■
2003年5月18日
774, 30歳の頃(1976年)
この年は本当に大変な年であった。
その半年前に、新潟県長岡市駅前通りの繁華街の四角で衣料量販店をしている
実家の店に戻っていていた。 本店は当時6億の売り上げを上げていた。
家族内のトラブルで急遽、千葉の千城台で貸しビル経営と
(養老乃滝+焼きたてのパン屋)を経営委託にして、帰ってきたところであった。
仕入れに、販売に、新人の教育にと、いま考えてもよくやったと思う。
体が浮いているようでもあった。新卒を13名入れ、その戦力化に必死であった。衣料品は博打的要素が多い。
季節要因により、在庫の調整をしたり、流行の筋を早く見つけ一瞬で売り抜けなくてはならない。
岐阜・大阪・広島・岡山の産地を情報を頼りに現金を持って走り抜ける。
それも全く経験のない自分が、買い付けるのだ。よくやったと思う。必死とは不可能を可能にする。
目を吊り上げ、無我夢中で必死に仕事をしていた。
何ごともコツというものがある。
それは必死さの中から初めて掴む事ができる。
一シーズン3ヶ月の間に[導入・最盛・売り切り]と一ヶ月単位で博打をしていく。
それが面白い!当たればの話だが。
そのシーズンが当たると後の2シーズンがその勢いで上手くいく。
外れると、回復に2シーズンかかる。 従って間違えても外せないのが面白い!
五年近く従事したが、当時の自分の頭を自分で撫ぜてやりたい気がする。
反面いろいろの経験ができた。
安いビジネスホテルをさがして、規定のホテル代の差額と出張旅費で居酒屋とか、
地元の料理屋に行くのが楽しみであった。仕入れに、販売にゲームをしている感覚であった。
今のホテルも、その経験から顧客の立場で考え抜く事ができた。
その頃の社会的背景を書いてみる。
ー社会現象ではー
・ロッキード事件で田中角栄前首相逮捕
大型ジェット旅客機の売り込みを図るロッキード社から5億円の賄賂を受け取ったとして、
東京地検、田中角栄前首相が受託収賄罪で7月27日を逮捕。計16人が起訴された。
・ミグ25亡命事件
9月6日、ソ連の最新鋭戦闘機ミグ25に乗ってペレンコ中尉、アメリカに亡命のため
北海道・函館空港に強行着陸した。中尉は希望通りアメリカへ亡命。
機体は自衛隊百里基地で分解、検査された。
・総選挙敗北で三木退陣、福田内閣が誕生
・酒田大火発生
10月29日、山形県酒田市も繁華街で大火が発生、1059棟が全焼。消失面積史上4番目。
ーーー
このように時代背景をみながら当時を振り返ると、当時の記憶が生々しく浮かんでくる。
・・・・・・・・