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2005年07月11日(月)
1560, トヨタ流 仕事の哲学
ー読書日記
若松 義人 (著)
著者は、この書で一番いいたかったことは
「当たり前のことをトヨタほど徹底的にやり続けるは、何と難しいか」である。
「日々改善、日々実践」を50年以上も積み重ねこそ現在のトヨタがあるという。
トヨタ流の基本は「人間はすごい」であり、「人間の智慧に限界はない」である。
トヨタの強さの源泉は、創業以来脈々と受け継がれてきた暗黙知にある。
この書はトヨタ式の物の見方、考え方、行動の仕方が解りやすく書いてある。。
トヨタといえば、「かんばん」や「ジャスト・イン・タイム」など経営手法ばかりが注目されてきた。
この本はトヨタの精神性ー「哲学」が明らかにされていること。
換言すれば、「トヨタそのもの」がテーマになっている。そこから見ている限り、トヨタの哲学は見えてこない。
この書はトヨタのブラック・ボックスの部分を、トヨタ生産方式の生みの親である大野耐一氏の直弟子で、
「トヨタ式の伝道師」とも言える著者が、自らのノートを紐解きながら語っている。
本書を読むことで、トヨタの強さの源泉が、その「行動規範」「価値観」「組織文化」にあることを知り、
また読者はそれを自らのものとして吸収できるだろう。この本の中には、たんなる一企業の理念を超えて、
多くの企業、そしてビジネスマンにとって有効な「普遍性」を有しているからだ。
以下、それぞれの章ごとに印象に残った部分をメモ代わりに抜粋してみた。
●1章 トヨタ流 改善哲学
ー成功地図を明快に描こう
・変化は「現状」を敗者にする
・大切なことは「一気にやること」より「一番にやること」
・負けたということは伸びる余地があるということ
・「変えないために変える」哲学
日々改善することこそが強さを維持する秘訣だ。
●2章 トヨタ流 問題解決の哲学
―「システム」が能力を引き出す
・「わかっている」をまず疑おう
・精神論は問題を見えにくくする
五木寛之が
「簡単な答えに真実はない。一言で断言できるような現実など、あるわけがない。」
と言っていたが、その簡単な答えの奥にこそ本当の真実がある。
・自分の60点は他人の100点に勝る。
●3章 トヨタ流 行動哲学
―「今までは」に軸足を置くな
・不可能はあきらめの別称である
・敗者のように発想せよ
最善の行動は最悪に備えること
トヨタの生産方式の基本は「限量経営」にある。
売れるものだけをつくって、売れないものはつくらない。
限られて量を、良くて、早くて、安くつくる方法を徹底的に
追求した。
●4章 トヨタ流 失敗の哲学
以下4〜6章までは字数の関係でカットしました。
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以上であるが、システム的なものは前書きにあったように、ほぼ書いてなかった。
何度も何度読む必要性のある本である。
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