2005年06月03日(金)
1522, 将来の不安

将来に対して誰もが漠然とした不安感を持っている。
特に激動期において、大きな不安が曇り空のように横たわって見える。
ある哲学書に面白いことが書いてあった。「将来の大きな不安は、現在が不安定である投影でしかない。
このことに気がついてないことが大きな判断ミスを犯してしまう。
将来のことは、現在考えている予測や不安とは全く違うものだ。
いや、明日のことでさえ。問題は現在の不安定が前向きかどうかである。
将来の不安は、今の問題の不適合(目をそらしている)でしかない」という主旨である。

準備を含めると、26歳の時から新事業を幾つか立ち上げてきた経験から、
不安に対しては自分を上手くコントロールをしてきた(せざるを得なかった)。
最善を尽くしたつもりの計画を実行するにあたっても、不安はつきものである。
その不安感を、逆にエネルギーの元にするしかない。一人震えていても仕方がない。
事前に考えていることと実際は違うが、その違いに出会った場面でフィード・バックするしかない。
いま一つは目標と目的が明確でないことも不安要素になるが、その信念への揺さぶりと考えるしかなかった。
不安になったら、最悪を想定して紙に書き出してみた。
そのプロセスで問題に対して冷静に考えることになる上に、客観視を持つことになる。

これはマイナス思考のようだが、実際はプラス思考になる。
問題の中心点にマイナスの視点から突き詰めることになるからだ。
とことんマイナスを考えれば、漠然とした不安を具体的に想定することになる。
その過程で、プラスの視点が自動的に出てくる。それをしないから中途半端のところを行ったりきたりする。
そこまで考えてないから不安が出てくる。 
プラス思考と軽く言うが、マイナス思考を背後に持ってないプラス思考は中味は薄い。
だから不安感が付きまとうのだろう。

将来への不安感は、現在の変化への不適合の自己逃避がもたらすものである。
変化への不適合が将来の不安の問題に摩り替わってしまう自分の
心理を全く気がつかないのが、自滅というカタチに自らを導いていく。
将来が不安であればあるほど、現在の問題の中心点にエネルギーを
集中しなくてはならない。 むしろ人によっては自滅も必要な時もあるが。

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