっては消えたあの調べ、あの旋律こそが主題の「歓喜」であり、
今までの苦労の中に「歓喜」はあったのだと劇的に展開していく。

 ーベートーベンの言葉がよいー
「良くかつ高貴に行動する人間は、その事実によってだけでも不幸に耐えることができる」
「苦悩を突き抜け歓喜に至れ」「私は善良よりほかに卓越性のあかしを認めない」
「諸君、喝采したまえ。喜劇は終わった」(ベートーベン最後のことば)
「苦難の時に動揺しないこと。これは真に賞賛すべき卓越した人物の証拠である」

ロマン・ローランは、彼の音楽と言葉から苦痛と、それをのりこえた魂の偉大さを
感じとる。そしてその生き方と彼の理想主義がマッチしているのがこの本であった。
「良くかつ高貴に行動する人間は、その事実によってだけでも不幸に耐えることができる」
「苦悩を突き抜け歓喜に至れ」は、私の20代の心の芯になっていた言葉であった。

ロマン・ローランは、他にも多くの格言を残している。
ー彼の言葉を抜粋するとー

・愛はそれが自己犠牲であるときのほかは、愛の名に値しない。
              ―「トルストイの生涯」―
・真理への愛のみが、我々を決して裏切ることのない唯一の愛だ。
              ―「愛と死の戯れ」―
・三つの大きな性的異常のうち、
第一のもの《自愛》は、個人にもっとも害を及ぼす。
第二のもの《同性愛》は、人類種族にもっとも害を及ぼす。
第三のもの《近親同士の愛》は、社会にもっとも害を及ぼす。
              ―「回想録」―
・諸種の主義のあいだの闘争がなんだというのか。
 唯物論、唯心論、社会主義共産主義といったところで、
  それはどれも繋いだ犬の首輪なのだ。
              ―「魅せられたる魂」― 
・理想主義のない現実主義は無意味である。 
 現実主義のない理想主義は無血液である。
              ―「先駆者たち」―
・英雄とは自分のできることをした人である。ところが、
 凡人はそのできることをしないで、できもしないことを望んでばかりいる。
              ―「魅せられたる魂」―
・男性は作品を創る。しかし女性は男性を創る。
              ―「ジャン=クリストフ」―
・まさしく音楽こそ、精神の生活を感覚の生活へと媒介してくれるものです。
              ―「ゲーテベートーヴェン」―
・大半の聴衆が興味を抱くのは、音楽ではなく音楽家である。
              ―「ジャン=クリストフ」―
ーロマン・ローラン概略ー
フランスの小説家であり思想家。
トルストイの思想的影響の下に出発、人類への愛、理想主義の信念に基づき創作や平和運動に活躍した。
ベートーベンの研究もある。 代表作は「ジャン=クリストフ」「魅せられたる魂」。
                   (一八六六〜一九四四)
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