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2004年07月09日(金)
1193, ニーチェ(1)
ー哲学についてー14
ー概略はー
ドイツの哲学者。(一八四四〜一九〇〇) 実存哲学の先駆者。
キリスト教的・民主主義的倫理を弱者の奴隷道徳とみなし、
強者の自律的道徳すなわち君主道徳を説き、その具現者を「超人」とする思想に達した。
機械時代・大衆支配時代に対する批判は、一面ファシズムの支柱ともなった。
薯「ツァラトゥストラはかく語りき」「善悪の彼岸」
「道徳の系譜学」 「権力への意志」など。
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人生を振り返って、一番影響を受けたのがニーチェである。
高度経済成長の時代という背景もあったのだろうが、自分の能力を最大限発揮するのが
男の務めと考えていた。儒教的頑張りズムに相通じるところもあるが。
自分が考えることは、しょせんは全てが借り物。ただ借り物と意識をしないで踊っているにすぎない。
それを気がつくかつかないかでしかない。
ー印象的なことを書き連ねてみると、
この世には神は存在せず、人間には不滅の魂などないというショーペンファウアーの主張には賛同した。
人生とは大部分が意味のない苦しみや争いの連続で、[意志]とよばれる非合理な
力に引きずられていくだけという点でもショーペンファウアーに同意している。
しかし、この世界は部分にすぎない、それも大して重要ではないという彼の主張には
反対をした。この世界こそすべてだと考えた。
更にショーペンファウアーの「人はそのような軽蔑すべき世界から背を向けて、
関わりを持たずに生きるべきだ」という結論を否定した。 逆にニーチェは、
「人は自分の人生を精いっぱい生き、可能なかぎりのものを手に入れるべき」と考えた。
ニーチェ哲学の最大の課題は、
「神が存在せず、意味もない世界で、人はどのようにすれば情熱を持ち続けながら生きていけるか」。
自己の能力を最大限に伸ばした人間は一種の超人的存在であるため、ニーチェはそれを「超人」といった。
ニーチェにとって人がもつべき最高の価値観とは「自己の人生を肯定する」ことであった。
「誰もが完全に自己を表現し、充実した人生を送り、人生を肯定すべきである」と説いた。
ニーチェの二つの主張がある。
・充実した人生そのものこそ意味があり、価値があるとした。
充実した人生は芸術作品のようである。
・すべては永遠の無に帰すのではなく、永劫回帰する、というものである。
時間は巨大で宇宙的な同心円を描いて進むため、以前おこったことはすべて、
ふたたび巡り帰ってきて、その後永久の時を経て同じことが繰りかえします。
人は精いっぱい生きることで、永遠に生きたいと思う人生を送る。
時間は永遠に繰りかえすことで、限りある閉ざされた世界にいる人間に、
永遠といえる生命を与える。
− つづく
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