2003年02月08日(土)
675, ぶざまな人生ー3

ーおれ様の人生と馬の骨の人生ー
この本にはなるほどと合点する面白い内容がいくつもあった。

人間の存在とは
1、この世でたった一人しか存在しない人間ー「自分」・・「自分様・オレ様」
2、他人から見ると、その他大勢のなかの一人 ー「自己」・・「馬の骨」
この二つを同時にもつ存在である。この二つの認識を持つことが重要である。

個人主義とは、もともと集団的価値よりも個人的価値を上位に置く
対集団的な考え方だが、それが個人に向けられた時には、たった一人のオレ様である。
お互いに馬の骨同士「個人」であるがゆえに、お互いの唯一性を尊重することになる。
それが個人主義であり、その領分を守るのが自分ー自らの領分である。
利己主義は、自分だけがこの世でたった一人しか存在しない人間としか認めない。
他人と自分の領分も理解できない輩である。以上が「オレ様と馬の骨論」である。

人と話していて驚くことがある、ある二代目が皮肉交じりに
「お前は金儲けだけは上手いからな!」と私に言ったことがある。
この言葉の論外に「オレ様の仕事は金儲けでなく、お前ー馬の骨のやっていることは
金儲けでしかない」という自惚れの気持ちがありありであった。

「人間とは自分に都合のよいように自分を買い被っている存在に自分で
気がついてない」と、呆れたのを憶えている。
この手前勝手さは誰もが、勿論自分も形を変えて基本にある。
それがこの馬の骨論で、ずばりと書いてあった。「みんなが大将!」というところか。
私が怒ると知らずと「あの馬鹿が!」とか、「あの馬鹿どもが!」という言葉が
頭をよぎるが、おれ様という意識がそう言わしめるのだろう。

以前「世間様」論を書いたことがあったが、
世間様とは自分の領分をわきまえない集団主義者のことである。
いや集団主義というより仲間主義の連中である。

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