2003年03月18日(火) 713,
「メシのタネはどこに」 ー読書日記

 邱 永漢 著の「メシのタネはどこに行った」が面白い。
現在の日本の現状をわかりやすく書いてある。
東南アジアや中国にその工業生産地の地位を奪われ、まさに
地方は空洞化で劣化の道を歩んでいる。
首都圏が世界に向けての工業地帯ー企画と高品質化を提供する発信基地となり、
地方からシフトの変更をしている。

 地方の時代といわれたが、一瞬で終わってしまい、いまや寒風が吹き荒れている。
もう二度と春は来ないであろう。次ぎの日本鉱脈を探っているが、海外に資本と
ノウハウをもっていくしかない。
「国がどうなるかと考える前に、自分が如何したらよいか考えるべきだ」
と日本人一人一人につきつけられている。
みんなで大損をして再出発の時である。
フローが細ってしまえば、ストックは減るのは当たり前のことである。

 ー以下はあるホームページの要約のコピーである。
以下の要約を何回か読めば大筋がわかる。
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「メシのタネはどこに行った」
 邱 永漢 著  
   ☆☆☆

1.工業的豊作貧乏のトップ・バッター日本

 日本の富の大半は工業生産によってもたらされたものであり、工業生産が付加価値を
生み出す限り、日本経済は安泰だったし、サラリーが貰えなくなる心配はなかった。

それどころかサラリーは年々上がり続け、円高のせいもあるが、遂にアメリカを追い越して、
世界のトップに立ってしまった。それでも世界中にマーケットがあり、
メイド・イン・ジャパンを売り込める余地が残っている間はまだよかった。

ところが全く予期していなかったことが起こった。輸出で財を築いた日本だが、
輸出で稼いだお金で日本国中が資産インフレになると、一大消費ブームが巻き起こったのも
束の間、国内消費が壁にぶつかってしまったのである。

1989年の株高を頂点として日本の株価も地価も反落に転じたが、それがきっかけになって、
日本が不況に陥ったわけではない。実は工業化社会に転じてからの日本が欠乏と不足を
充たしてほぼ飽和点に達し、豊作貧乏に見舞われるようになったことが日本に大きな変化を
もたらしたのである。

日本の景気を左右するのは実は国内の消費動向であって、輸出の好調、不調ではないのである。
消費の減退は日本経済に重くのしかかっており、お金の流れそのものを変えてしまったのである。
実はそうした認識を私自身もつい最近までは持っていなかっ た。

これはひょっとすると60年に1度あるかないかの大恐慌かもしれないと考え直すようになった。
今の日本で起こってい ることは世界で類例のないことであり、日本がトップ・バッターとして
世界ではじめての経験をしているということにほかならない。

では世界に先んじて日本がおかれている社会条件は何かというと、いち早く工業化に成功して、
世界のトップを行く工業先進国になったということである。その成功によって世界中で最も
稼ぎの多い富裕国になったわけである。

工業化によってつくり出された過剰生産は人間自身がストップをかけない限り、
ライバルが敗退して姿を消すまで続く。
従って一時的な勝者はあっても、永遠の勝者はなく、
息の長い殺し合いが繰り返されることになる。

ダイエーやマイカルやそごうの業績不振を見れば、
過剰生産のもたらすデフレが企業をどういう形で痛めつけるか、
いやでもわかってしまう。 欠乏と不足の時代は終わってしまった。
これから工業化による豊作貧乏の時代が始まろうとしている。

2. 日本の大企業がメーカーでなくなる日

物の不足した時代と物のありあまる時代を昨日の続きの今日と考えてはいけない。
供給が完全に需要をオーバーし、物が売れないことが目立つようになると、値段を下げるか、
生産をコントロールするか、二つに一つもしくは、同時に二つとも手を打つか、
以外に方法がなくなってしまった。